HOME > Tateiwa >

立岩 真也 2017/10/21
於:韓国・光州市

Tweet


■光州障害者運動家たちの質問

1.介助サービスについて

1)障害者等級によってサービスの制限がありますか?そして医療的な損傷によって等級がきめられますか? 等級廃止への動きはありますか?

↓ 2) 日本の介助サービスのシステムが知りたいです。申請から提供まで、の過程. 特に介助時間はどうやってきめられますか?
 →
 所謂ADLの判定(+医師の意見)+審査会↓
 現在は居宅介護/重度訪問介護/行動援護の3つ
 行動援護は精神障害・知的障害対象
 等級ではないが区分はある↓
 厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=147260&name=0000013344.pdf
 居宅介護均利用時間/月:区分1: 9.4h 区分2:12.1h 区分3:17.0h 区分4:23.9h 区分5:32.5h 区分6:37.9h
 重度訪問平均利用時間/月:区分4: 91.8h 区分5:123.1h 区分6:201.7h
 利 用 者 数 ・居宅:138,390人 ・重度訪問:9,262人 ・行動援護:7,125人
 事 業 所 数 ・17,148箇所 ・5,929箇所 ・1,211箇所
 区分6(もっとも多く支給)について国庫負担基準が約30万(そのうちの50%が国庫から)。
 いささかややこしい。:各々の区分について国庫負担額が決められる(6について約30万)。
 区分6(もっとも多く支給)について、200時間/月、30万円/月(〜だいたい1日7時間)というのが国庫負担*の基準。国は半分を負担。
 実際いくら・何時間出すかは自治体が決めることに。もっと出すべきだということで裁判になった事例も。
 *国は個別の人についてこの限度を超えると超えた分について出さない、ということではない。
 国庫負担:http:/ /search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000156744
 ※国庫負担の計算式:http://www.kaigoseido.net/sienho/07/futankijun_keisan.htm
 cf.神戸市:http://www.city.kobe.lg.jp/life/community/handicap/img/shikyuuryou.pdf
 北海道:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/shf/jireisyu_jiritusienhou/08syougaifukussikyuketteikijun.pdf

3)介助サービスの問題として、対象制限、時間制限、自己負担があります。日本の状況を話してください。
 →判定あり:「障害程度区分」→「障害支援区分」/1割
 介護保険:別の判定、介護保険優先(が普通とされる)/自己負担1割→2015〜1割・2割
 最も重い区分について  障害支援区分:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kubun/index.html
 2014年の省令(の後半〜これが詳しい?):http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/3_9.pdf
 cf.http://kazehukushikai.jp/?services=%E9%87%8D%E5%BA%A6%E8%A8%AA%E5%95%8F%E4%BB%8B%E8%AD%B7
 厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/12/s1205-7b.html
 大阪府:http://www.pref.osaka.lg.jp/keikakusuishin/jiritushien/kbn_nintei.html
 障害者自立支援法:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/12/s1205-7b.html

4)自立生活センターが介助サービスを提供する時、良い点もあるし悪い点もあると思います。日本は介助サービスの提供機関と自立生活センター間の関係はどうなっていますか?
 →介助派遣する事業所の(ごく)一部がCIL。(介助派遣をしないCILも少ないがあるにはある。)

2.発達障害者の脱施設ー自立生活支援政策

1.相模原市障害者殺人事件は韓国でも大きく報道されました。びっくりしました。この事件についてどう思っていますか?そして、その後 障害者福祉政策に変化とか、動きとかはありますか?
だされば幸です。)
 →運動側はいまも集会などでテーマとして取り上げている。そこでは「脱施設」が主張されることもある。政策にとくに変更があるようには思えない。問題は、この事件が精神障害と結びつけられ、犯罪の防止と精神保健・福祉とをつなげようという動きである。このことについては、23日にソウルで話すことになっている。
 →2017/10/23 「精神障害/精神医療を巡る現代史そして現在」
 精神障害者地域生活支援のための韓・日精神障害政策シンポジウム,於:韓国・ソウル

『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』表紙   立岩真也・杉田俊介『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』表紙 br>
[表紙写真クリックで紹介頁へ]

[記録]

韓国光州講演 20172021
立岩教授

司会 発達障害、知的障害の方とか介助サービス員について自由に質問して自由に答えるような感じで今日は進めたいと思います。立岩氏の挨拶です。

立岩氏 みなさんはじめまして。京都からまいりました立岩と申します。

<拍手>

立岩氏 京都や大阪は今日、雨で台風がくるそうですが、韓国はとっても天気が良くてあったかいですね。話すことはたくさんあるんですけれども、今日はあらかじめ??さんから質問の項目を送ってもらったので、その中からいくつかについて答えるだけにして、短く話をしてあとはいろいろみなさんとディスカッションができればと思います・

司会 質問して答える形にしていいですか?

立岩氏 はいそうですね。最初にちょっとだけ話します。
 最初に短く説明するのは日本の介助の制度についてです。どこの国でもそうですけど、政府が作る制度というのは、とってもややこしいんです。私も今日、飛行機や電車の中で久しぶりに勉強しながら、ここにきました。本当に言葉で喋るのは難しいんですけれども頑張ってみます。
 日本には介助に関わる制度は、大きく言えば二つあります。一つは公的介護保険の制度です。これは   2000年に始まりました。基本的には65歳以上の高齢者を対象とする制度です。ただし、いくつかの障害については、65歳未満でも介護保険の対象になります。
 もう一つが障害者のための公的介護保険も高齢者のための制度なんですが、それ以外に障害者のための総合福祉法という法律があります。そこの中で在宅介護、居宅の介護についての規定があります。これからはややこしいですよ。その中さえ三つに分かれています。一つは居宅介護というものです。もう一つは重度訪問介護というもの。もう一つは行動援護といいます。
 あまり細かいことは気にしなくていいです。二つ目が主に一日で長時間介護する人のための制度だということ。それから三つ目の制度というのが特に行動障害というんですよね。いろいろ動いて支援するのが難しい人のための例えば外出につき添ったり、そういう知的な障害、精神障害がある人のための制度だということは押さえておいてください。
 ぼくは特にもとは障害とか障害福祉を専門にする学者ではありません。社会学をやってます。ただその中で身体の特に重い身体障害をもっている人たちとのつき合いがあって、そういった人たちの運動、政策に関わってきたのは事実です。その人たちのための制度が、さっき言った二つ目の重度訪問という二つ目の二つ目ですね。二つ目の中の二つのうちが三つあって、そのうちの二つ目ってややこしいですね。重度訪問という制度です。だいたいのイメージで言いますと、これはですね判定があります。みなさんの質問にありましたけれども、この人がどれだけ、どういうランクに位置するのかということについては、基本的には日常生活動作ですね。ADLといわれたりしますけれども。それをチェックするマークシートがあって、それをチェックしていって合計点数がでるという、そういうシートに基づいた第一次的な判定がなされます。それにさらに医師の意見なんかが加わって、市町村の審議会で判定がなされます。ですから重度訪問という制度は障害をもつ中でも、比較的重い障害をもつというふうに認定された人のための制度です。
 その制度を使っている人が日本ではだいたい一万人います。なんとなく規模がわかると思いますけれども、その中にもいろいろいるんですけど、一番ランクの重いたくさんサービスが必要な6というランクの人の場合ですと、だいたいですね月に30万円くらいのお金が、そのサービスのために公的に支出されると考えてください。1ヶ月です。これは時給1500円とすると、月だいたい200時間くらいに換算されます。ですから1日にならすと1日7時間ということです。この辺からもっとややこしくなるんですが、ただこれは平均的な値であり、また日本の国家、厚生労働省が国のお金を支出する目安の基準というくらいのものです。月に30というのは。国は半分のお金をだすんですけど、だいたい30くらいが基準だよというのが、一番重い人に対してですね。

司会 ということは、30万円は国がだすということですか?

