04/08午後、吹田市スタジオシチズンで「ベーシックインカムと人間の生存」(貰った題)。立岩真也・齊藤拓『ベーシックインカム――分配する最小国家の可能性』等々割引販売します。
http://www.arsvi.com/ts/20170408.htm
ということなので、以前書いたその本の紹介文。『BIメールニュース』の依頼で書いたもの
http://www.arsvi.com/ts/20100015.htm
フェイスブックに載せているこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20172338.htm
にもある。では以下。
「『ベーシックインカム――分配する最小国家の可能性』(立岩真也・齊藤・拓、青土社)
http://www.arsvi.com/ts/2010b1.htm
という本を出してもらった。立岩真也・齊藤拓著、青土社、税込2310円。奥付では4月発行だが、もう売っている。3月26・27日の「ベーシック・インカム日本ネットワーク設立集会」でも販売します。どうぞよろしく。
まず斎藤の第3部「日本のBIをめぐる言説」だけでもこの本を買う価値はある。膨大というほどではないが、近年、いろいろな人がBIを語っている。どうなっているのか。そろそろ「専門」の人でもないと見渡せないようになっている。そこで斎藤が、日本語で出た著書・論文については網羅的に、またネット上のものなど他の媒体に載ったものも含め、紹介し、そして斎藤の視点で、ときにかなり辛辣に、論評している。
私(立岩)が書いたのは第1部「BIは行けているか?」。この問いに対する答はどうなるか。「否」ではない。しかし(と進むから、めんどくさいやつだと言われるのだが)、今現在言われることがあるような、一人月5万だか8万だかを出して、そしてそれで終わりというような手切れ金のようなものであるなら、また、そのための財源として税率一定の所得税(フラット税)あるいは消費税を使うというのであれば――消費税そのものに常に反対であるわけではないが――、別のものの方がよいし、また今ある制度をよりましにする方がましであると私は言わざるをえない。
そして、BIがよいと言われる際、よく制度が「簡素」であることがあげられるが、そうか。そしてそれはどれほど大切か。また「スティグマの回避」があげられることもあるが、それはどれほど「本筋」の話なのか。そして「働かない権利」といったことも言われる。その主張がもっともな文脈はある。しかしBIを受け取ることは「権利」であり、そのための徴収は「強制」としてなされる。とすると、やはり「労働(の義務)」のことをどう考えるのかという問題は片がついていないのではないか。
といったことを私の担当した部分では書いている。やはり基本的なことは考えておかねばならないと思う。しかしそれでは「前向き」でないと言われるだろうか。私に案がないわけではない。第1章「此の世の分け方」をどうぞ。」