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制度を使う・2

新書のための連載・6

立岩 真也 2020/06/15 『eS』14
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介助・介護 > ◆重度訪問介護派遣(重訪)

※以下の草稿に大幅な加筆・変更を加え、ちくま新書の一冊として刊行されます。
◆立岩 真也 2020 『介助為す介助得る』,ちくま新書,筑摩書房
 新書、お買い求めください。
 また、新書の分量の3倍ほどの量(文字→HTMLファイルのバイト数換算)のある電子書籍版を、紙本(新書)を購入された方に対して、他の種々の資料集等同様、Gumroad経由で提供いたします。500円とします。(+その増補版について、購入していただいた方で希望される方に提供いたします。)9月刊行の予定です。本文は同じですが、文中の事項・人物等にリンクをはります。そこからそれに対応する情報にアクセスすることができます。また新書には註も文献表もありませんが、連載時に作成した註を整理・拡充して、電子書籍に収録します。そこにも多くのリンクがあり、さらに多くの情報にアクセスすることができます。


◆大野 直之 2020/01/15 「重度訪問介護の制度ってなんだ――24時間365日のつきっきりも実現する あなたの知らない重度訪問介護の世界・1」, 『訪問看護と介護』2020-1(医学書院)
◆大野 直之 2020/02/15  「専門職の口コミが大切です――24時間365日のつきっきりも実現する あなたの知らない重度訪問介護の世界・2」, 『訪問看護と介護』2020-2(医学書院)


まずサイトを見る
 役所や「専門家」はほぼ知らないことが、残念ながら、前提になるので、ただ窓口に行ってもらちがあかない可能性があります。可能性高いです。なので、残念ながら、こちらである程度のことを知っておいた方がよいということになります。だからこれから少し説明しますが、詳しくは本書よりウェブサイトの方がよいです。私なんかよりずっとこの制度を広める活動をしてきた組織が、ずっと適しています。
 「全国介護保障協議会」という団体があり★16、そこの「全国障害者介護制度情報」のサイトがあって、問い合わせもできます。それから、各地の「自立生活センター(CIL)」などに、ところによってはすこし頼りないところもありますが、相談すると応じてくれるでしょう。だから具体的なところはそちらで、ということにします。紙の本はしょっちゅう制度の変更に対応しにくいということもあります。ですからここでは簡単に。

ごく簡単に
 介護保険では要介護認定っていう、マークシートにチェックいれて、コンピュータでピーッてっていうのでかちっと決められるわけですね。その支給の基準が厳しくなってきて皆ブーブー言ってますけれども、ブーブー言うだけのことはある、よろしくないです。ただ、文句はいっぱいあるんだけど、文句言っても誰も聞いてくんないみたいなことになってるんですよね。
 障害者の法律に規定されているサービス★17も、だんだんとそんな具合になってきました。基本、「障害程度区分」というものに対応して決まっています★18。本人が要ると言っただけ使ってよい、あるいは実際に使っただけ税金から支払ってよい、「青天井」だってかまわないんだという主張があって、私もその主張に加担してきたんです。荒唐無稽(こうとうむけい)と思われるかもしれないけれども、実はそうでもありません。かなり合理的な主張なので、それを取り下げるつもりはありません★19。ただ現実には基準があって、しかしそれじゃ生きていけないんだということで、超過・個別の決定を認めさせてきたのがこれまでの歩みであって、重度訪問という制度もそもそもはそういうところから出てきたと考えてもらってよいです。
 「総合支援法」で決まっているサービスはいくつかあるんですが(→☆17)、いわゆるホームヘルプサービスに当たるのが「居宅介護」です。最初は厚労省の文書読んでもよくわからないんですが、誰にどれだけというのは、厚労省はその基準を作ったほうがいいよいったことを言う、そして市町村が決めることになっているんです。ただそのうえで、これもよくわからないんですが、厚労省はその「居宅介護」の「支給決定基準」は示していて、それは最も重い区分6でも月1900分です。つまり1日1時間すこしといったところです★20。「これじゃあなあ」、と思ってしまいます。そしてこういうふうに示される「相場」がこんなもの、となると、「重度訪問」で1日8時間とか24時間もとかいうのは、桁が違うわけで、なんかわけわからんと思われても仕方がないのかもという気もします。ただこの「居宅介護」にしても、決めた基準以内でということでは必ずしもない――次に出てくる「定型外」がある――ことは加えておきます★21
 さてその重度訪問介護ですが、利用条件は障害程度区分4以上。両手両足のうち2肢に障害があるか重度の知的障害がある、など★22。このことは厚労省の通知に書いてあります。ただ「居宅介護」の月1900分といった数字に対応する数字は同じ通知には書いてありません。さきに名前をあげた組織が、厚労省と交渉して、個別に対応すべし基準は上限を設定するものではない、24時間あり、といった文書の類を幾度も出させて、実際の水準と運用を実現してきたといったものです。そこで、その全国介護保障協議会の側の説明を、次項でそのまま使います。