立岩氏 30万円の半分を国がだすということです。これは例えば月に200時間、月に30万円しかお金をだしませんと決まってはいないんです。国というか実施するのは市町村なんですが、市町村はこれしかやらないよという決まりではない。これは日本の一つ目の制度、公的介護保険とは違うところです。日本の公的介護保険の場合は、やはり同じように判定がありますけれども、判定に応じたサービスの量というのは厳密に定められています。介護保険の一番重い判定の場合は、せいぜい1日2時間くらいがマックスです。それを全部居宅の介護に使うならば。これ以上は全くでません。しかし二つ目のさっきから説明している障害者の制度の場合は、上限というのは決まってはいないわけです。ここのあたりからが行政当局と、それから障害者たち障害者団体との攻防というか闘いというか、交渉の場になっていくわけです。
 20時間介護が必要な人ってそう多くありません。そう多くありませんけれども、いるにはいます。そういう人たちは24かける30ですから、だいたい700時間くらいの介助が必要なんですね。例えばぼくは日本の京都という町に住んでいます。2002年に京都に移ってきたんですが、その3年後2005年に京都市との交渉に参加することがありました。皆さんはALSという難病を重い障害をご存知でしょうか?韓国ではルー・ゲリック病といったりするんですかね。そのときに京都で単身でALSになった男性がいて、その人の介護を最初はボランティアも含めてやってたんですけれども、とてもそれでは生きていけないということになり、京都市と交渉することになりました。全部で十人以上いたと思います。ぼくもその後ろについて行った記憶があります。京都市の障害福祉の課長さんたちと交渉しました。先頭にいたのは本人で、彼が、全く体が動かない。生きていくためには、例えば夜間であれば痰の吸引であるとか、そういったことが必要で24時間の介護が必要だということは誰の目にも明らかでした。結果として彼は1日24時間の制度を獲得することができました。京都は大きい町ですけれども、その中の一人という特別のものではありました。しかし二人目に、やはりその人も私たちは関わりがあったんですが、同じ病気でシングルで男性で介護がいるという人についていえば、全く状態は同じなわけですから、京都市はその人たちの支給を認めざるを得ません。例えば京都ではそういうふうにして、少しずつ重度訪問の上限の時間というのが1日24時間までになり、そしてそれが痰の対象者が少しずつ増えていくということがあったんです。
 実際には広げていくのはなかなか大変なわけです。ですけれども、そのために今の話は障害者たち、それから支援者たちが直接行政と交渉するというスタイルの運動でした。ここ10年くらい増えているのが、司法の利用と言いますか、裁判とか法律家、弁護士とか。京都府の隣、和歌山県という県があります。そこのやはりALSの男性が裁判に訴えて、そして裁判所は和歌山市に対してなぜか24時間じゃなく23時間だったんですが、23時間の介護を支給するようにと判決を下したことがあります。数年前のことです。ただ裁判にまでもっていくのはなかなか大変です。ただ地方では弁護士の協力を受けているということがこの頃多いです。
 韓国ではどうかわかりませんけれども、日本でも東京や大阪には弁護士がたくさんいて、弁護士くらいじゃみんなビビりませんというか、ビビるってなんて言ったらいいかな?怖がったりしません。東京とか大阪の行政の人とかがね。でも地方の方に行くと今でも弁護士は、それなりの力がある。それでですね、今年ですけれども、これもぼくたちが少し関わった筋ジストロフィー、皆さんご存知だと思いますけれども、筋ジストロフィーの人が40年ずっと病院にいて、ようやくでてきて自立することになったわけです。その人は石川県の金沢市という市に住んでいる人です。とても美しい町ですけれども、総じて日本でも日本海のほうに面している地方は、あまりそういう制度が進んだところではありません。そういう制度が広がらないことについてもいろんな要因がありますけれども、一つは公的介護保険などに比べて、専門家もそれから一般の市民もこの制度のことを、よく知らないということが一つあります。重度訪問など。それから1時間あたりの事業所に入るお金が介護保険に比べて少ないので、それをやろうとする事業所がそれほどたくさんはない、ということです。それからこの制度が知られてですね、特に時間の制限がない制度ですから、どんどんそれを使われていくと、お金をだすのが大変だと地方政府は思っているのかもしれません。というわけで、急には広がらないですけれども、それでもだんだん増えていることは事実です。
 それでさっきの話に戻しますと、金沢の筋ジストロフィーの40代の男性は金沢市で事実上、重度訪問という制度を使う非常に先駆的な例になりました。そのときにもすでにそういう制度のことをよく知っている、障害者団体の人が、知識を提供したりといったことがありましたし、そのほかに先ほど挙げた金沢市に在住している弁護士なども市との交渉に入ってくれて、それで制度を勝ちとることができたわけです。だいたいここまでにしときます。いくら話しても終わらない話ですのでいったんここまでにしときます。
 今日は入ってきたらすぐ、今年の話だけしました。今の話だけ、しましたけれども実際には長い長い歴史があるわけです。日本では今の制度につながる運動は1970年代の前半には始まっていますから、もうかれこれ40年以上が経ってるわけです。あと3分で終わります。その昔話、1970年代からどういうふうに運動が展開されてきたのかということについては、私はもう27年前になってしまいますが『生の技法』という本を出しました。2012年に第3版が出ています。その95年に第2版が出ているのですが、こちらの??さんは韓国語に訳してくれました。その本は今は紙の本としては入手できないと思うんですけど、一昨日??さんにデータが残ってないかというふうに聞いたんです。どうやらあったようです。ただぼくはそれを開けておりません。たぶん韓国のソフトでしか開けない、マイクロソフトのワードとかではないファイルだったと思います。ですので本当に入っているかどうか、ぼくは自信がないです。そのファイルをディスクに入れてきました。本当に入っているかどうかわからないんですが、昨日、一日中ぼくはこのディスクを家でずっとコピーしてました。このディスクの表紙は、ぼくの『私的所有論』という一人で書いた最初の本なんですけど。今から20年前ですが。この本の英語版の電子書籍です。これも一緒に入ってます。大丈夫です。というわけで、お土産にもってまいりましたので、欲しい方には差しあげようと思っています。量はないかもしれないな。という話を最後にしていったん終わらせていただきます。とにかくお断りしますけれども、ぼくは制度の細かいことは残念ながらよくは知りません。ですので嘘を言うかもしれませんし、知らないことは知らないと言いますので、その点はご承知ください。ただ日本に帰ってぼくより詳しい人に確認して、今日、ぼくがちゃんと答えられないことは??さんを通して、必ずみなさんにお知らせするようにしますので、以後は質問に答えるということにさせていただきたいと思います。
 ちょうど30分経ったと思います。これで私の話をいったん終わります。

<質疑応答>

質問者 韓国では特にここは2014年に24時間初めてなんですよね。それは今の市長が当選したくてそれを公約して、約束守ってということがありました。他の地域はいくつかの地域では24時間やってます。ここでは??20人に対して24時間を支援した。それは自分が自分の期間を終わるまで18年で終わるんですけど、18年までは20人に対して24時間を支援するというところで今、約束を守ってるんですけれども、京都市は今、何人くらいが24時間を使っていて、後はその基準はなんですか?

立岩氏 京都市で実際にどれだけの人がいるかということは、聞けばわかるかもしれませんが、ちゃんと把握しているところはないかもしれません。少し調べてみます。基準というのはですね、ちょっと複雑なんですよね。ちゃんとその一番上の一番重いと判定されるための基準はあって、それには該当するんですけれども、その一番重いというランクに該当しても普通は1日7時間分とかそれくらいしか出ないわけです。そうすると、それでは足りないんだと、24時間いるんだという場合というのは、市と直接に交渉するということになるんで、そういう意味ではその上乗せ分に関しては基準があるというわけではない。
 市長さんが選挙の時に、24時間介護の制度を公約したということを聞いて、それはとてもびっくりしました。なぜそのようなことが起こったのかということは今日、日本に帰る前に必ず誰かに詳しく聞いて、ちゃんと調査して家に帰ろうと思います。日本では明後日、23日に国会議員の選挙がおこなわれます。その選挙はつまらないことについて選挙がおこなわれていて、光州市のように介護の問題とかそういうのを前面に打ちだして選挙がおこなわれたらもっとよかったのにと、ぼくは昨日投票を終えてきたんですが思っているところです。

質問者 毎年20人ではなくて、18年までには20人がという。それまでには。少し前に市長の前に言って交渉して18年、来年は10人を支援することになりました。

質問者 裁判で勝つということはどんな裁判を起こすのですか?行政訴訟?

