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もう一つの相模原事件:「事実への信仰」より・05

「身体の現代」計画補足・468

立岩 真也 2018/02/01
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/2005448043055506

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立岩真也・杉田俊介『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』表紙   『現代思想』2018年2月号 特集:保守とリベラル――ねじれる対立軸・表紙   立岩真也『生死の語り行い・2――私の良い死を見つめる本 etc.』表紙

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 荻上チキ×立岩真也×岸政彦の「事実への信仰――ディティールで現実に介入する」。『現代思想』2018年2月号(特集「保守とリベラル――ねじれる対立軸」)に掲載。
http://www.arsvi.com/ts/20180001.htm
 その私の発言部分より。第5回。(もう一つの)相模原事件については
http://www.arsvi.com/d/et-2004s.htm

 「立岩 〔arsvi.comを〕始めたのは一九九六年です。インターネットがそろそろ普及しようかなという時期ですね。
 持ち場というのがあるんですね。そんなに戦線拡大したくないのだけれどしょうがないからいろいろな場所でやらなくてはならない、みたいな話を先ほどしましたね。だけど、やっていたらきりがないわけで、今現在起こっていることについてはおまかせしたい。私は心弱い人で、毎日Twitterとかを見ていると気持ち悪くなってしまいます。なのであまりそういうことができない。また、今現在起こっていることはきちんと信頼できる言論人がちゃんと取り組んでくれているからまあいいだろう、みたいな気持ちもあります。
 先ほどのサイトの話に戻ると、学者というのはいっぱいいるわけだから、世の中のことは大概わかられているのではないかと人は思ったりします。だけど、ちっともそうじゃない。是が非かという話であるとか、本当なのか嘘なのかとか、どういう水準で本当なのか嘘なのかとか、そういう高級な水準の話もあるし、それはそれですごく大切です。しかし、それ以前にも結構ある。相模原で二〇一六年に事件が起こって、大変だということになって、本人が優生云々と口走ったというので、ナチスの話が出てきて、七〇年前の戦争のときに云々という話になった。これはこれで嘘ではないし、忘れている人や知らない人がいるならちゃんと言ったほうがよいことではあると思います。ただ、そのあいだにいろいろなことが起こっているのです。実は二〇一六年に起こった事件の一二年前に相模原で、もう一つの「相模原事件」とわずかな人たちのあいだで言われている事件がありました。母親が難病と言われているALSの息子を殺した事件です★。そんなことを今誰が覚えているのかといったら誰も覚えていないし、それについて論文を書いている人も一人もいない。そんなことは山のようにあります。それをまずひとつひとつちゃんと調べる。それはどういう意味があるのかとか、どういう水準で嘘なのか本当なのかとかいう話の手前の、単純なファクトが調べられていないのですから。
★ 前掲『相模原障害者殺傷事件』、第T部「一つのための幾つか」第2章「障害者殺しと抵抗の系譜」第8節「二〇〇四年・もう一つの相模原事件」。


この号には「社会科学する(←星加良司『障害とは何か』の3)――連載・142」も掲載されている。いっしょに読んでいただけるとありがたい。というか、この号の特集、そして上の討議というか鼎談というかを多少意識してこの第142回を書いたところがある。これは連載の第141回「星加良司『障害とは何か』の2」 http://www.arsvi.com/ts/20180141.htm
の続き、で「身体の現代」計画補足」では前回まで「の2」を分載してきたが、それは中止。雑誌買ってください。立岩真也編『社会モデル』
http://www.arsvi.com/ts/2016m2.htm
の購入者には、「1〜4?」の原稿を収録した増補版を無償で後日提供します。

 生存学研究センターのフェイスブックにあるこの文章と同じものは
http://www.arsvi.com/ts/20182468.htm
にもある。


UP:2018 REV:
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