解説
 これは、私たちのサイトの「重度訪問介護(重訪)」の頁にあるQ&Aの答えの一部です。この頁には、介護保障協議会とその関連団体で長いこと仕事をしてきて、このQ&Aも作成した大野直之さんの『訪問看護と介護』での連載(今のところ全6回のうち第1回と第2回)の全文にもリンクさせているのでこちらもご覧ください。

 「最大で毎日24時間つきっきりの重度訪問介護のヘルパーが利用できます(同時に2人のヘルパーまで)。吸引や胃ろうの介助も受けられます。外出時や旅行中の介助も自由に利用できます。  […]
 ◇1.支給決定基準内
 障害支援区分6の場合は、重度訪問介護なら1日8時間くらいまで(市町村により若干上下します)が一般的な市町村の支給決定基準となり、支給決定基準以下の利用の申請でしたら申請後1週間から2週間程度で決定されるのが普通です。
 ◇2.非定型
 支給決定基準を超えた長時間のサービスが必要な場合は、非定型のケースとして細かなニーズを説明して申請する必要があり、審査会での意見を市町村が聞いて決定します。この場合、決定までに1ヵ月から2ヶ月かかる場合が普通です。長時間の非定型の決定がはじめてのケースだという市町村では、さらに時間がかかることもあります。
 非定型の場合は毎日24時間2人体制等の支給も可能です。1ヵ月1400時間の重度訪問介護の決定を受けている人もいます。厚生労働省は非定型のケースには上限を設けてはいけないとしています。必要な人に必要なだけのサービス提供を行う責務が法律上市町村に課されています。
 重度訪問介護の利用条件は区分4以上で、両手両足のうち2肢に障害があるか重度の知的障害などの条件があります。非定型のケースの多くは区分6以上です。
 重度訪問介護の1時間単価は身体介護の4割程度ですので、身体介護のように1時間や2時間といった短い単位での利用は事業所が赤字になってしまうため、利用することが困難です。
 基本的には連続8時間勤務のヘルパーが1日3交代で24時間の介護を行うことを前提に制度設計されています。」

 このような文書の「もと」はなんだとか、「支援区分」?「支給決定基準」?「非定型」?と調べ始めるとけっこう手間どります。「実績」「実態」があって、その具体的なところは民間のほうがわかっている、とくにこれまでやっていなかった自治体はわからない、そういうことだろうと思います★23