立岩 そうですね。行政を訴えるんです。

質問者 裁判を起こす時には、法律的な根拠をもつて起こすじゃないですか。勝つときも根拠があって勝つはずなんですけれども、そういう根拠や法律とか既にあるんですか?

立岩氏 日本の憲法で生存権を保証する条文が日本国憲法にありますけれども、それを盾にしていうか、根拠にして争われた裁判はありますし、それで勝訴した裁判もあります。

質問者 県に対する裁判ですよね?裁判を起こして地方では地方自治体の人たちは裁判を起こす時に、対象は国になるんですか?

立岩氏 今日ぼくは大部分説明した総合支援法の在宅の福祉、在宅のサービスの実施主体は基本的には市町村なんです。ですので、具体的に訴える相手は市町村ということになります。通常は。

質問者 市町村はこれに反論するんだけど、国が反対したらどうなるのですか?

立岩氏 国っていうのも一言でいえないですが、例えば国の厚生労働省という社会福祉を担当する省庁はこの制度に対して、少なくとも担当の部署はそんなに抑制的ではない。むしろこの制度はもっと使ってもいいという態度ではあります。ですからこれは過去にもそういうことがありましたけど、市町村に対してもっとこの制度を使うようにと、実施するようにと指導といいますか、勧告といいますか、そういったものを出した事例はあります。
 ちなみに財政負担は国が50パーセント、都道府県が25パーセント、市町村が25パーセントだと思います。ですから市町村はよくうちは小さな町なので、小さな市町村なので財政的にそんな負担できないということを言うんですけれども、実際にはかかるお金の4分の1しか払う必要はないので、実際にはさほどの負担ではないはずだと私は、私たちは思ってます。

質問者 障害者が法律を使って65歳になって介護保険を使ったら、そのとき時間が減るんじゃないですか?それに対して障害者団体や本人たちのオッケーとかありましたか?今、法律はどういうふうになってますか?

立岩氏 さっき二つあるといいました。基本65歳以上の介護保険と、そうじゃない障害者の制度。65歳になったときに公的介護保険の対象になります。介護保険の対象になるということは、それが一つ目とすれば二つ目の制度が使えないということではないんです。これ、みなさん誤解しないでください。問題はですね、介護保険の制度の方が使いにくいし、時間も少ないし、収入が多いと自己負担が結構するということで、本当はあまり使いたくない制度を先に使って、それでもたりなかったら、もう一つの障害者の制度を使ってくださいと、そういうふうに言われるんですよ。そこが厄介なところです。国がですね、常に介護保険を最初に使えというとは限らないと、絶対的なルールがないという通達も出してはいます。ただ実際には、地方の地域の現場では介護保険優先というふうになっています。
 さっき京都で二番目にALSの人で重度訪問の制度を使った人という話をしましたけど、その人に僕らが関わった時の経験したことなんですが、24時間のスケジュールの中に介護保険のサービスを、1日24時間の中でたった2時間だけ毎日入れていくみたいな、そういう非常に複雑などうでもいいような調整をしなくちゃいけなくて、その調整のコストが、かかってめんどくさかった、煩わしかったというのを記憶しています。

質問者 ILセンターで介助サービスを提供するじゃないですか。日本でもILセンターは介助サービスを提供しているか?以前は介助サービスを提供する前は、障害者当事者の人たちがセンターに自由に遊びに行ったりしてたんですよ。韓国の場合は。ここでは一部の障害者の不満なんですけど、今はなんとか介助サービスを提供するということになって、それが力になっている。ILセンターの力になったら、前は当事者が自由にそこに遊びに行ったりしてたんだけど、今はそこに行くと所長さんがえらい感じなってて、行きにくい感じになっている。そういう感じる人達がいるみたいなんですけど、日本はどうか?良い点もある?

立岩氏 ILセンターとそれから介助派遣というか、その仕事との関係だったと思います。まずその一つ、僕はあらかじめ??さんからもらってた紙の中にILセンターというのは、どの程度介護派遣に関わっているのかという質問がありましたので、ここからお答えします。日本でJIL(全国自立生活センター協議会)っていう自立生活センターの協議団体に加入しているのは、まだ200団体いってないんじゃないかなと思います。仮に200としましょう。もう数?でね。今日は調べてきたところだと、さっきの重度訪問というサービスを提供している事業所の数が、日本では6000あるんだそうです。その事業所には大きな全国的な株式会社のような巨大な企業もあれば、数人でやってる大きな自立センターとかから比べたらずっと小さいような事業所もあります。ですので、障害者たちがみんな自立生活センターの介護派遣だけを受けているということは、実情とはかなり違います。ILセンターからの介護を受けている人もいるし、そうでない、そういうものは全く使わずに他の事業所から提供を受けている人もいるし、両方混ぜて使っている人もいる。利用者から見たら、まずはそういうことですね。僕はこれは、それ自体悪いことではないと思っていません。まずそれだけの力量というか、事業するだけのパワーというものを当事者組織が全部、必要を賄えるかといったら、現実的には無理だと思うんです。それから日本の自立生活センターの場合は基本的に同性介助原則ですけれども、そういう原則を気にしない、あるいは別のやり方の方がいいというふうに考えている人もいる。そうするとまた別の事業所を選ぶということになります。
 事業所というかILセンターのほうに移すと、確かに自立生活センターの多くは介護派遣事業を政府から受託するというか、その事業をおこなっています。それは一つには障害者にとって必要なサービスだからですが、一つはスタッフを有給で雇うときに数少ない収入が得られる、そんな事業であるというのは否定できない事実です。その結果としてそういった事業をおこなっていなかったときから比べると予算規模が二桁、100倍以上違ってきたりというような組織もあります。そのことによって組織そのものが介護派遣の事業が忙しくなる、スタッフが忙しくなる、所長さんも忙しくなる。それは事実です。「毎日、毎日忙しいな。書類書いたり、お金の計算ばっかりしてて、こんなことで毎日忙しいのは嫌だな。」ということを僕も聞くことがあります。

質問者 誰から聞くんですか?

立岩氏 センターで仕事しているスタッフや、だいたい当事者でもあるスタッフです。その人たちは時間的余裕をもって、先ほどおっしゃっていたように、センターにやってきてお話をしたりだとか、そういうこともしたいんだろうと、そういうことも思ってるんだと思います。それから例えばピアカウンセリングであるだとか、そういうところに関していうと、もっとお金がでていないんだけど、本来であれば自分たちはそういうところにもっと力を注ぎたいんだけれども、どうも介護派遣の仕事が忙しくて、なかなかそっちに十分なパワーを使えないというぼやきというか、そういうことは私も聞くことがあります。
 ただこれも考えよう、というところがあって、そういった事業の方で資金的な余裕がでると人も雇える。そういった中で、余裕のある部分を他の活動に回すということもできなくはないわけで、かつてのようにきちきちでお金もない、人もいないという中でやるよりは余裕がでるということはあり得ますし、実際そういうふうにうまくお金を使っている、そういった組織もあると私は思います。

質問者 韓国は運動に対してこうやって、ストライキをやることが運動だと思う人が多いんですよね。だから最近、日本ではこういう行動?の運動はしないんだけど、どうやってやってるか?後、裁判を起こす時にだいたい何年くらいの間にその結果がでるんですか?

