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荻上チキ×立岩真也×岸政彦の「事実への信仰――ディティールで現実に介入する」。『現代思想』2018年2月号(特集「保守とリベラル――ねじれる対立軸」)に掲載。
http://www.arsvi.com/ts/20180001.htm
その(ほぼ)私の発言部分、続き。第9回。校正前の原稿なので雑誌の文章は違うかもしれない。
「岸 […]マジョリティとして覚悟すること自体はすごく大事なのですが、一方で「コイツにもいろいろな事情があったんだな」と思ってしまうのが怖い。
立岩 何が怖いんですか? 私はあまり怖くないです。
[…]
立岩 多分荻上さんとおおむね同じことを言おうとしています。文脈づけることとか、背景を知ることと、「そいつは悪いやつだ」と言うことはもちろん両立するわけです。どんなにわかろうと、どんなに理解できようと、文脈がつけられようと、悪いことは悪い。悪いやつは悪い。まずそこはキープしておいて、その上で、それと同時に、いきさつやら動機やら調べればよい。
それからもう一つ、動機を解明するだとか、心理を明らかにするといった話を私たちが信じられないのは、やっぱりそんな話をする人たちの話が変だからです。変な解釈をしてしまうというか、何も調べてないし、何も考えていないだろ、というようなことを、何も知りもしないで、その犯罪なら犯罪が起こった当日とかに言ってしまうわけですから。それは解明するということ自体がだめなのではなく、やり方が思いっきりださいというか、だめなんですよね。それに対して、私は面倒くさいのでいちいちしませんけれど、調べられる人がきちんと調べて、それよりましな解釈や理解を提示すればいい。」
この号には「社会科学する(←星加良司『障害とは何か』の3)――連載・142」も掲載されている。いっしょに読んでいただけるとありがたい。というか、この号の特集、そして上の討議というか鼎談というかを多少意識してこの第142回を書いたところがある。これは連載の第141回「星加良司『障害とは何か』の2」
http://www.arsvi.com/ts/20180141.htm
の続き、で「身体の現代」計画補足」では前回まで「の2」を分載してきたが、それは中止。雑誌買ってください。立岩真也編『社会モデル』
http://www.arsvi.com/ts/2016m2.htm
の購入者には、「1〜4?」の原稿を収録した増補版を無償で後日提供します。
生存学研究センターのフェイスブックにあるこの文章と同じものは
http://www.arsvi.com/ts/20182473.htm
にもある。