介護保険との関係
 また、六五歳以上の人(と幾種類かの障害のある人)は介護保険の対象になるということで、そして介護保険が優先で、こっちがこれを使ってからこれを使ってくださいと言われることもあります。前回、ソーシャルワーカーでそういうことを知っている人はたいへん上等なほうだと言いました。たしかに基本そうなっているのではあります。ただ、杓子定規に常にそうじゃなきゃいけないとはなっていない。これは厚生労働省の通達とか、そういうのでも、基本そうだけれども、例外もあるよ、と。そういうところは柔軟にやってちょうだいっていうようなことを、その自治体の担当局とか、そういうところに通知したものがあったりするので、2つあってこっち使ってこっちだよねってのは、基本はそうなっているんだけれども、必ずしもそうじゃなきゃいけないってことはないっていうことをおさえといてください★24
 優先させても、介護保険で足りない場合の「併用」は可能です。併用ができるならそれでよいではないかと思いますが、そうでもなくても、その利用者にとっての不都合は、一つ、短い時間の介護保険を計画に組み入れる必要が出てきて面倒であること。もう一つ、自己負担の基準が双方で異なっていて、総合支援法では上限が37200円ですが★25、介護保険が加わるとそれについては収入によっては3割負担ということになります★26。ただ、前者については、両方の制度でのヘルパー派遣をしている事業所にうまく調整してもらうといったことは可能です。
 ちなみに、だいたい市の窓口に行くとうちはお金がないって言うんだけども、こういう事業っていうのはだいたい国が半分お金を出してるんです。加えて、京都市とか大阪市とか横浜市とか政令指定都市はまた違いますけれども、普通は都道府県が4分の1、市町村が4分の1っていう、こんな感じでそのお金を出してるんです。そして、さっき国のほうでよくわからない時間数を示したりしていましたけど、それと関係なく、市町村がここまでやるって決めれば、どうのこうの言わず、国は2分の1を出さざるを得ないっていう、そういう仕組みなんです★27。第◇回で、これはお金がない地域がお金がある地域からお金を移してもらって人を雇うこと、地方で産業を興すことだと言ったのは、そういうことでもあります。