立岩氏 デスクワークというか、そういう仕事が多くなって直接的に町や通りにでて訴えるとかそういった行動がなかなか少なくなっているということは、運動やってる当人たちが一番感じていることで、どういう形で外へでていって、訴えるのかということが課題だというふうに本人たちは感じてはいると思います。これから政治が、日本の政治は私が思うにあんまり強い政治ではなかったとは思うんですが、これがこの後更に悪くなる可能性も僕はあると思っていて、その中では対社会的な対政治的?な直接的な行動というものもまた盛りあげていかなければいけないんじゃないかと。そういう盛りあげていかざるを得ないような場面がでてくるんじゃないかと思います。
 裁判はいろんなタイプの裁判があって、普通の民事裁判といわれているものであれば、一年かからずに終わることが多いですが、それが例えば憲法判断、日本は参審制で…

質問者 介助サービスの裁判

立岩氏 介助裁判でも、それが憲法に反しているか反していないかと最高裁判所までいくんであれば、何年もかかるということになります。

質問者 相模原事件について私が書いたように、先生もそうだし、みんなどう思っているのか。その後に政策とか国民たちに政策に対する動きとか、特に知的障害者に対する。

立岩氏 去年の7月26日に相模原で事件が起こりました。それから一年以上経つわけですけれど、今でも障害者に関係するような組織であったりは、それを大会の一つのテーマにしたり分科会の一つのテーマにしたりしてこの事件に関わることを議論しています。例えば、去年の12月はJILが集会でそれを取りあげましたし、今年の6月ではDPI日本会議が取りあげた。私は両方出ましたけれども、そういった中で、結構みんな、真剣に、深刻に重たい気持ちでこのテーマを話し合っていたことを思い出します。マスメディアは大概、日本だけではないかもしれませんけれども、日本のマスメディアは事件の時はわーっと騒ぐけれどもすぐに忘れるというのが、一般的にはそうですが、中ではNHKという公共放送がわりあい長く、亡くなった人であるとか亡くなった人の関係者だとか、そういったところに地道に取材している。新聞では神奈川の新聞で似たようにその後というか、亡くなったり怪我された人の周辺を地道に取材しているということはまだ続けているようです。
 社会全般はどうかというと、多くの人は確かにもう忘れているんでしょう。ただですね、特にこういう事件に便乗して、ヘイトスピーチですね。障害者に障害に関わるヘイトスピーチをツイッターであるとか、そういったところでやるというのは日本に限らないのかもしれない。そういう無責任な匿名という空間の中で無責任なことを言う輩というのは、いつもいるというか、いるにはいます。それは事実。ヘイトスピーチとは憎しみを言う。

質問者 そういう人による事件だということ?

立岩氏 そういう便乗ってそういう事件が起こると、それに賛成するみたいなことをツイッターで書いたりする人もいました。ただ僕はそんなに絶望的にはなっていない。痛ましい事件であり、そういったことは許されないことだと多くの人が考えたことだと思います。
 政策の方はどうかといえば、社会福祉政策という目で見ると、事件の前から後にかけてそう大きな変化があったとか私は思いません。一つ変化というか、これを口実にしたとも言えると思いますけれども、そういったことが一つありました。それはこの事件が精神障害者が起こした事件だということにして、精神障害者は犯罪を起こすかもしれない、精神障害者を取り締まるというか、そういった方向に施策をもっていこうとする勢力があり、それが法律の改正をしようとした。そういうことに繋がってしまった、ということはあります。
 日本で精神保健福祉法という法律がありますけれども、それを改正しようとする動きになりました。福祉とか保健という支援の名の下に、その中に警察の協力も盛るという文言が書かれたりする。そういう方向の改正案でした。犯罪を犯すかもしれない障害者に対して、支援という名の下に警察の力も警察とも協力するといったようなことが書いてある。この法案に関しては精神障害者の団体だけではなくて、障害者運動の団体も反対しました。その結果ではありませんけれども国会が解散なってしまったので、この法案は今のところ成立はしていません。

質問者 知的障害者は施設の中にいると危ないから、その人たちを??させるという動きはないんですか?

立岩氏 相模原の施設のことに絞って、どうなったかということを少しお話しします。あの施設は東京の隣にある、神奈川県という県の、でも神奈川県には横浜という結構大きな都市がありますが、そこからだいぶ離れた山の方にある施設です。
 あの事件が起こった後、その保護者の会、親の会ですね、施設をいっぺんなくして、同じ規模の同じものを再建してくれと、そういう要望を出して一時期、神奈川県知事はそれを受け入れたわけです。それに対して、大きな規模の施設を、お金をかけて同じものをまた建て直すことはおかしいと周りの地域の全国の障害者の人たちが言ったわけです。そういうわけで非常に傷ついた度合いが非常に高いから、早くやらないといけないということで、当初は施設の建て直しというところになりそうになったわけです。ただそれがそういったいろんな異論が出てきたことによって、少しそれがいったん、立ち止まるというかストップすることになったのです。特に知的障害の本人たちの会というのは、自分たちは施設にいたくないということを言いましたし、たくさんあそこに同じところにいたから、いっぺんにたくさん殺されてしまったんだと。一人一人地域に分散すればそんなことにはならなかったんだということも言われました。大きな施設を同じ場所に同じ規模で再建するのではなくて、神奈川県の中にグループホームですね、それを分散させるような形で同じ定員であれば形態を変えていくのが望ましいという意見も出ていました。そんなわけですぐに建て替えるといった案はいったんなくなって、おそらく少し分散したらいいとかグループホームを作ったほうがいいとかいうそういう方向に神奈川県の施策は少し変わりそうな気がします。
 少し、私の考えを足しておくとですね、ちょっとそれがマスメディアとかにも、いったことがあるんですけど、大規模な施設の代わりに小規模なグループホームならいいのかといったら、いいことも多いだろうけれどもいいことばかりではないということは押さえておいたほうがいいよとはいったことがあります。グループホームで支援するというか、コーディネートする人は大概一人ですね。その人がいい人だったらいいけれども乱暴な人であったりしても、一人しかいなかったら歯止めが効かないという可能性もありますよね。大きな施設の場合は職員がたくさんいますから、ただ今回の相模原の施設の場合はそういう相互批判というか、職員が職員に対してちゃんと、いうことをいうという機能を果たせなかったんだけれども、でも可能性としては内部でスタッフの中で自分たちのやっていることを、反省したりする可能性もあるわけですよね。それが小さくなったら、それが少なくなる可能性もあるんです。
 この事件を契機に脱施設という方に、大きく世論であったり社会が変わっているという感じには私はいたしません。ただこの9月にある集会で僕は、今の家族会の前の会長さん、建て直せとすぐにいったほうの会長さんの前に辞めた、会長さんの話を聞く機会がありました。そのかたのお子さんも非常に深い傷を負われて、命は助かったんですけれども、ひどい怪我をされたそうです。彼はすごい悲しかったし、最初はメディアもずいぶん騒ぎましたから、「ほっといてくれ、静かにしてくれ」という気持ちはあったそうです。でも病気を機会にというか契機に子供と話しあう機会が増えたり、あるいは事件のことについて知的障害の本人も含めていろいろな意見がでる中で、彼自身の考えが少し変わってきたということを、こないだ言ってました。何十年も同じ施設にいて、それが当然というか、そのままこの子は一生を終えるんだと思ったけれども、話していくなかで、あるいは他の人たちの意見を聞くなかで、この自分の子供も施設を出て地域で暮らすことができるんじゃないか。それが望ましいんではないか。それが可能なんじゃないのかというふうに考えが変わってきたと、こないだおっしゃっていました。そういうかたもいらっしゃいます。相模原について起こったことは、こんなことになるんでしょうが、もちろんこれは思想的には例えば優生思想をどう捉えるかというようなテーマでもあって、そういうこともあるので今年の1月初めに私は共著ですけれども相模原の事件ついて本をだしております。思想的なことというか、あるいは歴史的なことに関してそれに書いたんですけれども。事件が起こった後、社会に現れた出来事というのは今皆さんにお話ししたようなことかなと思います。

質問者 話を聞いていて、二つ考えたんですけど、一つは最近、韓国は入所施設は30人以上はできないんです。みんな希望は減ったんです。今回日本は60人、大きな施設がまだあるんだなということと、もう一つは、親たちは新しい施設を作ろうとしてるんだなと思い、びっくりしたことでした。

