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運動・理論

「身体の現代」計画補足・402

立岩 真也 2017/08/27
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1938343186432659
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横田弘・立岩真也・>臼井正樹『われらは愛と正義を否定する――脳性マヒ者 横田弘と「青い芝」』表紙   立岩真也編『青い芝・横塚晃一・横田弘:1970年へ/から』表紙   立岩真也編『社会モデル』表紙   立岩真也編『リハビリテーション/批判――多田富雄/上田敏/…』表紙  
[表紙写真クリックで紹介頁へ]

 『現代思想』9月号に「『障害/社会』準備の終わりから3――連載・137」。
http://www.arsvi.com/ts/20170137.htm
以下その目次
□予定の変更・東アジア障害学セミナー
□運動・理論
□多田富雄・上田敏
□電子書籍×3
□近代、とその次?
□障害とは何か、とは問わない
□非−能力/障害
□障害学
□批判者である障害学は願いをかなえもする
□しかしとどまることはしない
□ではどんな方向に行くのか?
以下その第2節。生存学研究センターのフェイスブックと
http://www.arsvi.com/ts.20172402.htm
に同じ文章を掲載というようにしている。後者には書籍情報の頁へのリンクがある。今回はひとつめの段落関係の本。ご覧ください。

「□運動・理論
 社会運動とこの社会との関わりが気になる時には一つ、いっときの(障害者)差別糾弾の運動は派手でおもしろいものであったが、その後は穏健なものとなってあまりおもしろくない、そういうことでよいのか、という気分があると思う。昨年の相模原市での事件に際しても、七〇年頃のことが呼び出され、繰り返された。私自身が、そうした時期の言説を広める、とまではいかなくとも、知る人は知るようにと言ってまわり、いくつかの出版物に関わってきたのでもある(昨年のものとして横田他[2016]、立岩編[201604-])。その時期の後はどうなったか。普通になってよろしくないという見方には私は与しないでおこうと思っている。ただ、例えば障害者権利条約を旗印にしていろいろを言うというのは、運動としては当然の方向であると思いながらも、距離をとって考えてみてよいとも思っている。そしてそれは他の社会運動について、さらに社会の将来を考えておくことにも関わってくることだろう。
 加えて一つ、本連載の、中断された(そして今本にしようとしている)二〇一〇年の部分で検討を予告した本に、星加良司の『障害とは何か』(星加[2007])がある。さらに昨年、星加の議論も検討した榊原賢二郎の『社会的包摂と身体』(榊原[2016])が公刊された。そう多くはない理論的な著作ということになるだろう。それらはよく考えられて書かれていると感じるとともに、私は別の道筋で言うのがよいと考えてきたのだが、と思ったところがあった。ひとの論の筋道を追うという作業には面倒なところがあるのだが、我彼の間の差異がなんであるのかを考えることは、意味のないことではないとも思う。次回にいくらかのことを述べる★01。」

 「★01 二〇一〇年に幾度か引いたのは杉野[2007]だった。それは行き届いたバランスのとれた書籍であるとともに、次節で名をあげる上田敏の言論を批判する箇所のある本でもある。ある時期以降そうした批判の対象があることを知ることが困難になってしまったと思うのだが、杉野はその手前にいて取り上げ批判することができている。そうした情報に関わる格差を少なくしようという意図が今度の私の本にはある。」


UP:201707 REV:
病者障害者運動史研究  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
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