★16 「全国障害者介護制度情報」というサイトがある→http://www.kaigoseido.net/。そこには問い合わせ先として「全国障害者介護保障協議会/障害者自立生活・介護制度相談センター」と記されている。
 『生の技法 第3版』に新たに加えた「共助・対・障害者――前世紀末からの約十五年」で以下のように記した。
 「役所も知らないし、本人たちの多くも知らない。まず介助の必要な人が知り、△552 役所が知らないものが制度的に可能であることをうまく知らせ、説得する手だてがいる。それを各地の人たちが獲得することで全国に制度が広がる。
 2 情報が制度を拡大させた
 そこで大きな役割を果たしてきたのが、情報を提供し、具体的な交渉の仕方等を伝える組織である。「全国公的介護保障要求者組合」が一九八八年に設立され厚生省との交渉などにあたっていたのだが、九七年にこの組織は二つに分かれる☆02。「組合」の方も活動を続けるが、分かれた方は、一つに運動・交渉団体としての「全国障害者介護保障協議会」、一つに相談を受け情報を提供する組織としての「障害者自立生活・介護制度相談センター」の二つに活動を分け互いに協力し合うかたちで活動を続ける。相談センターは膨大な情報を蓄積し、会員を募り、『全国障害者介護制度情報』を月刊で発行し続け、ホームページで情報を提供し、フリーダイヤルでの電話相談等を行ってきた。こうして、切実に介助を必要とする人の多くがこの組織を利用し、利用者が制度のことを一番よく知っている(が、行政の人はあまり知らない)という状態がもたらされた。」(立岩[20121225b:552-553])
 「☆02 「組合」のほうのことは新田[12下:316-325]に記述がある。ただ「分裂」についてはふれられていない。」(立岩[20121225b:598])
 研究者としては深田がこの分裂にふれている(深田[2013:505ff.])。私は、深田は「基本的には「ゲゼルシャフト」と「共同体」という、社会学の古典的な対比において捉えている。まずはそのように捉えることはできるだろう。[…]ただ私は、すこし異なった筋で捉えることができると思う」(立岩[20191224:429])と記し、2019年に刊行された『弱くある自由へ 第2版』(立岩[20191224]◇)に新たに収録された「高橋修 一九四八〜一九九九」で、この分裂についてかなりの紙数を使って書いた(立岩[20191224:425-435]◇)。  「97年の「分裂」があった。そのことの含意を見る。〔高橋修は〕そう道幅が広くはない、しかしこれでよいしこれだけだろうという道を通って行ったことを確認する。」(立岩[20191224:42]◇)。 ★17 厚生労働省のサイトにある「障害福祉サービスについて」(厚労省・[HTML])他に列挙されている。「訪問系」では「居宅介護」、「重度訪問介護」、「同行援護」、「行動援護」、「重度障害者等包括支援」の5つがあげられている。
★18 同じサイトに「障害支援区分」がある(厚労省・[HTML])→「障害者総合支援法における「障害者区分」の概要」(厚労省・[PDF]。「区分1」から「区分6」までになっていて(他に「非該当」)6が最も要支援度が高い。
 右記した「概要」に手続きが示されている。利用を希望する側の申請を受けて、調査員の訪問調査→コンピュータ判定+主治医の意見書:一次判定時、それに調査員による(あれば)特記事項+主治医の(あれば)意見書を受けて、市町村審査員による二次判定→市町村による認定・通知という流れ。
★19 「青天井」について。問題がない、少なくとも思うより少ないことは1998年の中西正司との文章(中西・立岩[1998])で述べ――その箇所を『差異と平等――障害とケア/有償と無償』(立岩・堀田[2012]◇)第1部第1章「差異とのつきあい方」で引いている(立岩[20120610:87]◇)。
 「遠離・遭遇――介助について」◇の「判定から逃れようとすること」([2012:296-301]◇)
 「本人の申告に応じて支給する、あるいは実際の利用に対して支給すること(出来高払い)はほんとうに不可能か、考えるだけ考えてみてもよい。ここでは、介助についてはその可能性のあることを述べる。」(立岩[20000301→2012:297]◇)
 ここで現金で得られるものとしての所得と追加費用とを分けて考えるのがよいと述べた。そのことを「差異とのつきあい方」で述べ、「多様で複雑でもあるが基本は単純であること」で短く繰り返した(立岩[20121225a;527-239]◇)。これまで注目されていない部分だが、けっこう重要なことを述べていると思う。
