HOME > Tateiwa >

0602渡辺一史/岡本晃明/立岩真也・5

「身体の現代」計画補足・603

立岩 真也 2019
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/2321233448143629

602 < / > 604

Tweet


 まず情報。夏休みの前に何度か大学院の入試説明会がある。
https://www.r-gscefs.jp/?p=113
私が出るのは6月9日。衣笠キャンパス。関連して以下。
◇2019/05/23 「大学院という手もある――「身体の現代」計画補足・600」
 https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/2317910591809248
さらに何回か書きます。さて、

◇2019/06/01 筋ジスの自立生活とは?――筋ジス病棟から自立生活へ,主催:メインストリーム協会,於:西宮市
◇2019/06/02 遠離遭遇――人と時代を書く,於:立命館大学衣笠キャンパス,14:30〜,創思館1階
 があります。私が作っている関連頁は
http://www.arsvi.com/ts/20190601.htm

◇立岩 真也 2019/07/25 「遺したものを記録する――何がおもしろうて読むか書くか 第9回」,『ちいさい・おおきい・よわい・つよい』124
 にも関係することを書いたのでその部分を以下。なお、高橋さん=高橋修さん

 「その高橋さんの約十年後、一九五九年鹿野靖明さんが生まれる。デュシエンヌ型の筋ジストロフィーの人だった。彼は二〇〇二年、四二歳で亡くなった。その翌年、彼と彼の周りに集まったボランティアたちを長期取材して書かれた渡辺一史の『こんな夜更けにバナナかよ』(略して『夜バナ』)が出版される。これを原作とした映画が昨年公開された。そして今私は、昨年あたりから本格化した、旧国立療養所に暮らしてきた筋ジストロフィーの人たちで、そこを出たい人は出る、同時に、そこをもっと暮らしよくするという活動にすこし関わっている。その関係で、この六月には西宮と京都で渡辺さんを呼んだイベントを行なった。
 そしてさらにもう一つ、この四月二四日、やはり同じ型の筋ジストロフィーの古込和宏さんが亡くなった。鹿野さんの十三年後、一九七二年生まれ。享年四七歳。その前の前の年の二〇一七年十月、古込さんは三七年を経て金沢市の(旧国立療養所)医王病院を退院、市内での生活を始めた。その病院で「死亡退院」でなく退院した筋ジストロフィーの人は古込さんが最初だと聞いたことがある。その退院に、東京や京都、兵庫の人たちが関わったことが一つのきっかけとなって、それで今回の筋ジストロフィー・プロジェクトが始まったところがある。
 もう一つ。私は二〇一八年に彼にインタビューをした。その時だったと思うが、古込さんは『夜バナ』は読んだと言った。そして、自分にはこれは無理だと思ったと言った。こんなたくさんのボランティアとやりあったりしながらようやく成り立つ、そういう生活はできないと思ったという。本を読んだり映画を観たりする人の多くは、実際に、退院するとしてどうやって毎日をまわしていくか、そんなことは考えない。しかし考えるなら、そのように読まれることはおおいにあるということも、誰かは押さえておいた方がよい。そして古込さんは、金沢内外の人たちの協力を得て「重度訪問」という介助者派遣の制度を(金沢では初めて)使えるようになって、それで病院を出ることができた。そしてその制度は、一九七〇年代から始まった運動が、八〇年代、九〇年代、高橋さんたちの運動があって獲得され、拡大されてきた制度だ。その運動には、そうして各地で始まった生活には、とりたてて人を驚かせるようなものはない。しかし、それを追って記録していく。そんな仕事もしておく必要はある。前回書いたように、私(たち)は給料は別にもらっているから、調べる時間があり(あるはずで)、そうは売れなくても、書くことはできる。そう思って書いている。
 生前、私は古込さんからいくつかの文章を送ってもらって、HPに掲載してある。こんど『(季刊)福祉労働』(現代書館)から掲載(転載)依頼があって、掲載されることになった。ご覧ください。」

 関係するこのところの報告・短文等は以下
◇2018/12/24 「長い停滞を脱する」
 第33回国際障害者年連続シンポジウム・筋ジス病棟と地域生活の今とこれから,於:京都テルサ
◇2019/01/25 「売れなさそうな本を、それでも、なんで書いているか――何がおもしろうて読むか書くか 第7回」
 『Chio通信』8:12-13(『ちいさい・おおきい・よわい・つよい』122号別冊)
◇2019/04/12 「病・障害から社会を描く――『不如意の身体』『病者障害者の戦後』青土社)刊行を機に」(対談:立岩真也×天田城介)
 『週刊読書人』3285:1-2 http://www.dokushojin.co.jp/?pid=142167007
◇2019/04/25 「おもしろくなくても書く――何がおもしろうて読むか書くか 第8回」
 『ちいさい・おおきい・よわい・つよい』123
◇2019/06/01 「病者障害者の戦後」
 筋ジスの自立生活とは?――筋ジス病棟から自立生活へ,1100-12:00,主催:メインストリーム協会,於:西宮市
◇2019/06/15 「生政治史点描――戦後・国立療養所とその周辺」
 福祉社会学会第17回大会自主企画セッション「施設の戦後史」

 お知らせの1〜4は以下。
◇2019/05/14 「0601〜02筋ジストロフィー〜渡辺一史企画広告・1――「身体の現代」計画補足・598」
 http://www.arsvi.com/ts/20192598.htm
 https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/2308013482798959
◇2019/05/20 「0601〜02筋ジストロフィー〜渡辺一史企画広告・2――「身体の現代」計画補足・599」
 http://www.arsvi.com/ts/20192599.htm
 https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/2314186182181689
◇2019/05/28 「0601〜02筋ジストロフィー〜渡辺一史企画広告・3――「身体の現代」計画補足・601」
 http://www.arsvi.com/ts/20192601.htm
 https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/2318420565091584
◇2019/05/29 「0602渡辺一史/岡本晃明/立岩真也・4――「身体の現代」計画補足・602」
 https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/2319146845018956


 生存学研究センターのフェイスブックにあるこの文章と同じものは
http://www.arsvi.com/ts/20182603.htm
にもある。

立岩真也『病者障害者の戦後――生政治史点描』表紙 立岩真也『病者障害者の戦後――生政治史点描』表紙
[表紙写真クリックで紹介頁へ]


UP:2019 REV:
立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇病者障害者運動史研究 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)