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数を並べていくと…

「身体の現代」計画補足・310

立岩 真也 2017/02/09
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1843287159271596

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『自閉症連続体の時代』表紙   『現代思想』2017年2月号 特集:ビットコインとブロックチェーンの思想――中央なき社会のゆくえ・表紙   『ALS――不動の身体と息する機械』表紙
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 『支援を得てわたしらしく生きる!――24時間ヘルパー介護を実現させる障害者・難病者・弁護士たち』(介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット編[2016])は
http://www.arsvi.com/b2010/1610k14.htm
 フェイスブックに載せているこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20172310.htm
にもある。『現代思想』2017年2月号(特集「ビットコインとブロックチェーンの思想――中央なき社会のゆくえ」)に掲載された連載第130回を分載しているその第10回。
http://www.arsvi.com/ts/20170130.htm


 「■本人たちの闘病記等
 […]
 そうして集められるものを集め、数を並べていくといくらか傾向のようなものが見えることもあり、いくらかのその変化が追えることがある。私はそんなことを幾度かやってみた。『自閉症連続体の時代』(立岩[2014])では一九八八年から二〇一四年までに出た九五冊を一覧にした。その前、『ALS』(立岩[2006])にそれまでに出ていた本のたいがいを(HPも含め)あげた。それにあげなかったものを調べたら、書籍としては、刊行前に出された六冊と刊行後に出された本二八冊、計三四冊あった(リスト◆、もし本の第二版が出るなら、その時にそれらを加える)。
 ALS(筋萎縮性側索硬化症)の人たちのものにあったのはまずは共通性――直面する出来事・問いの共通性――だった。そしてそのうえでの分岐を見ていくことになった。それは生死の「選択」に関わる。それは生命倫理学の主題でもあり、また学の主題であろうとなかろうと見ておいた方がよいことであったから調べて書いた。
 その本の後の十二年の間に変化があったか。そう大きくは変わっていない。むしろ変化のなさがわかるということもある。ただ、いつのまにか障害者のための制度が使われることがいくらか普通になった。それは手記の類を見てもよくはわからない。『ALS』を書いた前後から徐々の動きがあり、いくつか関連の文献も出てきているといった具合になっている。最近のものとして、『支援を得てわたしらしく生きる!――24時間ヘルパー介護を実現させる障害者・難病者・弁護士たち』(介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット編[2016])がある。そしてそれ以前から起こっていたのは、障害や疾病の名前による集まりというのでなく、例えば人工呼吸器を使っている人たちの集まりが形成され(ベンチレーター使用者ネットワーク編[2005])、出生前診断他に関心をもつ人たちの「神経筋疾患ネットワーク(しんきんネット)」といった集まりができる。それは本からの知識というより、関わりがわりあい長くなり、いろいろと知ること、いくらか様子がわかることがあって言えるところがある。そしてそれとまったく同時に、悲しみの変わらなさと、以前より淡白で清々しいかもしれない死への態度の表出がある。
 現在の方に延ばしていくとそんな経緯がある。そしてそれ以前に現われ維持されている体制がある。それが現在に関わる。だからそれもそれとして見ておく必要がある。そう思って、連載でいくらかを記しているのは筋ジストロフィーに関わるできことだ。」


UP:201701 REV:
『生存学の企て』  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇病者障害者運動史研究  ◇身体の現代:歴史
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