 「妥当な所得水準が決まったとして、その所得をどう使うかは各自の好みに委ねるとし、この(すなわち追加出費が必要なようにできてしまっている)社会で必要な追加費用が必要であれば、かかっただけ税金から出すということでよい。これはすこしも難しいことではない。(加算のことはいったん差し置いて)所得の総額を一定としたとき、人はそれを使いたいように使うだろう。他の消費を削ってでも外出したい人、旅行したい人はすればよい(引きこもって別のことをしたければすればよい)。そしてその旅行について介助が必要なら、旅行に一度行く人は一度分、二度行く人は二度分、税から支出されるということである。それが私の案だ。というより、障害者の運動が言ってきたことを言い換えれば、言い直せばそうなると思う。そしてそれは正しいと考える。」(立岩[20121225a:527]◇)
★20 「介護給付費等の支給決定等について」(通知)(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長[2007]◇→[WORD][HTML])、5「支給決定基準等の作成」の(1)「障害福祉サービス」には次のようにある。
 「市町村は、勘案事項を踏まえつつ、介護給付費等の支給決定を公平かつ適正に行うため、あらかじめ支給の要否や支給量の決定についての支給決定基準を定めておくことが適当である。
 […]
 受託居宅介護サービスの支給決定基準については、障害支援区分ごとにイに掲げる市町村が支給決定を行うに当たって参酌すべき受託居宅介護サービスの支給標準時間(分/月)(以下「支給標準時間」という。)に基づき設定するものとし、当該支給標準時間の範囲内で定めることを基本とする。
イ 支給標準時間
[区分2]150分/月・[区分3]600分/月・[区分4]900分/月・[区分5]1,300分/月・[区分6]1,900分/月
 […]」
★21 前の☆20の省略した[…]の部分が以下。
 「その際、国庫負担基準は、あくまで国が市町村の給付費の支弁額に対して国庫負担する際の一人当たりの基準額であり、当該基準額が個々の利用者に対する支給量の上限となるものではないことに留意すること。
 一方、個々の障害者の事情に応じ、支給決定基準と異なる支給決定(いわゆる「非定型」の支給決定)を行う必要がある場合が想定されることから、市町村はあらかじめ「非定型」の判断基準等を定めておくことが望ましい。
 なお、「非定型」の支給決定を行うに当たっては、支給決定案について市町村審査会の意見を聴いた上で個別に適切な支給量を定めること。」
 「ウ 「非定「型」の判断基準
 以下の(ア)又は(イ)に掲げる場合であって、アにより定めた支給決定基準の支給量の範囲内では必要な受託居宅介護サービスの支給量が確保されないと認められる場合には、当該支給決定基準を超える支給決定を行うこととして差し支えないこと。
 この場合、支給決定に当たって、市町村審査会の意見を聴いた上で個別に適切な支給量を定めることが望ましいこと。なお、(イ)に掲げる場合であって、指定特定相談支援事業者以外の者がサービス等利用計画案を作成した場合については、支給決定に当たって、市町村審査会の意見を聴くものとする。
 (ア) 当該支給申請を行う者が利用する外部サービス利用型指定共同生活援助事業所(指定障害福祉サービス基準第213条の4第1項に規定する外部サービス利用型指定共同生活援助事業所をいう。)に当該支給申請を行う者以外に受託居宅介護サービスの提供を受けている、若しくは、希望する利用者がいない場合又は受託居宅介護サービスを受けている、若しくは、希望する利用者のすべてが障害支援区分2以下である場合
 (イ) 障害支援区分4以上であって、指定特定相談支援事業者等が作成したサービス等利用計画案を勘案した上で、支給決定基準を超えた支給決定が必要であると市町村が認めた場合」
 行政の文書というのはこういうもので仕方がないのだろうとと思いつつも、わかりにくい。
★22 ☆17で参照した「障害福祉サービスについて」(厚労省・[HTML])より。
 「2 重度訪問介護
 重度の肢体不自由者又は重度の知的障害若しくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって常時介護を要するものにつき、居宅において入浴、排せつ及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助並びに外出時における移動中の介護を総合的に行うとともに、病院等に入院又は入所している障害者に対して意思疎通の支援その他の支援を行います。
 [対象者]
 障害支援区分が区分4以上(病院等に入院又は入所中に利用する場合は区分6であって、入院又は入所前から重度訪問介護を利用していた者)であって、次のいずれかに該当する者
