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「新型コロナ 障害者は問う、「命の選別」起きはしないか…」

田中陽子 2020年6月24日 5時00分 『朝日新聞 DIGITAL』 https://www.asahi.com/articles/DA3S14523747.html
https://www.asahi.com/?iref=pc_gnavi
2020/05/29 朝日新聞社田中陽子記者による立岩真也への取材

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 ※オンラインでのインタビュー→録音記録有(田中記者の発言部分の音はなし)

■記事全文→https://www.asahi.com/articles/DA3S14523747.html  「新型コロナ 障害者は問う、「命の選別」起きはしないか」
 2020年6月24日 5時00分

 「新型コロナウイルスの第1波をきっかけに、障害のある人たちが「命の選別」を危惧しています。感染拡大により医療が崩壊する事態が起きたとき、障害者の命が軽視されることはないのか。今なお社会に残る優生思想や障害者の置かれた現状から、当事者たちは危機感を訴えています。
 □救命治療での差別、「容認」の懸念…」
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■立岩のコメント

・田中記者による案
 「社会には、生産性確保のために働く人を優先し、働けない人を除外する意識があり、それは危機的状況ではさらに強くなりがち。障害に対するネガティブな価値観は、障害者の意思表示にも反映されうる。障害者本人が呼吸器をいらないと言ったら、社会はそのまま受け止めるべきなのか。その議論を経なければ、障害に対するネガティブな価値観を本人の意思を理由に許容することになり、議論をすること自体に危険な面もある」と警鐘を鳴らす。

・立岩による改稿
 「呼吸器がいらないとは自殺の意志表示でもある。それをそのまま<ありがとう、ではどうぞ死んでください、その呼吸器はいただきます>と受け入れてよいのか。そしてその意志は、障害に対するネガティブな価値観を受け入れてのものでもある。働けない人、人に世話される人を除外する傾向は危機的状況ではさらに強くなる。こういう問題であることがわからないまま議論をするのなら、その議論自体、人を死に誘う面がある」と警鐘を鳴らす。

・田中記者による改稿→立岩:承諾
 「呼吸器がいらないとは死を選ぶ意志表示でもある。障害者のそうした意志表示を、そのまま『ありがとう。では、いただきます』と受け入れてよいのか。社会には生産性確保のため、働けない人や、人に世話される人を除外する傾向があり、その傾向は危機的状況ではさらに強くなる。障害者の意志表示は、障害に対するネガティブな価値観を受け入れてのものでもある。こういう問題であることを認識しないまま議論するのなら、その議論自体、危険な面がある」と警鐘を鳴らす。」


 ※田中記者とのやりとり
  おおむね私の方からの提示したものを受け入れてくださいました。ありがとうございます。
  ただこういうやりとりはかなり辛いものでもあり、今回も、いくつかの変更点について気づかないまま承諾してしまったようです。

■2020/06/22 10:13 立岩→田中様

どちらでもかまいません。立岩

■On 2020/06/22 10:07, *@asahi.com wrote:
>
> 立岩さま
>
>  「意思表示」は「意志表示」の方がよろしいでしょうか。
> ご意向を教えていただけますか。たびたびすみません。
>
> 朝日新聞 田中
>
> From: 立岩真也 <tae01303@nifty.ne.jp>
> Sent: Monday, June 22, 2020 9:58 AM
> To: 田中 陽子 <*@asahi.com>
> Subject: Re: ご相談 RE: コメントご確認のお願い(朝日新聞・田中)
>
■2020/06/22 立岩→田中様
>
> 了解です。そのようにしていただいてもかまいません。
>
> 立岩
> http://www.arsvi.com/ts/0.htm
> コロナ
> http://www.arsvi.com/d/id.htm
>
■> On 2020/06/22 8:44, tanaka-y15@asahi.com wrote:
>
> 立岩さま
>
>  お忙しいところご確認いただき、ありがとうございます。夜分に申し訳ありません。
> いただいたコメントについてご相談があります。
> 「ネガティブな価値観」とはどういうものなのかを、その言葉が出てくる前で触れておきたいため、下記のようにさせていただけないでしょうか。
> 「呼吸器がいらないとは死を選ぶ意志表示でもある。障害者のそうした意志表示を、そのまま『ありがとう。では、いただきます』と受け入れてよいのか。社会には生産性確保のため、働けない人や、人に世話される人を除外する傾向があり、その傾向は危機的状況ではさらに強くなる。障害者の意志表示は、障害に対するネガティブな価値観を受け入れてのものでもある。こういう問題であることを認識しないまま議論するのなら、その議論自体、危険な面がある」と警鐘を鳴らす。
> 「自殺」は仮にそのような意思表示を考えた本人に酷な言葉のように思いました。「死を選ぶ」などとさせていただけないでしょうか。
>  また、先生は「いしひょうじ」は「『意思』表示」ではなく「『意志』表示」とされていますか?
> 弊社は「意思表示」と表記しているのですが、「意志」のご意向がありましたらそうしますので、教えてください。
>
> 何卒よろしくお願い申し上げます。
>
> 朝日新聞 田中陽子

■2020/06/21 16:17 立岩→田中様

「呼吸器がいらないとは自殺の意志表示でもある。それをそのまま<ありがとう、ではどうぞ死んでください、その呼吸器はいただきます>と受け入れてよいのか。そしてその意志は、障害に対するネガティブな価値観を受け入れてのものでもある。働けない人、人に世話される人を除外する傾向は危機的状況ではさらに強くなる。こういう問題であることがわからないまま議論をするのなら、その議論自体、人を死に誘う面がある」と警鐘を鳴らす。

としてくださいませ。字数はまったく同じです。

立岩真也
http://www.arsvi.com/ts/0.htm
コロナ
http://www.arsvi.com/d/id.htm


UP:20200423 REV:20200424
感染症・新型コロナウィルス  ◇生を辿り道を探る――身体×社会アーカイブの構築  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
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