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上田敏・多田富雄

「身体の現代」計画補足・405

立岩 真也 2017/08/30
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1939463219653989

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『現代思想』2017年9月号 特集:「いまなぜ地政学か――新しい世界地図の描き方」・表紙   立岩真也編『リハビリテーション/批判――多田富雄/上田敏/…』表紙   多田富雄『人間の復権――リハビリと医療』表紙   立岩真也編『社会モデル』表紙
[表紙写真クリックで紹介頁へ]

 特集「いまなぜ地政学か――新しい世界地図の描き方」の『現代思想』9月号
http://www.arsvi.com/m/gs2017.htm#09
に「『障害/社会』準備の終わりから3――連載・137」。
http://www.arsvi.com/ts/20170137.htm
 その目次
■予定の変更・東アジア障害学セミナー
■運動・理論
■多田富雄・上田敏
□電子書籍×3
□近代、とその次?
□障害とは何か、とは問わない
□非−能力/障害
□障害学
□批判者である障害学は願いをかなえもする
□しかしとどまることはしない
□ではどんな方向に行くのか?
 ここで途中まで紹介するが、『現代思想』この号もう売っているので、どうぞ。ここで言及されている多田の『人間の復権――リハビリと医療』もしばらく前から購入できる。その解説を依頼されて書いたこともあって作ったのが『リハビリテーション/批判――多田富雄/上田敏/…』
http://www.arsvi.com/ts/2017m1.htm
 私は、上田敏のような人(たち)は、その人(たち)が批判に値するほど立派なことを言ったから、ではなく、きちんと批判されるべきであると考えている。それがきちんと伝わるようにその「解説」を書いたつもりだが、まだ足りないのかもしれない。上記の電子書籍?はそれで作ったのでもある。青土社から刊行を予定している本はそんなこともあって書こうとしているのでもある。

 「事態はすこしだけ複雑になっている。障害者運動のなかにはリハビリテーションに批判的な流れがあり、その期間を限定すべきだという主張があった。そして、かつて障害者運動(のある部分)が批判したリハビリテーションの専門家が「社会モデル」を言っている。運動の尖り具合が減ったように思われることにはこのことも関係する。運動の側が言ってきたことを「敵」が認めてしまうのである。
 だから、このような時世においては医療やリハビリテーションの「過剰」を言ってまわるだけではだめなのだ。それで、「過剰/過少」について「社会モデル」について、そして上田たちは社会改革を主張し「当事者」やその親の組織にも協力した人たちであるから「社会派」について考えるということになった。その流れで、「左翼」の間の争いとも捉えられる精神医療(批判)を巡る歴史を辿ることになり、それは『造反有理』になったといういきさつだ。その本に出てくる秋元波留夫や臺(台)弘といった人たちも社会派であり「改革」を言ったのである。それらを総括し、なにがしかを言うことぐらいのことは「社会モデル」を言い出した側が、それを支持する側が、せねばならないと思う。だが、そうした構図の存在自体あまり気づかれておらず、気にされていないようだ。鶴見が上田を讃える対談の本『患者学のすすめ』(鶴見・上田[200307])の後に二〇〇六年のできごとが起こり、鶴見がその年七月に死ぬと、多田は期間制限が鶴見を殺したのだと糾弾するのだが、その『すすめ』新版(上田・鶴見[201601])の「新版への序」で、そんなことにはいっさいふれず、上田は「リハビリテーションは全人間的復権」であるといういつもの話を繰り返し、鶴見の辞世の句などを紹介した「鶴見さんを悼む」を終わりに置いて終わりにしている。言論の空間がこのようにぬるくてよいのかということである。それで今度の本をさきにすることにしたのでもある。」


UP:201707 REV:
病者障害者運動史研究  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
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