「適応的選好形成」と呼ばれるできごとについて検討している『自由の平等』が立岩[2004]
http://www.arsvi.com/ts/2004b1.htm
いまはPC可読ファイルで提供。わりあいおもしろいと思う。そして『療護施設・グループホーム・一人暮し――脳性マヒ者の3つの生活』(赤塚光子・佐々木葉子・杉原素子・立岩真也・田中晃・名川勝・林裕信・三ツ木任一著,199803,放送大学三ツ木研究室,166p.)は
http://www.arsvi.com/ts/1998b01.htm
に全文がある。しばらくわすれていたがけっこうまじめに作ったという記憶がある。
『現代思想』3月号の特集は「社会学の未来」
http://www.arsvi.com/m/gs2017.htm#03
私の連載は第131回。「施設/脱施設/病院/脱病院――生の現代のために・19」。これを分載していく。これがその第4回。この回の目次・リンク付の文献表は
http://www.arsvi.com/ts/20170131.htm
フェイスブックに載せているこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20172325.htm
にもある。
「■かつて書いたこと残されたこと
[…]
私は、必要だとは思ったが、一九九〇年の後長くなにほどのことをしなかった。ただ、身体障害者療護施設、グループホーム、一人暮らしの人各一〇名の人の生活を調査し比較した――一定の数の人に同じ質問をしてその結果を並べて検討するといった調査に関わったのはこの時だけだ――調査報告書(赤塚他[1998])には関わった。その原稿の大部分は私が担当した。そこで比較する際の当然の留意点も述べている。そこでは「適応的選好形成」(cf.立岩[2004])と呼ばれるようなことがしばしば起こる。つまり、他に現実的な可能性がない時には「これで(ここで)よい」とすることがよく起こる。それ以前に、知らないところと知っているところを比較する(比較させられる)というのは妙なことでもある。と同時に、比較とはしばしばそうした妙な行ないでもある。誰でも知っているこうしたことが、満足度調査のような類の調査ではしばしば看過される★02。それはよくない。そのことを書き、結果を記した。
★02 近藤喜代太郎他「筋ジストロフィーの施設ケアの便益性(予報)」 (一九八八、『厚生省精神・神経疾患研究筋ジストロフィー症の遺伝、疫学、臨床および治療開発に関する研究班報告書』)といったものがあることを紹介した。収容が始まって二〇年ほど経って、施設収容が他よりよいことを主張しようとしている。承服できない部分がある。別途検討する。」