『リハビリテーション/批判――多田富雄/上田敏/…』

2017/07/26- 立岩 真也

Kyoto Books 頒価:600円

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 上田敏はもっともなことを言う。しかしならばただ立派だと言えばよいのか。私はそう思わない。吟味し批判するべきであると思う。多田富雄が上田敏を批判していることも忘れられている、その前に知られていない。だからこの本を作った。さらに、上田敏は腰抜けであるという多田富雄の批判もただそのままに受け取ればよいというわけではない。どう考えるか。だからこの本を作った。

 600円。Gumoad経由で販売→https://gumroad.com/products/OVhCz


立岩真也編『リハビリテーション/批判――多田富雄/上田敏/…』表紙
表紙作成:近藤勇人


※592.1k bytes、文字分約604k bytes?→30万字・400詰約750枚 リンク1029
 問い合わせ→立岩:tae01303@nifty.ne.jp
 600円。Gumoad経由で販売。→http://www.arsvi.com/ts/sale.htm

※増補改訂の予定です。既に購入された方は無料で改良版を入手することができます。そのむねGumroad経由で連絡が行くはずですが、来ない場合等、立岩まで御一報ください。直接お送りいたします。→立岩:tae01303@nifty.ne.jp

※この主題に関わる基礎的な考察は『私的所有論』でなされています。その英語+日本語電子書籍版を刊行しました。非常に多くの人・文献・事項のページにリンクされており、1500超の文献の英訳題も掲載されています。検索などにも便利だと思います。ご利用ください。
http://www.arsvi.com/ts/2016b2-j.htm


目次

 ※以下のリンクの多くは電子書籍におけるリンクです。それらはこの頁からはリンクされません。

「〈解説〉リハビリテーション専門家批判を継ぐ」
 多田富雄 201708 『多田富雄コレクション3 人間の復権――リハビリと医療』,藤原書店
「非文化的」
 2017/07/01 『文學界』71-7(2017-7):114-115
「多田富雄さんのことから――唯の生の辺りに・5」
 2010/09/01 『月刊福祉』93-11(2010-9):60-61
「留保し引き継ぐ――多田富雄の二〇〇六年から」
 2010/07/01 『現代思想』38-9(2010-7):196-212

多田 富雄
上田 敏
資料・史料

「過剰/過少・1――連載 56」
 2010/07/01 『現代思想』38-9(2010-7):36-46
「「社会モデル」・序――連載 57」
 2010/08/01 『現代思想』38-10(2010-8):22-33
「「社会モデル」・1――連載 58」
 2010/09/01 『現代思想』38-11(2010-9):16-27
「「社会モデル」・2――連載 59」
 2010/10/01 『現代思想』38-12(2010-10):16-27
「社会派の行き先・1――連載 60」
 2010/11/01 『現代思想』38-13(2010-11):28-39
「社会派の行き先・2――連載 61」
 2010/12/01 『現代思想』38-14(2010-12):16-27
「社会派の行き先・3――連載・62」
 2011/01/01 『現代思想』39-(2011-1):-


◆cf.多田富雄コレクション他藤原書店からの近刊・新刊(HP内の頁作成中のものあり)
◇多田 富雄 201605 『多田富雄のコスモロジー――科学と詩学の統合をめざして』,藤原書店,272p. ISBN-10: 486578067X ISBN-13: 978-4865780673 [amazon][kinokuniya] ※
◇多田 富雄 201705 『自己とは何か――免疫と生命』,藤原書店,多田富雄コレクション1,344p. ISBN-10: 4865781218 ISBN-13: 978-4865781212 [amazon][kinokuniya] ※
◇多田 富雄 201707 『生の歓び――食・美・旅』,藤原書店,多田富雄コレクション2,328p. ISBN-10: 4865781277 ISBN-13: 978-4865781274 [amazon][kinokuniya] ※
◇多田 富雄 201708 『人間の復権――リハビリと医療』,藤原書店,多田富雄コレクション3

多田富雄『多田富雄のコスモロジー――科学と詩学の統合をめざして』表紙   多田富雄『自己とは何か――免疫と生命』表紙   多田富雄『生の歓び――食・美・旅』表紙   多田富雄『人間の復権――リハビリと医療』表紙