 1 次のいずれにも該当する者
  (1) 二肢以上に麻痺等があること
  (2) 障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれも「支援が不要」以外と認定されていること
 2 障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者
  ※平成18年9月末日現在において日常生活支援の支給決定を受けている者に係る緩和要件あり。」
★23 「非定型」について、「障害者自立支援法に基づく支給決定事務に係る留意事項について」(事務連絡)(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課・障害福祉課[2007]、[HTML][PDF]◇)より。
 「障害者自立支援法(平成17年法律第123号)に基づく支給決定事務については、平成18年6月26日障害保健福祉関係主管課長会議等において、@適切かつ公平な支給決定を行うため、市町村においては、あらかじめ支給決定基準(個々の利用者の心身の状況や介護者の状況等に応じた支給量を定める基準)を定めておくことが望ましいこと、A支給決定基準の設定に当たっては、国庫負担基準が個々の利用者に対する支給量の上限となるものではないことに留意すること、B支給決定に当たっては、申請のあった障害者等について、障害程度区分のみならず、すべての勘案事項に関する一人ひとりの事情を踏まえて適切に行うこと等その取扱いに係る留意事項をお示ししているところです。
 各市町村におかれましては、これまでお示ししていることに十分留意していただきたいと考えておりますが、特に、日常生活に支障が生じる恐れがある場合には、個別給付のみならず、地域生活支援事業におけるサービスを含め、利用者一人ひとりの事情を踏まえ、例えば、個別給付であれば、いわゆる「非定型ケース」(支給決定基準で定められた支給量によらずに支給決定を行う場合)として、個別に市町村審査会の意見を聴取する等により、適切な支給量の設定にご留意いただきますよう、よろしくお願いいたします。」
★24 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長・障害福祉課長が各都道府県障害保健福祉主管部(局)長に出した通知「障害者自立支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長・障害福祉課長[20070328]◇、[20110928]◇)には、基本的に介護保険を優先するとしつつ、以下のように記される。
 「サービス内容や機能から、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、基本的には、この介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることとなる。しかしながら、障害者が同様のサービスを希望する場合でも、その心身の状況やサービス利用を必要とする理由は多様であり、介護保険サービスを一律に優先させ、これにより必要な支援を受けることができるか否かを一概に判断することは困難であることから、障害福祉サービスの種類や利用者の状況に応じて当該サービスに相当する介護保険サービスを特定し、一律に当該介護保険サービスを優先的に利用するものとはしないこととする。
 したがって、市町村において、申請に係る障害福祉サービスの利用に関する具体的な内容(利用意向)を聴き取りにより把握した上で、申請者が必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが可能か否かを適切に判断すること。
 なお、その際には、従前のサービスに加え、小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスについても、その実施の有無、当該障害者の利用の可否等について確認するよう留意する必要がある。」
★25 厚生労働省のサイトに「障害者の利用者負担」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/hutan1.html[HTML]◇)。総合支援他での自己負担の上限は37200円。
★26 介護保険の自己負担については種々のサイトで説明されている。例:https://www.minnanokaigo.com/guide/care-insurance/price/
★27 ちなみに介護保険については保険(者)――業界用語では保険料を集めて渡す側のことを保険者と言う――から半分、残りの半分を、国1/2、都道府県1/4、市町村1/4でということになっている。