立岩氏 大規模施設をどのくらいのサイズだと考えるかっていうのは、いろいろあってですね、例えば19世紀の終わりから20世紀にかけて、ヨーロッパであるだとか北米で作られた施設って本当に大きいんですよ。何千人とかですね。精神病院もそうですけれども、精神病院であったり知的障害者のコロニーと言われているものであったりというのは千人規模や万に達するようなものも建った。今は、日本はそれに比べると日本の施設はだいたい百とか二百とかそういうところから、始まりはそうです。それがそんなに変わってない。百、二百の定員というのが。ちっちゃいものを作ろうという動きはあるけれども、全体を定員を一律に減らすとか、そういう動きは僕は聞いてないです。

質問者 最後の質問になりますけれども、韓国では5年以内に130名の知的障害者を??するようなすることになっている。それは市と約束した。130人の中で半分が知的障害者なんですね。知的障害者の自立に関する生活に関する支援と施策を、日本の例、知的障害者が自立しているそういう事例、支援するいい事例があれば話してください。これから韓国の参考になる話。

立岩氏 一つは政策的にも先ほど障害者の制度の中の介護の関係の居宅介護の三種類あると言いましたけれども、そこの三つ目というのは精神障害の方、知的障害の人のためということになって、その政府の側からいって、知的障害の人が地域に暮らすための社会サービスの充実ってことは今回いってきました。まず一つはあります。一応そうやって例えば介護サービスを使う知的障害、精神障害の人は確実に増えています。そんなに時間数をたくさん使うことはないですけれども、利用は増えています。それからどこでもというわけではないんですけれども、例えば私の大学の時の学生が今関東の方で東京の方ですね、主には知的障害の人たちの支援をする事業所というかNPOをやってます。彼らは特にそうですね、同行という外出をするんだけれども、一人だといろいろなことが起こってしまう。だからそういうところで同行につきあうというサービスも事業所として、制度も使って提供していることをやっています。時々彼らから経験を聞いたりすることもあります。腕にアザができたり、傷ができているのを見て、こないだ利用者に傷をつけられてしまったとか、引っかかれたとかそういうことを聞いたりもします。それから私の知人で大学の教員でその息子さんが結構重い、人にぶつかってしまったりするそういう障害をもっている人ですけれども、彼もそういうなかで一人でいて、パーソナルアシストをつけて暮らすということをやっている。その人たちが一緒に議論をしたり、もう二冊そういう本がでてますけれども?日本でそういう人たちについての支援についての本がここ数年で2冊でています。
 今言ったのは主に知的障害の人を利用者として、サービスの提供をするという組織ですけれども、そういう組織もあります。他方で三障害というか、いろんな障害に対する提供する一部分に知的障害の人がいるという組織もあります。僕のいる京都では日本自立生活センターという古くから京都にある、自立生活センターがありますけれども、たまにですけれども、こないだ京都の街の中を歩いていたら、そこのスタッフがその利用者である知的障害の人と一緒に散歩をしているのに出会ったこともあります。家族と一緒に住んでいる人もいるし、そんなに数がたくさんいるとは思えないですけれども、一人で住むっていう人たちもでてきてます。重度訪問は使えます。知的、精神と使えます。私のとこにもしばらく統合失調症の人間が下宿していたんですけど、彼なんかも週に一回くらいは主に家事援助ですけれども精神障害者として家事援助のサービスを使っています。あと、うまくいってるのかどうか僕もよくわかりませんけれども、この頃精神障害の人のグループホームというのも、ちょっと増えてるようです。

質問者 知的障害者が例えば重度訪問介護も使えるようになって、身体介助と行動援護の二つとも使えます?

立岩氏 両方使えるかということですか?実態は私もちゃんと把握しておりませんけれども使えるはずです。例えば両方の障害をもっていることはあり得るわけで、身体が動かないので、その部分を補うためのサービスもいるし、知的な障害があるためという。

質問者 例えば重度訪問を使えるときは家事援助、知的障害者が介助するときには行動援護とか?

立岩氏 それはありうると思います。ちょっと実態のところは今度帰って確かめてみます。

質問者 行動援護は時間が少ないんですか?重度訪問はちょっと大きく、制限もないから、例えば重度訪問が多いと重度訪問は介助もできるんですね?

立岩氏 居宅介護重度訪問という主に体の関係の介護と、その行動援護の認定の調査項目が違うわけです。さっき言ったマークシートみたいな。項目がそれぞれ違っていて、こっちで何点以上だったら居宅介護重度訪問の対象になる。また別の種類のマークシートで何点以上だったら行動援護の対象になると、そういう仕組みだから両方で点をとれれば両方のサービスを得られるということになります。

質問者 障害者全国差別連帯光州支部?のことなんですが、連帯?で施設をなくす法律を作りましょうという動きがあるんですよ。それを社会に広めようとしているんですけれども日本ではどうですか?彼女は親が連帯?にいた。だから過激な親がメンバー。施設はいらないということなんですが。施設はなんでなくせることができないんですか?

立岩氏 施設をなくすること、減らすことに関していうと、正直いろんな人たちのなかで温度差というか程度の違い、大きくいって増やせとか、今のままでいいというふうに言ってる人は、それはあまりいないです。小さくしたほうがいいとか、少なくしたほうがいいことに関してそれに反対する人はあまりいない。ただ施設をなくせとはっきり言ってるのは、こないだの相模原事件の後の集会なんかでも、ヒップファースト系というか、本人たちは割とはっきり言います。
 それから昨年JILの総会だったかな、集会に私もでましたけれども、そこのこの事件をきっかけに脱施設を強力に進めていかなくてはいけないんだと言ってます。ただ、一番態度が苦しいというか、積極的なことが言えないのは日本では親の会だと思いますね。やっぱり自分の子供であったり家族を施設にお世話になっていると自分では介助したりできなくて、それで施設に預けてなんとかなっているということがあるので、なくせというふうにそっちの方向には言えないよとそういうのがあって。相模原事件の後の集会でも、その施設について意見の差がはっきりするという場面が結構あったそうです。

質問者 一つはサービスの時間が足りなくて例えば夜間とかに一人に、その人に対する支援だとかありますか?もう一つは身体障害者じゃなくてコミュニケーションがうまくいかないとか、そういう知的障害者とか精神障害者に対する基本的な介助じゃなくて、意思決定というか介助のためにサービスがありますか?

立岩氏 介助に関わる制度は二種類あると言いましたけれども、それは、二種類しかないということでもあって、そのいずれでもないっていうのは、おそらく社会福祉の制度のなかにはないです。

質問者 例えば韓国だったら巡回サービスという障害者の家を夜に回りながらやったりだとか、障害者団体だったら余ったお金でそういうのが?

立岩氏 そういう制度外、まず一つは医療があります。訪問看護とかそういうのはあります。訪問医療系のサービスは若干あります。それからそんなに多くないですか、制度じゃない、政府からお金はこないけれども自分たちが自発的にやむを得ずというか、やってるという事例はもちろんあると思います。でもそれは制度ということではなくて、思い出してたんですけれども、10年以上前に僕、東京の立川という事業所さん?で働いてたんですが、運営委員というか理事のようなものをやっていたんですが、そのときに夜間に割と近所に住んでいる人たちになんか連絡があったらすぐ人が行けるような、そんなシステムを自分たちで作ろうかと、そういう議論をしたことがあって。そんなに大きくなったり、しっかりしたシステムまで発展はしなかったなということを思いだしました。ただ結構大切なことだと思っていて、ずっと人がいなくていいんだけど、でもなんかあるときにはいるよねという。救急とか救急車とかそういうんじゃなくて、いるってことは確かにあると思ってます。それは確かに面白いというか課題だと思います。

質問者 食事介助とかそういうのでなくて意思決定するサービス?