[表紙写真クリックで紹介頁へ]


詳細目次

〈解説〉リハビリテーション専門家批判を継ぐ
 多田富雄 201708 『多田富雄コレクション3 人間の復権――リハビリと医療』,藤原書店
 ■批判の相手はかつて褒め讃えた人であったこと
 ■相手はどんなところにいる人たちなのか
 ■すくなくとも私が教わること
 ■文献

「非文化的」
 2017/07/01 『文學界』71-7(2017-7):114-115

多田富雄さんのことから――唯の生の辺りに・5
 2010/09/01 『月刊福祉』93-11(2010-9):60-61

 ■多田さんとリハビリ闘争
 ■足りないという人/余計だという人
 ■リハビリテーションの過剰?過少?

留保し引き継ぐ――多田富雄の二〇〇六年から
 2010/07/01 『現代思想』
 ■本題の前に・1
 ■本題の前に・2
 ■二〇〇一〜二〇〇六
 ■別のことも言う本人たちもいること
 ■同業者批判
 ■鶴見・上田
 ■国会
 ■註
 ■文献

多田 富雄

上田 敏

資料・史料
 1970's  1980's  1990's  2000  2001  2002  2003  2004  2005  2006  2007  2008  2009  2010
文献

過剰/過少・1――連載・56
 20100701 『現代思想』
 ■気持ちの悪さについて
 ■言論の配置をどう見るか
 ■分けて普通に考えてみる
 ■分けることを巡る不快
 ■辛いこと不便なこと
 ■注
 ■文献

「社会モデル」・序――連載・57
 20100801 『現代思想』
 ■経緯と予定の説明
 ■優れたことが言われたこと
 ■「社会モデル」
 ■註
 ■文献

「社会モデル」・1――連載・58
 20100901 『現代思想』
 ■事情の説明
 ■すくなくとも五つ
 ■インペアメント
 ■できないことは何と言うか
 ■二つで済ませられた事情
 ■註
 ■文献

「社会モデル」・2――連載・59
 20101001 『現代思想』
 ■短く言ってみようとすること
 ■次のように解する必要はないこと
 ■だれにとってのできないことの得失
 ■分岐は規範の水準にある
 ■社会モデルの本義
 ■註
 ■文献

社会派の行き先・1――連載・60
 20101101 『現代思想』
 ■前置き
 ■社会派
 ■社会派を批判する社会派
 ■組織および学者
 ■註
 ■文献

社会派の行き先・2――連載・61
 20101201 『現代思想』
 ■全体・両方が大切だと言う
 ■よいとされるもの
 ■それで何がなされるか
 ■註
 ■文献

社会派の行き先・3――連載・62
 20110101 『現代思想』
 ■ここまで
 □『聞書き〈ブント〉一代』

※□の部分はここには収録されていません。もとの文献をあたってください。








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■■〈解説〉リハビリテーション専門家批判を継ぐ
  立岩真也△285
  ※多田富雄 201708 『多田富雄コレクション3 人間の復権――リハビリと医療』,藤原書店