■文献表(連載05・06・07:48+23=71 うち◆06分:23→◆のみ転記済)

※厚生労働省のサイト内(上記のような発表主体・時期・文書名が記載されているものは別掲)
◆「障害福祉サービス等」 [HTML]
 ◆「障害福祉サービスについて」 [HTML]
◆「障害者の利用者負担」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/hutan1.html[HTML]
◆「障害支援区分」 [HTML]
 ◆「障害者総合支援法における「障害者区分」の概要」 [PDF]

◇青木 千帆子・瀬山 紀子・立岩 真也・田中 恵美子・土屋 葉 2019 『往き還り繋ぐ――障害者運動於&発福島の50年』,生活書院,424p.
◇赤窄 英子(→木村 英子) i1986 インタビュー 1986/03 +:安積遊歩・外山博美(介助者)  聞き手:石川准・立岩真也 於:東京都国立市・喫茶店スワン
◇安積 純子・尾中 文哉・岡原 正幸・立岩 真也 19901025 『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学』,藤原書店,320p.
◇―――― 19950515 『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 増補・改訂版』,藤原書店,366p.
◆―――― 20121225 『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』,生活書院・文庫版,666p.
◇「生きている!殺すな」編集委員会 編 2017 
『生きている!殺すな――やまゆり園事件の起きる時代に生きる障害者たち』,山吹書店
◆大野 直之 202001 「24時間365日のつきっきりも実現する――あなたの知らない重度訪問介護の世界・1」,『訪問看護と介護』2020-1
◆―――― 202002 「専門職の口コミが大切です――あなたの知らない重度訪問介護の世界・2」,『訪問看護と介護』2020-2
◇―――― 202003 「――あなたの知らない重度訪問介護の世界・3」,『訪問看護と介護』2020-3
◇―――― 202004 「――あなたの知らない重度訪問介護の世界・4」,『訪問看護と介護』2020-4
◇―――― 202005 「――あなたの知らない重度訪問介護の世界・5」,『訪問看護と介護』2020-5
◇―――― 202006 「在宅療養を叶える方法として――あなたの知らない重度訪問介護の世界・6(最終回)」,『訪問看護と介護』2020-6
介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット 編 2016 『支援を得てわたしらしく生きる!――24時間ヘルパー介護を実現させる障害者・難病者・弁護士たち』,山吹書店,発売:JRC
◇木村 英子(←赤窄 英子) i1986 インタビュー 1986/03 +:安積遊歩・外山博美(介助者)  聞き手:石川准・立岩真也 於:東京都国立市・喫茶店スワン
◇―――― 2017 「私が地域へ帰るとき」,「生きている!殺すな」編集委員会編[2017]

