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与える人たちの学問でないこと

立岩 真也,企てに参するを企てる・1
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■立岩真也「企てに参するを企てる」1〜6

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石井雄一「言葉がさかさまになる怪獣」

 ※以下立岩担当分

企てに参するを企てる
 ■1 与える人たちの学問でないこと
 ■2 歴史を見る
 ■3 なおる/なおらない/なおさない
 ■4 言葉を調べる
 ■5 名付けられること/わかること
 ■6 誰が?

■1 与える人たちの学問でないこと

 ★01「生存学」、がなんであるかは、まったくどうでもよいと思っています。ただ、これまであるものだけではうまくないとは思ってきました。それで、名前なんかどうでもよいのですが、研究せねばならないと思うことをしようと思って、そして、一人とか数人ではぜんぜん人手が足りないので、「学」とか言ったり、「センター」とか作ったり、そしてこんな番組を作ってみたり、やっているわけです。
 何をしているか、何をしようとしているのかを紹介します。なにか知識を教えるということはここでは意図していません。みなさんに私たちの試みに加わってくれないかという話をします。そのためにここで話すことにしました。
 こんなにたくさん研究者がいて、大学があって、本が出ているのに何が足りないのか。それを説明します。
 ★02例えば、障害や病気といったものを扱う学問として「社会福祉学」や「看護学」というのがあります。もちろんそれは必要な学問ではあります。ただ、それは看護や福祉を提供する側の学問です。そういう仕事をしている自分たちの地位を高めようとしてがんばっています。医療では医者がいばっていたり、福祉の仕事の条件はよくないので、自分たちの地位を高めようとするのは当然のことではあります。ただ、どうしても、自分のやっていることはよいことだと決めたところから話が始まりがちですし、これまでやってきてうまくないところは、見ないか忘れてしまう傾向があります。ほんとにそんなことがあるのかと思うかもしれませんが、そういうところが実際にあるのは確かなことです。
 自分の生活で、医療や福祉が関わっているのは一部にすぎないし、一部 の方がよいという思っている人たちがいます。そういう側から見ていくこともできます。さらに、よかれと思ってされていることが、自分には迷惑だという人がいます。これは長瀬さんが紹介する「障害学」とも共通する立ち位置です。まずは、経験している側から、経験している側を見ていこうということです。
 よいものとして与えられた施設がいやだという人たちがいました。なにがいやなのか。では代わりに何を求めて、何をしたのか。それを私たちは調べて書きました。それで、私が最初に関わった本が『生の技法』という本です★03。中身は紹介しませんが、おもしろい本です。人に話を聞いて、そしてその人たちが書いたビラやその人たちが作った機関誌など集めて、読んだら、書けます。難しい理論を知らなければできないとか、外国語ができないとか、そんなことはありません。けれども、その時、そういう動きについて書かれた本はありませんでした。
 なぜか? それは、与えられたものに文句を言ったからなんでしょう。もちろん文句を言った側が正しいとは限りません。しかし、どちらの言い分が正しいのか、それを考えるためにも文句を言った人たちのことを知ることには意味があると思います。そういうことを調べる、考えるということです。私たちは調べるとよいこと、調べたら書けること、そういう材料や手がかりをたくさんみなさんに提供することができると思います。
 具体的にどんなことができるか。というか、実際に何をしているのか。私たちは2016年に『生存学の企て』という本を出しています。そこにいろんな人が何をしているかを紹介しています★04。そして本だけでなく、こちらのウェブサイトで紹介しています。フェイスブックもツィッターもやっていますし雑誌も出しています。「生存学」で検索してみてください。2種類のサイトが上の方に出てきます★05。見てみてください。

※ あの立命館カラーにうまく合う色はなかなかないかも。ただ、文字の色真っ黒でない、なにかよい色がよい。
※ 文字は大きく。インパクトがあるソリッドなフォント・大きさ・太さ。

■画面に映すもの

★01 [PPT]
【教えることはありません、かわりに
 何がもっとあってよいのか言います】
★02 [PPT]
【与える側からでない
 研究があってもよい】
★03 『生の技法』表紙写真
『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』表紙
★04 『生存学の企て』表紙写真
立命館大学生存学研究センター編『生存学の企て――障老病異と共に暮らす世界へ』表紙表紙

■問題 ○×で答えてください。

◇1 なにか与える側の学問と別に、与えられる側が研究したってよい、と講師は述べた。○/×
◇2 障害はつねに直るのがよい、と思わない人もいるようだからその事情を調べるとよい、と講師は述べた。○/×
◇3 研究で金をえられるようになるかどうかはわからないが、しかし楽しいことはあるかもしれない、と講師は述べた。○/×
○4 過去を明らかにすることは楽しいことばかりではないが、しかしそれでも明らかにした方がよいこともある、と講師は述べた。 ○/×
○5 言葉がどう使われてきたかをきちんと調べることも研究の一つであると、講師は述べた。○/×


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UP:2018 REV:20190118
立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
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