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『与えられる生死:1960年代』序

「身体の現代」計画補足・340

立岩 真也 2017/04/14
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1874515706148741

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 04/22(土)日本社会福祉学中部地域ブロック部会主催2017年度春季研究例会研究例会 、「相模原障害者 殺傷事件から問い直す『社会』と福祉」で講演。於:名古屋。「道筋を何度も作ること――7.26殺傷事件後」
http://www.arsvi.com/ts/20170422.htm
たぶん歴史の話をする。関連した本・冊子がいくつかある。一つが『与えられる生死:1960年代――『しののめ』安楽死特集/あざらしっ子/重度心身障害児/「拝啓池田総理大学殿」他』(立岩真也編、2015)
http://www.arsvi.com/ts/2015b1.htm
 今回はその序の前半。
 フェイスブックに載せているこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20172340.htm
にもある。

 「■序
 なぜ本書を作ったのかについては、以前書いた二つの文章とそして最近書いた文章の一部を末尾に置いた(→目次)。はじめの二つは『生死の語り行い・1』が二〇一二年に出たとき、その出版元である生活書院のHPに掲載された文章。一つめで日本の障害者の生死を巡る議論はすいぶん前からあることを書いた。二つめでもっと古くからあること(を長いこと忘れていたこと)、そのもと文献(一九六二年)を探して出して読まねばならないことを書いている。
 そしてその六二年の『しののめ』は国会図書館にあって、その全文をスキャンしてテキストデータにしてもらった。また私の方ではその号に掲載された花田春兆の文章から始まる花田の著書『障害者問題の出発』(六八年)から関係する文章を取り出してやはりスキャンしてデータにした。またこの前後、サリドマイド剤を飲んだ人から生まれた子たち――「あざらしっ子」とかあるいは「エンジェルベビー」とも呼ばれたことが以下に再録する文章に出てくる、また、ポリオの流行があった。ベルギーに起こったサリドマイド嬰児殺しに無罪判決がおり、それを巡る『婦人公論』誌上での議論その他がある。そこで国に子どもの生死を決める委員会を作ったらよいと発言している水上勉はその同じ年に、福祉業界では一定知られているはずの「拝啓池田総理大臣殿」という文章を『中央公論』に書いて、それが「重症心身障害児政策」に影響したともされる。本書に収録した花田の文章は、これらに反応して書かれてもいる。そして『婦人公論』には「重症心身障害児施設」の草分けとされる島田療育園の設立・運営に関わった小林提樹も参加しており、そしてその小林と花田の間では安楽死を巡る往復書簡があり、それがさきの『しののめ』誌上に掲載されるといった具合になっている。そしてその重症心身障害児施設には、当初は、脳性まひの子も、サリドマイドの子――その子は他の子たちよりも可愛いので「エンジェルベビー」と呼ばれようだ――もいた。こうしたことはかなり長くその場で働いてきた人でもないと知らないことのはずだ。そんなことが六〇年年代の数年の間に起こっている。」


UP:201704 REV:
立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
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