◆厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長→各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長 20070323 「介護給付費等の支給決定等について」(通知),障発第0323002号 [WORD][HTML]
◆厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長・障害福祉課長→各都道府県障害保健福祉主管部(局)長 20070328 「障害者自立支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」,障企発第0328002号・障障発第0328002号
◆厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課・障害福祉課→各都道府県障害保健福祉主管部(局) 20070413 「障害者自立支援法に基づく支給決定事務に係る留意事項について」(事務連絡) [HTML][PDF]
◆厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長・障害福祉課長→各都道府県障害保健福祉主管部(局)長 20110928 「障害者自立支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」,障企発0928第2号・障障発0928第2号 [PDF]
◇厚生労働省 20130716 「重度訪問介護の現状等について」,障害者の地域生活の推進に関する検討会第1回(H25.07.26)に提出 [PDF]
◇厚生労働省 20190328 「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示」 [PDF]
◇厚生労働省 20190300 「令和元年度介護報酬改定について」 [HTML]
◇進藤 雄三・黒田 浩一郎 編 1999 『医療社会学を学ぶ人のために』,世界思想社,308p.
◇全国自立生活センター協議会 編 20010501 『自立生活運動と障害文化――当事者からの福祉論』全国自立生活センター協議会,発売:現代書館,480p.
◇立岩 真也 19901025 「はやく・ゆっくり――自立生活運動の生成と展開」,安積他[1990:165-226→1995:165-226→2012:258-353]
◇―――― 19950515b 「自立生活センターの挑戦」,安積他[1995:267-321→2012:-]
◇―――― 19990515 「他人介護加算」『福祉社会事典』,弘文堂
◇―――― 19991030 「資格職と専門性」,進藤・黒田編[1999:139-156]
◆―――― 20000301 「遠離・遭遇――介助について」,『現代思想』28-4(2000-3):155-179,28-5(2000-4):28-38,28-6(2000-5):231-243,28-7(2000-6):252-277→立岩[20001023:221-354→20200110:225-380]
◆―――― 20001023 『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術』,青土社,357+25p.
◇―――― 20010501 「高橋修――引けないな。引いたら、自分は何のために、一九八一年から」,全国自立生活センター協議会編[2001:249-262]
◇―――― 20030300 「障害者運動・対・介護保険――2000〜2002」,平岡公一(研究代表者)『高齢者福祉における自治体行政と公私関係の変容に関する社会学的研究』,文部科学省科学研究費補助金研究成果報告書(研究課題番号12410050):79-88
◇―――― 20030515 「介護保険的なもの・対・障害者の運動 」,『月刊総合ケア』13-5:46-51, 13-7:46-51(医歯薬出版)
◇―――― 20040405「抗する側に道理はある」,『われら自身の声』20-1:6-7(DPI日本会議)→立岩[2006:71-77]
◇―――― 20040516 「障害者運動・対・介護保険 2004」,全国自立生活センター協議会公開シンポジウム「地域生活を守るために 〜どうなる!?介護保険と支援費制度〜」 於:沖縄県自治会館(那覇市)
◇―――― 20040710 「障害者運動・対・介護保険 2004」定藤記念福祉研究会「地域自立生活支援の確立を目指して――支援費制度の今後を考える」 於:西宮
◇―――― 20041115 『ALS――不動の身体と息する機械』,医学書院
◇―――― 20060710 『希望について』,青土社,320p.
◇―――― 20080131 「学者は後衛に付く」,『京都新聞』2008-1-30夕刊:2(現代のことば)
◇―――― 20080914 「在宅ケアを支える、つもりがあるならば」(講演),NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク”全国の集い”in 京都 於:同志社大学
◇―――― 20100630 「障害者運動・対・介護保険――2000〜2003」,『社会政策研究』10:166-186
◆―――― 20120610 「差異とのつきあい方」,立岩・堀田[2012:15-93]
◆―――― 20121225a 「多様で複雑でもあるが基本は単純であること」,安積他[2012:499-548]
◆―――― 20121225b 「共助・対・障害者――前世紀末からの約十五年」,安積他[2012:549-603]
◇―――― 20160331 「補章」立命館大学生存学研究センター編[2016]
◇―――― 20151113 『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』,青土社,433p.
◇―――― 20190720 「やまゆり園事件から3年 「生きる価値」の大切さ問う」,『朝日新聞』2019-07-20朝刊
◇―――― 20190910 「はじめに・いきさつ」青木他編[2019:3-10]
◇―――― 20191210 「くわしく書くことがどんなにか大切であること」萩原[2019:297-307]
◆―――― 20200110 『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術 増補新版』,青土社,536p.
◆―――― 20200110 「高橋修 一九四八〜一九九九」,立岩[20191224:381-471]
◆立岩 真也・堀田 義太郎 20120610 『差異と平等――障害とケア/有償と無償』,青土社,3597p.
◇立岩 真也・小林 勇人 編 2005/09 『<障害者自立支援法案>関連資料』,Kyoto Books,134p.
仲口 路子 2009 「医療行為/医療的ケア・年表」http://www.arsvi.com/d/a02mh.htm/a>
◆中西 正司・立岩 真也 1998 「ケアコンサルタント・モデルの提案――ケアマネジメントへの対案として」,ヒューマンケア協会ケアマネジメント研究委員会[1998:63-113]
萩原 浩史 20191210 『詳論 相談支援――その基本構造と形成過程・精神障害を中心に』,生活書院,313p.
◆ヒューマンケア協会ケアマネジメント研究委員会 1998 『障害当事者が提案する地域ケアシステム――英国コミュニティケアへの当事者の挑戦』,ヒューマンケア協会・日本財団
舩後 靖彦 2002a 「ご挨拶」、舩後[2002-]http://www1.odn.ne.jp/~aae03880/index.html [7]
◇――――― 2002b 「主治医のアシスタントとして、一緒に講演」,『難病と在宅ケア』08-08(2002-11):66-68
◇――――― 2003 「2003年ミラノALS/MND国際会議参加、報告」http://www5e.biglobe.ne.jp/~funago/Milano_2003/1st_report.html
◇――――― 2004 「2003年ミラノALS/MND国際会議(同盟会議)参加報告」,『JALSA』061:12-13
◇舩後 靖彦・寮 美千子 20080805 『しあわせの王様――全身麻痺のALSを生きる舩後靖彦の挑戦』,小学館,196p.
◇牧野 恵子 2020 「(未発表)」
◆みんなの介護入居相談センター -2020- 「介護保険の自己負担額」 https://www.minnanokaigo.com/guide/care-insurance/price/
,『みんなの介護』 
https://www.minnanokaigo.com/
◇山之内 俊夫 i2018 インタビュー 2018/09/26 聞き手:立岩真也 於:宮崎市・障害者自立応援センターYAH!DOみやざき事務所
◇立命館大学生存学研究センター 編 2016 『生存学の企て――障老病異と共に暮らす世界へ』,生活書院,272p.


UP:20200611 REV:20200611, 12, 13
介助・介護  ◇重度訪問介護派遣事業(重訪)  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇生を辿り道を探る――身体×社会アーカイブの構築 
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