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争いがあるから書かれないこと

「身体の現代」計画補足・304

立岩 真也 2017/01/29
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1839919936274985

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『造反有理――精神医療現代史へ』表紙   『現代思想』2017年2月号 特集:ビットコインとブロックチェーンの思想――中央なき社会のゆくえ・表紙   『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』表紙   立命館大学生存学研究センター編『生存学の企て――障老病異と共に暮らす世界へ』・表紙
[表紙写真クリックで紹介頁へ]

 争いがあるから書かれることもあるのだが、あるために書かれないこともある。
いったんあって、後で書かれなくなったことについて例えば『造反有理』
http://www.arsvi.com/ts/2013b2.htm
精神医療業界・学界における造反について、争いに破れたり疲れたり、とんでもないと思った人たちは書かない。また最初の本『生の技法』
http://www.arsvi.com/ts/2012b3.htm
も(最初は気付かなかったが)、社会福祉業界・学界的にはうっとおしかったために書かれなかったことについて書かれている(部分もある)本。『生存学の企て』
http://www.arsvi.com/b2010/1603rcav.htm
他では争いがあるところを調べたらよいと書いている。
 『現代思想』2月号が発売になっている。特集は「ビットコインとブロックチェーンの思想――中央なき社会のゆくえ」。ここしばらくはそこに掲載されている連載第130回を分載していく。
http://www.arsvi.com/ts/20170130.htm
だいぶかかるので2月号買ってください。役に立つはずです。文献(のリンク先含め)これから足していくので時々見てください。&抜けている本たくさんあると思います。教えてください→tae01303@nifty.ne.jp(立岩)。

 フェイスブックに載せているこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20172304.htm
にもある。


 「■「研究者」によるもの/そうでないもの
[…]
 またいくらかでも余裕、金銭的・人的資源があるから本を出せるということもある。闘病記の類には文芸社といった自費出版を請け負う出版社から出されるものがかなりある。そうした場合の多くは筆者側が自ら支出して出版することになるから、その出版は、そのための金があることによって可能になる。比べると、ネットを使った方が金がかからないことがある。所謂書誌情報の扱いをどうするかということもあり、また数も多く、今回は扱っていないが、こちらのHPの疾患・障害別の頁ではブログやツィッターも紹介している。さらに近年電子書籍として出されるものもあり(それについては今回のリストに掲載している)、書籍と書籍でないものの間の境界は定かでなくなっている。これからはそうしたことに注意しながら、扱っていくことになる。
 そして資源の余裕や制約があるというだけではない。例えば争いは書く対象になる。争いがあるからこそ書かれることもある。だが、不利になると思われるなら、その部分は書かれないこと隠されることもある。争いにおいて勝つために書くのであれば当然のことである。そしてそのことは、直接の利害から離れていることになっている学的な書き物においても起こる。一つに研究倫理が気にされたり、あるいは相手を気づかってしまうことにもよる。一つに、実際にはその学もまた利害のもとにあるからである。虚偽を言うことは、いずれの領域においてもよいこととはされないが、しかし虚偽を言わずに、何かを言わないことは可能である。
 こうしたことを考えにいれながら、調べ書いていくことになる。こうして略述したことは、方法論に関わる論議において十分に言われ、知られていることではある。ただ、実際の学の仕事がなされるときにはあまり顧慮されていないように思われる。そのさまについて記してから次に進む。」


UP:201701 REV:
『生存学の企て』  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇病者障害者運動史研究  ◇身体の現代:歴史
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