立岩氏 知的障害の人のホームヘルプというのは、実際には他のこととは分けられなくて、意思決定支援みたいなほうが、実際には当然入ってきています。そういうところで支援がなされているのは事実です。ただ広域の政策とかメニュー?を見る限りには、それに関するはっきりした文言はないが、ただ居宅介護の方に助言その他の生活全般にかかる援助という言葉は見つかりますね。そういう感じです。
 
質問者 6000機関があるということなんですが、人たちが、私たちが、これしますと申告すればそれが提供機関になれます?

立岩氏 申告だけでは足りなくて、一定の条件があります。僕も一つNPOをやってて、いっぺん僕らもやろうとして、まだ実現していないのが一つは場所のことです。例えば小さなとこだと、自分の家を事務所にするってかたが結構あるんです。でも役所からは自分の家のための玄関と、事務所としての玄関を別に作ってないと困ると言われたりします。それと相談するスペースがあるだとか、そういうスペース的なことで、条件をつけられることはまず一つです。もう一つは人のことで賛否は賛成、反対別で、僕はあんまり賛成ではないんですが、一定の資格をもっている人であるとか、実務経験をもっている人というのが一つの事業所につき、常勤の人が二人、パートタイムの人が半分とか2.5とかそれくらい必要だとか、そういった条件がつきます。

質問者 韓国ではタイムカードをやるんですよ。実際には自分がやったら入る時間にカードやって終わる時間にカードやる。システム的には一日8時間、働かなければいけないんだけれども、たまには実際には4時間して次の4時間は二人で話し合って利用者の4時間お金をもって、そういう法律に反することをやってる人が多くて、国がそれを捕まえようとする姿勢を今、やってるんですけど日本は今どうですか?

立岩氏 その辺の実際の規制は、どこまで厳しいかというのは、僕は把握していないんですが、設立するときに書類をだすときにこの人はどういう人で、これは仕事に専念する人です、といった書類をだすということになると思います。あとは、そういう人の問題で事業所が問題にされたということは、僕はあまり聞いたことがない。新聞とかマスコミに出てくるのは不正経理というか、お金の使い方を間違っている。溜め込んでしまったりとか、そういうのはときどきマスメディアにとりあげられて批判される。あるいは行政のほうから営業停止というか、事業停止みたいなそういう処置がとられます。そんなに今、締めつけが厳しくなってるっていうことはないんじゃないかと思います。

立岩氏 今日はどうも遅れてすみません。どうもありがとうございました。僕らのところにきた??さんは最初の大学院生なんだけど今、ちょっとそういう人がいなくて、韓国語ができる人が周りにいないので、韓国語のホームページの更新を怠っているんですけれども、漢字か英語で検索することができれば、あるいはそういうものが少しでも読めるのであれば、あるいは韓国語のページもなくはないので、ホームページを見ていただいたりするといいです。今日ちゃんと調べてこれなかったこととかも質問があればお答えしますので??さんに韓国語にしてもらいますから、どうぞよろしくお願いします。今日のために昨日、名刺をいっぱい印刷してもってきたので、名刺を差しあげることもできます。どうも今日はありがとうございました。


<拍手>



韓国光州講演
立岩教授

司会 発達障害、知的障害の方とか介助サービス員について自由に質問して自由に答えるような感じで今日は進めたいと思います。立岩氏の挨拶です。

立岩氏 みなさんはじめまして。京都からまいりました立岩と申します。

<拍手>

立岩氏 京都や大阪は今日、雨で台風がくるそうですが、韓国はとっても天気が良くてあったかいですね。話すことはたくさんあるんですけれども、今日はあらかじめ??さんから質問の項目を送ってもらったので、その中からいくつかについて答えるだけにして、短く話をしてあとはいろいろみなさんとディスカッションができればと思います・

司会 質問して答える形にしていいですか?

立岩氏 はいそうですね。最初にちょっとだけ話します。
 最初に短く説明するのは日本の介助の制度についてです。どこの国でもそうですけど、政府が作る制度というのは、とってもややこしいんです。私も今日、飛行機や電車の中で久しぶりに勉強しながら、ここにきました。本当に言葉で喋るのは難しいんですけれども頑張ってみます。
 日本には介助に関わる制度は、大きく言えば二つあります。一つは公的介護保険の制度です。これは   2000年に始まりました。基本的には65歳以上の高齢者を対象とする制度です。ただし、いくつかの障害については、65歳未満でも介護保険の対象になります。
 もう一つが障害者のための公的介護保険も高齢者のための制度なんですが、それ以外に障害者のための総合福祉法という法律があります。そこの中で在宅介護、居宅の介護についての規定があります。これからはややこしいですよ。その中さえ三つに分かれています。一つは居宅介護というものです。もう一つは重度訪問介護というもの。もう一つは行動援護といいます。
 あまり細かいことは気にしなくていいです。二つ目が主に一日で長時間介護する人のための制度だということ。それから三つ目の制度というのが特に行動障害というんですよね。いろいろ動いて支援するのが難しい人のための例えば外出につき添ったり、そういう知的な障害、精神障害がある人のための制度だということは押さえておいてください。
 ぼくは特にもとは障害とか障害福祉を専門にする学者ではありません。社会学をやってます。ただその中で身体の特に重い身体障害をもっている人たちとのつき合いがあって、そういった人たちの運動、政策に関わってきたのは事実です。その人たちのための制度が、さっき言った二つ目の重度訪問という二つ目の二つ目ですね。二つ目の中の二つのうちが三つあって、そのうちの二つ目ってややこしいですね。重度訪問という制度です。だいたいのイメージで言いますと、これはですね判定があります。みなさんの質問にありましたけれども、この人がどれだけ、どういうランクに位置するのかということについては、基本的には日常生活動作ですね。ADLといわれたりしますけれども。それをチェックするマークシートがあって、それをチェックしていって合計点数がでるという、そういうシートに基づいた第一次的な判定がなされます。それにさらに医師の意見なんかが加わって、市町村の審議会で判定がなされます。ですから重度訪問という制度は障害をもつ中でも、比較的重い障害をもつというふうに認定された人のための制度です。
 その制度を使っている人が日本ではだいたい一万人います。なんとなく規模がわかると思いますけれども、その中にもいろいろいるんですけど、一番ランクの重いたくさんサービスが必要な6というランクの人の場合ですと、だいたいですね月に30万円くらいのお金が、そのサービスのために公的に支出されると考えてください。1ヶ月です。これは時給1500円とすると、月だいたい200時間くらいに換算されます。ですから1日にならすと1日7時間ということです。この辺からもっとややこしくなるんですが、ただこれは平均的な値であり、また日本の国家、厚生労働省が国のお金を支出する目安の基準というくらいのものです。月に30というのは。国は半分のお金をだすんですけど、だいたい30くらいが基準だよというのが、一番重い人に対してですね。

司会 ということは、30万円は国がだすということですか?