■批判の相手はかつて褒め讃えた人であったこと
 この巻のUに収められた文章は、二〇〇六年、リハビリテーションの上限設定に反対し、その運動の前に立った多田の文章であり、最後の一つ以外は『わたしのリハビリ闘争』(多田[200712])に収録されている。この本が出されることによって十年ほど前にあったその記録が残ることはよいことだ。
 多田が強く批判したのは医療にかける予算を削減しようとする当時の小泉首相、厚労省の役人といった政治に関わる人たちだったが、それだけではない。自分もその一人である研究者、そしてその人たちの学界・業界に批判は向けられた。ここで多田は遠慮していない。はっきりとものを言う。あのようなできごとに対するために、一つに多田のような直接的な怒りは必要だ。私はまったくそう思っている。
 その上で、すこし別のことを書く。それが、かっこよい多田は多田で言うべきことは言ってもらって、私のような者の仕事だとも思っている。そしてそれは、多田のようにすっきりした文章にはならない。『現代思想』が多田を特集した号(二〇一〇年七月号、特集:免疫の意味論――多田富雄の仕事)に、たしか私だけその事件と多田との関わりについて、かなり長い文章を書いた(立岩[201007]【本書収録】)。その時、多田についてそしてその出来事に関わるHP上の頁を作り、今回増補した。△286 それらをまとめて電子書籍で提供することにした(立岩編[201707]【本書】)。この文章の二〇倍ほど、薄くはない本一冊分の量がある。できればご覧いただきたい。また、この種の文章で細かに文献表示をしたり文献表をつけたりするのも普通ではないとは思うが、ここでは行なう。さらに月単位の表示も意味のある場合があるので、例えば本書であれば多田[201707]と表記する。
 多田はリハビリテーションの専門家を批判した。しかしそれは最初からのことではない。
 一九九五年、鶴見和子が脳卒中で左半身麻痺になるが、機能が改善せず、苦しく、困っていた。一九九七年一月、鶴見の歌集を読んだという上田敏から速達が来る。上田は一九三二年生まれ、長らくリハビリテーション学界・業界の有力者であってきた。上田が関わりその弟子筋の大川弥生が勤める会田記念病院への入院を勧められ、そこでリハビリテーションを受け、機能は改善された。そのことに鶴見は感謝し、上田の著書に感心もした。『脳卒中で倒れてから』(鶴見[199805])、『歌集 回生』(鶴見[200106])でも感謝を記している。『回生を生きる――本当のリハビリテーションに出会って』(鶴見・大川・上田[199805]、没後出された増補版が鶴見・上田・大川[200708])、上田と鶴見の往復書簡の本『患者学のすすめ』(鶴見・上田[2003])等で「本当の」リハビリテーションが語られている。こうして救われたことは、多田と鶴見の対談の本『邂逅』でも話されている(多田・鶴見[200307:34-47])。こうしてこの時、この人たちは感謝し感謝されており、まったく仲よくしている。このことを押さえておく必要があると思う。
 多田が脳梗塞で倒れるのは二〇〇一年。リハビリテーションに励むが、二〇〇六年四月の診療△287 報酬改定でリハビリテーションが基本発病後一八〇日までに制限されることが伝えられると、四月八日の『朝日新聞』に「リハビリ中止は死の宣告」を投稿・掲載(多田[200604])。以後、反対運動の先頭に立つ。
 そして鶴見は同年七月に亡くなる。八月刊行の『環』に載った文章(鶴見[200608])でリハビリテーションを打ち切られたことを嘆き、多田は鶴見の死はその打ち切りによるものだと断ずる。(私はその頃、今も続いているウェブサイト(arsvi.com)の運営に関わっていて、その時に出回った集会の案内やアピール等を掲載するぐらいのことはしていた。鶴見の死も聞いた。また今も終わっていない連載で多田たちの活動に言及している(立岩[2005-(17)]、二〇〇七年二号)。
 この問題は国会でもとりあげられる。官僚は二〇〇三年七月に設置された「高齢者リハビリテーション研究会」の報告書(高齢者リハビリテーション研究会[200401]、市販もされ、また厚生労働省のHPにかつて掲載されていたが、現在はあったはずの場所にない)において専門家たちが日数制限を支持していると答弁した。
 その研究会の座長が上田であり、また大川は委員だった。多田たちは、その研究会の議事録には日数制限の話は出てこないことを言い、政府を批判するとともに、にもかかわらずこの研究会(のメンバー)が沈黙していることを批判する。三つ引用する。
 […]

紹介

◆2017/07/26 https://twitter.com/ShinyaTateiwa/status/890024190790717441
 「上田敏はもっともなことを言う。しかしならばただ立派だと言えばよいのか。私はそう思わない。吟味し批判するべきであると思う。多田富雄が上田敏を批判していることも忘れられている」『リハビリテーション/批判――多田富雄/上田敏/』本日発行→http://www.arsvi.com/ts/2017m1.htm


著者:立岩真也
発行所:Kyoto Bookstae01303@nifty.ne.jp
発行年月日:20170726


UP:20070726 REV:20170829
多田 富雄  ◇上田 敏  ◇Kyoto Books  ◇BOOK
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