HOME > Tateiwa >

杉田水脈発言他について・メモ

立岩 真也 2018/07/ https://www.buzzfeed.com/jp

Tweet


■関連記事

◆障害者と患者の尊厳ある生を守り、推進する会(仮) 20180801 「衆議院議員 杉田水脈氏の発言は出産できない障害者や患者の人権をも踏みにじるものとして抗議します」

◆2018/07/28 「杉田氏「生産性」発言に広がる批判 自民党本部前で抗議」
 https://www.asahi.com/articles/ASL7W6448L7WUTIL054.html?ref=nmail

◆「「LGBTは生産性がない」自民・杉田水脈議員の寄稿文に、当事者団体が抗議」
 https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/lgbt-sugita-mio

◆「オカマもゲイも生産はしている」松井大阪知事、ツイートを削除し謝罪
 https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/tweet-matsui

◆2018/07/25 「条件をつけられる命なんてない 相模原事件に通じる杉田議員の発言」
 筋ジストロフィーで生活の全てに介助が必要な詩人、岩崎航さんが、杉田水脈議員の寄稿を読んで真っ向から対抗します
 https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/iwasaki-vs-sugitauematsu?utm_term=.dvpE93BQYA#.xv41p7RQeP

■メモ

 いま優生保護法下での不妊手術をさせられた原告の義理の姉というかたの発言を聞いた(7月27日・「優生保護法に私たちはどう向き合うのか?――謝罪・補償・調査検証を!」、東大・駒場キャンパス)。その発言のなかで、杉田という議員が、同じ党の議員が「間違ったことを言っていないのだから、胸張っていればよい」と言われ、それに対してその議員は「懐の深さを感じた」と答えたのだと言う。その部分を紹介し、悲しんで怒っていた。
 そもそもこの程度の発言――を国会議員がするので困るのだが、そういう人たちは、とても残念ながらたくさんいるので――を相手にするべきかということがある。人工透析を受けている人は殺せと言った長谷川豊という人のことについてもそのことは思った※。ただ、いま聞いた国会議員のやりとりというのは、こうしたとんでも発言が、すぐに否定されて、ばかにされて終わるかというとそうはないということだ。
※立岩 真也 2016/11/25 「長谷川豊アナ「殺せ」ブログと相模原事件、社会は暴論にどう対処すべきか?」(インタビュー:泉谷由梨子),『The Huffington Post』2016-11-25
◇子育て支援、的なことについて
 1)「生産性がない」について。その言葉が子どもを作らないということであることをさすとすれば、その限りで、おおまかには、事実として認めてもよい。しかし、子どもができないによせ、子どもを作らないにせよ、まず、それを否定的なこととして捉えるべきではない。
 2)するとその人は、「否定していない、支援する必要がないと言っている」と言うかもしれない。まず、LGBTであろうがなかろうが、事実問題として、子どものないカップルに対して、法や政治は特別になにかをしているわけではない。(私自身は「特別のこと」をする必要はないと考えているが、そのことはここでは措く。もしそんな「特別扱い」「支援」をされていると思うのであれば、それは事実認識として間違っている。
 3)他方、「子どもができる(ようになる)/できたこと」に関わるいくらかの支援はなされている。それをもって「生産性のある人に対する支援」であるとし、それは支持される(べきだ)と議員は言っているのか。政権党に限らず、「少子化」対策はなされている。私はそれに賛成する立場には立たない※が、そうした政策、特別扱いを認めてよいという立場はある。
※私は、「子どもが育つこと」に関する社会的支援はあってよい、あるべきだと考えている。
 4)ただし、生産(ここでは人間の再生産)がなされる限りにおいて支援されるべきであるという考え方であるとすれば、それは間違っている。(未来において)生産する人に対してのみ支援がなされるというのであれば、子を生む人に対してだけ、そしてその子は結局生産する子ども・人間になる人間にだけ支援すると言っているということである。[続く]
 5)支援する理由としては、そういう支援をして、その結果として、子どもがたくさん生まれないと(産ませないと)社会はやっていけないというものがある。そのような懸念はその議員だけでなくかなり多くの人が抱いている。私はそのようには考えない。そのことをきちんと言う必要があると思っている。
 6)ただ5)について私のように考えないとしても、つまり(社会の(生産性の)維持のために)子を生むことに対する支援をすることを認めるとしても、そのこと以外のことに対する支援は否定されることはない。むしろ、この社会において自分の稼ぎによって自分の生活を維持できない人には、法・政治による支援が必要であり、またその支援は正当である。議員の「生産性がない」「から」「支援の必要はない」という…[続く]


 

 ※以下使わず。
 そしてあまりにまちがえているものだから、それを全部ただすとえらくたくさんのことを言わねばならない。これも疲れる。ただ、…

◆LGBTのことに限らず、「生産性」という尺度で人を評価し、その有無で支援の是非を議論することについて、どうお考えでしょうか

 ○「生産性」という尺度で人を評価することは、場面によっては、認められるでしょう。どういう場面か?…☆
 ○しかしこの場合はどうか? とりあえずこの人が言っているのは、人間の生産(に関わる生産性)だ。人間を生産することは寄与するからそれに対して金をかけるのはよいが、という話になっている。
 ○一つ、そういうことに税金が投じられてきたのは事実である。そしてそれは野党も含め、比較的に多くの人たちが支持してきたのではある。

☆『私的所有論』第8章

◆「いや、その人にだって生産性がある」と反論してしまう方もいます。その問題点について、感じられることはありますか?

 ○多くの場合には実際にあるのだから、反論したってよいでしょう。まず、その議員は「生産性」という言葉を、異性愛の対との対比においてということですが、ひどく狭く言っている。つまり、人間の生産という意味に限っている。そう狭く捉えなければ、多くの人は……。しかし……

◆なぜ人は、今回のように人を役に立つか役に立たないかで考えてしまうことがあるのでしょうか。相模原事件の時に語られていた「内なる優生思想」の観点から教えてください

 ○それは当然のことでもある。……

◆こうした思想が公人から飛び出し、大手出版社に掲載され、さらにネットなどである一定の支持を得てしまうことの怖さをどう捉えられていますか?

 ○

◆そうした意見や思想に、私たちはどう抗えば良いのでしょうか?

 ○『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』、第3章「道筋を何度も作ること」

■関連

◆立岩 真也 2016/11/25 「長谷川豊アナ「殺せ」ブログと相模原事件、社会は暴論にどう対処すべきか?」(インタビュー,聞き手:泉谷由梨子),『The Huffington Post』2016-11-25,

◆立岩 真也 2018/05/05 『人間の条件――そんなものない 増補新版』,新曜社,432p. ISBN-10: 4788515644 ISBN-13: 978-4788515642 [amazon]/a href="http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4788515644.html">[kinokuniya]

◆立岩 真也・杉田 俊介 2017/01/05 『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』,青土社 ISBN-10: 4791769651 ISBN-13: 978-4791769650 [amazon][kinokuniya] ※

立岩真也『人間の条件――そんなものない 増補新版』表紙   立岩真也・杉田俊介『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』表紙

UP:20180725 REV:20180801
「衆議院議員 杉田水脈氏の発言は出産できない障害者や患者の人権をも踏みにじるものとして抗議します」  ◇病者障害者運動史研究  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)