立岩氏 30万円の半分を国がだすということです。これは例えば月に200時間、月に30万円しかお金をだしませんと決まってはいないんです。国というか実施するのは市町村なんですが、市町村はこれしかやらないよという決まりではない。これは日本の一つ目の制度、公的介護保険とは違うところです。日本の公的介護保険の場合は、やはり同じように判定がありますけれども、判定に応じたサービスの量というのは厳密に定められています。介護保険の一番重い判定の場合は、せいぜい1日2時間くらいがマックスです。それを全部居宅の介護に使うならば。これ以上は全くでません。しかし二つ目のさっきから説明している障害者の制度の場合は、上限というのは決まってはいないわけです。ここのあたりからが行政当局と、それから障害者たち障害者団体との攻防というか闘いというか、交渉の場になっていくわけです。
 20時間介護が必要な人ってそう多くありません。そう多くありませんけれども、いるにはいます。そういう人たちは24かける30ですから、だいたい700時間くらいの介助が必要なんですね。例えばぼくは日本の京都という町に住んでいます。2002年に京都に移ってきたんですが、その3年後2005年に京都市との交渉に参加することがありました。皆さんはALSという難病を重い障害をご存知でしょうか?韓国ではルー・ゲリック病といったりするんですかね。そのときに京都で単身でALSになった男性がいて、その人の介護を最初はボランティアも含めてやってたんですけれども、とてもそれでは生きていけないということになり、京都市と交渉することになりました。全部で十人以上いたと思います。ぼくもその後ろについて行った記憶があります。京都市の障害福祉の課長さんたちと交渉しました。先頭にいたのは本人で、彼が、全く体が動かない。生きていくためには、例えば夜間であれば痰の吸引であるとか、そういったことが必要で24時間の介護が必要だということは誰の目にも明らかでした。結果として彼は1日24時間の制度を獲得することができました。京都は大きい町ですけれども、その中の一人という特別のものではありました。しかし二人目に、やはりその人も私たちは関わりがあったんですが、同じ病気でシングルで男性で介護がいるという人についていえば、全く状態は同じなわけですから、京都市はその人たちの支給を認めざるを得ません。例えば京都ではそういうふうにして、少しずつ重度訪問の上限の時間というのが1日24時間までになり、そしてそれが痰の対象者が少しずつ増えていくということがあったんです。
 実際には広げていくのはなかなか大変なわけです。ですけれども、そのために今の話は障害者たち、それから支援者たちが直接行政と交渉するというスタイルの運動でした。ここ10年くらい増えているのが、司法の利用と言いますか、裁判とか法律家、弁護士とか。京都府の隣、和歌山県という県があります。そこのやはりALSの男性が裁判に訴えて、そして裁判所は和歌山市に対してなぜか24時間じゃなく23時間だったんですが、23時間の介護を支給するようにと判決を下したことがあります。数年前のことです。ただ裁判にまでもっていくのはなかなか大変です。ただ地方では弁護士の協力を受けているということがこの頃多いです。
 韓国ではどうかわかりませんけれども、日本でも東京や大阪には弁護士がたくさんいて、弁護士くらいじゃみんなビビりませんというか、ビビるってなんて言ったらいいかな?怖がったりしません。東京とか大阪の行政の人とかがね。でも地方の方に行くと今でも弁護士は、それなりの力がある。それでですね、今年ですけれども、これもぼくたちが少し関わった筋ジストロフィー、皆さんご存知だと思いますけれども、筋ジストロフィーの人が40年ずっと病院にいて、ようやくでてきて自立することになったわけです。その人は石川県の金沢市という市に住んでいる人です。とても美しい町ですけれども、総じて日本でも日本海のほうに面している地方は、あまりそういう制度が進んだところではありません。そういう制度が広がらないことについてもいろんな要因がありますけれども、一つは公的介護保険などに比べて、専門家もそれから一般の市民もこの制度のことを、よく知らないということが一つあります。重度訪問など。それから1時間あたりの事業所に入るお金が介護保険に比べて少ないので、それをやろうとする事業所がそれほどたくさんはない、ということです。それからこの制度が知られてですね、特に時間の制限がない制度ですから、どんどんそれを使われていくと、お金をだすのが大変だと地方政府は思っているのかもしれません。というわけで、急には広がらないですけれども、それでもだんだん増えていることは事実です。
 それでさっきの話に戻しますと、金沢の筋ジストロフィーの40代の男性は金沢市で事実上、重度訪問という制度を使う非常に先駆的な例になりました。そのときにもすでにそういう制度のことをよく知っている、障害者団体の人が、知識を提供したりといったことがありましたし、そのほかに先ほど挙げた金沢市に在住している弁護士なども市との交渉に入ってくれて、それで制度を勝ちとることができたわけです。だいたいここまでにしときます。いくら話しても終わらない話ですのでいったんここまでにしときます。
 今日は入ってきたらすぐ、今年の話だけしました。今の話だけ、しましたけれども実際には長い長い歴史があるわけです。日本では今の制度につながる運動は1970年代の前半には始まっていますから、もうかれこれ40年以上が経ってるわけです。あと3分で終わります。その昔話、1970年代からどういうふうに運動が展開されてきたのかということについては、私はもう27年前になってしまいますが『生の技法』という本を出しました。2012年に第3版が出ています。その95年に第2版が出ているのですが、こちらの??さんは韓国語に訳してくれました。その本は今は紙の本としては入手できないと思うんですけど、一昨日??さんにデータが残ってないかというふうに聞いたんです。どうやらあったようです。ただぼくはそれを開けておりません。たぶん韓国のソフトでしか開けない、マイクロソフトのワードとかではないファイルだったと思います。ですので本当に入っているかどうか、ぼくは自信がないです。そのファイルをディスクに入れてきました。本当に入っているかどうかわからないんですが、昨日、一日中ぼくはこのディスクを家でずっとコピーしてました。このディスクの表紙は、ぼくの『私的所有論』という一人で書いた最初の本なんですけど。今から20年前ですが。この本の英語版の電子書籍です。これも一緒に入ってます。大丈夫です。というわけで、お土産にもってまいりましたので、欲しい方には差しあげようと思っています。量はないかもしれないな。という話を最後にしていったん終わらせていただきます。とにかくお断りしますけれども、ぼくは制度の細かいことは残念ながらよくは知りません。ですので嘘を言うかもしれませんし、知らないことは知らないと言いますので、その点はご承知ください。ただ日本に帰ってぼくより詳しい人に確認して、今日、ぼくがちゃんと答えられないことは??さんを通して、必ずみなさんにお知らせするようにしますので、以後は質問に答えるということにさせていただきたいと思います。
 ちょうど30分経ったと思います。これで私の話をいったん終わります。

<質疑応答>

質問者 韓国では特にここは2014年に24時間初めてなんですよね。それは今の市長が当選したくてそれを公約して、約束守ってということがありました。他の地域はいくつかの地域では24時間やってます。ここでは??20人に対して24時間を支援した。それは自分が自分の期間を終わるまで18年で終わるんですけど、18年までは20人に対して24時間を支援するというところで今、約束を守ってるんですけれども、京都市は今、何人くらいが24時間を使っていて、後はその基準はなんですか?

立岩氏 京都市で実際にどれだけの人がいるかということは、聞けばわかるかもしれませんが、ちゃんと把握しているところはないかもしれません。少し調べてみます。基準というのはですね、ちょっと複雑なんですよね。ちゃんとその一番上の一番重いと判定されるための基準はあって、それには該当するんですけれども、その一番重いというランクに該当しても普通は1日7時間分とかそれくらいしか出ないわけです。そうすると、それでは足りないんだと、24時間いるんだという場合というのは、市と直接に交渉するということになるんで、そういう意味ではその上乗せ分に関しては基準があるというわけではない。
 市長さんが選挙の時に、24時間介護の制度を公約したということを聞いて、それはとてもびっくりしました。なぜそのようなことが起こったのかということは今日、日本に帰る前に必ず誰かに詳しく聞いて、ちゃんと調査して家に帰ろうと思います。日本では明後日、23日に国会議員の選挙がおこなわれます。その選挙はつまらないことについて選挙がおこなわれていて、光州市のように介護の問題とかそういうのを前面に打ちだして選挙がおこなわれたらもっとよかったのにと、ぼくは昨日投票を終えてきたんですが思っているところです。

質問者 毎年20人ではなくて、18年までには20人がという。それまでには。少し前に市長の前に言って交渉して18年、来年は10人を支援することになりました。

質問者 裁判で勝つということはどんな裁判を起こすのですか?行政訴訟?

立岩 そうですね。行政を訴えるんです。

質問者 裁判を起こす時には、法律的な根拠をもつて起こすじゃないですか。勝つときも根拠があって勝つはずなんですけれども、そういう根拠や法律とか既にあるんですか?

立岩氏 日本の憲法で生存権を保証する条文が日本国憲法にありますけれども、それを盾にしていうか、根拠にして争われた裁判はありますし、それで勝訴した裁判もあります。

質問者 県に対する裁判ですよね?裁判を起こして地方では地方自治体の人たちは裁判を起こす時に、対象は国になるんですか?

