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詩集『車椅子の青春』(1971)

「身体の現代」計画補足・367

立岩 真也 2017/05/20


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 『現代思想』2017年5月号の特集は「障害者――思想と実践」。目次、そして一部の執筆者についての頁へのリンクは
http://www.arsvi.com/m/gs2017.htm#05
にあり。そこからすぐに注文もできる。
 私が書いているのは特集とは別の連載第133回「高野岳志/以前――生の現代のために・21」。
http://www.arsvi.com/ts/20170133.htm
には文献表があり、そこから文献の全体などへのリンクがある。
 それを分載している。今回は
http://www.arsvi.com/ts/20172363.htm
の続き。通して読むとけっこうおもしろいのではないかと思う。買ってください。そして私は高野岳志(1957〜1984)の他、山田富也(1952〜2010)、渡辺正直(1954〜2012)、石川正一(1955〜1978)、福嶋あき江(1958〜1989)といった人たちについて書こうとしている。ただ手許にある情報はわずかだ。なにかお持ちの方、ください。知っている方、知らせてください。
 フェイスブックに載せているこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20172367.htm
にもある。

 「■写真集『車椅子の眼』/詩集『車椅子の青春』(一九七一)

 「この写真集〔『車椅子の眼』〕は平凡社から出されているが、この同じ七一年、西多賀病院の筋ジストロフィー者の自治会・西友会が編者となった『車椅子の青春』(仙台市・西多賀病院西友会編集委員会編[197101])が出版されている。これは自費出版のものだったが(未見)、七五年にエール出版から新しくした部分を加えて刊行された(国立西多賀病院詩集編集委員会編[19750330])。本は「人生とは…〈遺稿集〉」の部分と「青春とは…」の二つの部分に分かれていて、七五年版のあとがきには「この月日の中で「青春とは」の部に加えていた何名かの友人達は遺稿集の中に加わり、「青春」の仲間が随分淋しくなってきました」と記されている。
 写真集に掲載されている詩と、『青春』に収録されている詩に共通するものがあるのを発見した。次のものは、写真集の方には「中三 刈屋政人」と書いてある。

 「われらは虫だ/グロテスクな虫だ/人間どもはわれらを無視している
われらは短い命だ/でも一生働き続ける虫だ/人間どもはわれらを馬鹿正直だと言う
われらは忍耐力が強い/致命的なけがの苦痛をもたえて/生きようとする/人間どもは自殺でもすればいいと言う
われらは虫だ/グロテスクな虫だ」

 本の方では「虫と人間」という題が付されている。そして中ほどに加わっている部分がある。その事情はわからない。

 「われらは虫だ/グロテスクな虫だ/人間どもはわれらを無視している
われらは短い命だ/でも一生働き続ける虫だ/人間どもはわれらを馬鹿正直だと言う/われらの世界はファシズムだ/でも友情の強い世界だ/人間どもはわれらを無知だと言う/われらは忍耐力が強い/致命的なけがの苦痛をもたえて/生きようとする/人間どもは自殺でもすればいいと言う
われらは虫だ/グロテスクな虫だ」([1971→1975:76-77])★06

 七五年版にはこの人の詩は九つが収録されており、その名前の横には「四六年七月八日死亡・二〇歳」と記されている。詩集が最初に出たのは七一年一月で、写真集は二月。この時には生きていて、そして詩が書かれたのは、中三というのだから、その五年ほど前ということになる。中三の時の詩にいくらかが加わって詩集の方に収録されたということかもしれない。そして映画でも詩が読まれるというのだから(未見)、そこにも共通しているものがあるのだろう。」

 「★06 七五年版の第一刷では「忍耐力が弱い」となっているが誤植。」


UP:201705 REV:
病者障害者運動史研究  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
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