立岩氏 今日ぼくは大部分説明した総合支援法の在宅の福祉、在宅のサービスの実施主体は基本的には市町村なんです。ですので、具体的に訴える相手は市町村ということになります。通常は。

質問者 市町村はこれに反論するんだけど、国が反対したらどうなるのですか?

立岩氏 国っていうのも一言でいえないですが、例えば国の厚生労働省という社会福祉を担当する省庁はこの制度に対して、少なくとも担当の部署はそんなに抑制的ではない。むしろこの制度はもっと使ってもいいという態度ではあります。ですからこれは過去にもそういうことがありましたけど、市町村に対してもっとこの制度を使うようにと、実施するようにと指導といいますか、勧告といいますか、そういったものを出した事例はあります。
 ちなみに財政負担は国が50パーセント、都道府県が25パーセント、市町村が25パーセントだと思います。ですから市町村はよくうちは小さな町なので、小さな市町村なので財政的にそんな負担できないということを言うんですけれども、実際にはかかるお金の4分の1しか払う必要はないので、実際にはさほどの負担ではないはずだと私は、私たちは思ってます。

質問者 障害者が法律を使って65歳になって介護保険を使ったら、そのとき時間が減るんじゃないですか?それに対して障害者団体や本人たちのオッケーとかありましたか?今、法律はどういうふうになってますか?

立岩氏 さっき二つあるといいました。基本65歳以上の介護保険と、そうじゃない障害者の制度。65歳になったときに公的介護保険の対象になります。介護保険の対象になるということは、それが一つ目とすれば二つ目の制度が使えないということではないんです。これ、みなさん誤解しないでください。問題はですね、介護保険の制度の方が使いにくいし、時間も少ないし、収入が多いと自己負担が結構するということで、本当はあまり使いたくない制度を先に使って、それでもたりなかったら、もう一つの障害者の制度を使ってくださいと、そういうふうに言われるんですよ。そこが厄介なところです。国がですね、常に介護保険を最初に使えというとは限らないと、絶対的なルールがないという通達も出してはいます。ただ実際には、地方の地域の現場では介護保険優先というふうになっています。
 さっき京都で二番目にALSの人で重度訪問の制度を使った人という話をしましたけど、その人に僕らが関わった時の経験したことなんですが、24時間のスケジュールの中に介護保険のサービスを、1日24時間の中でたった2時間だけ毎日入れていくみたいな、そういう非常に複雑などうでもいいような調整をしなくちゃいけなくて、その調整のコストが、かかってめんどくさかった、煩わしかったというのを記憶しています。

質問者 ILセンターで介助サービスを提供するじゃないですか。日本でもILセンターは介助サービスを提供しているか?以前は介助サービスを提供する前は、障害者当事者の人たちがセンターに自由に遊びに行ったりしてたんですよ。韓国の場合は。ここでは一部の障害者の不満なんですけど、今はなんとか介助サービスを提供するということになって、それが力になっている。ILセンターの力になったら、前は当事者が自由にそこに遊びに行ったりしてたんだけど、今はそこに行くと所長さんがえらい感じなってて、行きにくい感じになっている。そういう感じる人達がいるみたいなんですけど、日本はどうか?良い点もある?

立岩氏 ILセンターとそれから介助派遣というか、その仕事との関係だったと思います。まずその一つ、僕はあらかじめ??さんからもらってた紙の中にILセンターというのは、どの程度介護派遣に関わっているのかという質問がありましたので、ここからお答えします。日本でJIL(全国自立生活センター協議会)っていう自立生活センターの協議団体に加入しているのは、まだ200団体いってないんじゃないかなと思います。仮に200としましょう。もう数?でね。今日は調べてきたところだと、さっきの重度訪問というサービスを提供している事業所の数が、日本では6000あるんだそうです。その事業所には大きな全国的な株式会社のような巨大な企業もあれば、数人でやってる大きな自立センターとかから比べたらずっと小さいような事業所もあります。ですので、障害者たちがみんな自立生活センターの介護派遣だけを受けているということは、実情とはかなり違います。ILセンターからの介護を受けている人もいるし、そうでない、そういうものは全く使わずに他の事業所から提供を受けている人もいるし、両方混ぜて使っている人もいる。利用者から見たら、まずはそういうことですね。僕はこれは、それ自体悪いことではないと思っていません。まずそれだけの力量というか、事業するだけのパワーというものを当事者組織が全部、必要を賄えるかといったら、現実的には無理だと思うんです。それから日本の自立生活センターの場合は基本的に同性介助原則ですけれども、そういう原則を気にしない、あるいは別のやり方の方がいいというふうに考えている人もいる。そうするとまた別の事業所を選ぶということになります。
 事業所というかILセンターのほうに移すと、確かに自立生活センターの多くは介護派遣事業を政府から受託するというか、その事業をおこなっています。それは一つには障害者にとって必要なサービスだからですが、一つはスタッフを有給で雇うときに数少ない収入が得られる、そんな事業であるというのは否定できない事実です。その結果としてそういった事業をおこなっていなかったときから比べると予算規模が二桁、100倍以上違ってきたりというような組織もあります。そのことによって組織そのものが介護派遣の事業が忙しくなる、スタッフが忙しくなる、所長さんも忙しくなる。それは事実です。「毎日、毎日忙しいな。書類書いたり、お金の計算ばっかりしてて、こんなことで毎日忙しいのは嫌だな。」ということを僕も聞くことがあります。

質問者 誰から聞くんですか?

立岩氏 センターで仕事しているスタッフや、だいたい当事者でもあるスタッフです。その人たちは時間的余裕をもって、先ほどおっしゃっていたように、センターにやってきてお話をしたりだとか、そういうこともしたいんだろうと、そういうことも思ってるんだと思います。それから例えばピアカウンセリングであるだとか、そういうところに関していうと、もっとお金がでていないんだけど、本来であれば自分たちはそういうところにもっと力を注ぎたいんだけれども、どうも介護派遣の仕事が忙しくて、なかなかそっちに十分なパワーを使えないというぼやきというか、そういうことは私も聞くことがあります。
 ただこれも考えよう、というところがあって、そういった事業の方で資金的な余裕がでると人も雇える。そういった中で、余裕のある部分を他の活動に回すということもできなくはないわけで、かつてのようにきちきちでお金もない、人もいないという中でやるよりは余裕がでるということはあり得ますし、実際そういうふうにうまくお金を使っている、そういった組織もあると私は思います。

質問者 韓国は運動に対してこうやって、ストライキをやることが運動だと思う人が多いんですよね。だから最近、日本ではこういう行動?の運動はしないんだけど、どうやってやってるか?後、裁判を起こす時にだいたい何年くらいの間にその結果がでるんですか?

立岩氏 デスクワークというか、そういう仕事が多くなって直接的に町や通りにでて訴えるとかそういった行動がなかなか少なくなっているということは、運動やってる当人たちが一番感じていることで、どういう形で外へでていって、訴えるのかということが課題だというふうに本人たちは感じてはいると思います。これから政治が、日本の政治は私が思うにあんまり強い政治ではなかったとは思うんですが、これがこの後更に悪くなる可能性も僕はあると思っていて、その中では対社会的な対政治的?な直接的な行動というものもまた盛りあげていかなければいけないんじゃないかと。そういう盛りあげていかざるを得ないような場面がでてくるんじゃないかと思います。
 裁判はいろんなタイプの裁判があって、普通の民事裁判といわれているものであれば、一年かからずに終わることが多いですが、それが例えば憲法判断、日本は参審制で…

質問者 介助サービスの裁判

立岩氏 介助裁判でも、それが憲法に反しているか反していないかと最高裁判所までいくんであれば、何年もかかるということになります。

質問者 相模原事件について私が書いたように、先生もそうだし、みんなどう思っているのか。その後に政策とか国民たちに政策に対する動きとか、特に知的障害者に対する。

立岩氏 去年の7月26日に相模原で事件が起こりました。それから一年以上経つわけですけれど、今でも障害者に関係するような組織であったりは、それを大会の一つのテーマにしたり分科会の一つのテーマにしたりしてこの事件に関わることを議論しています。例えば、去年の12月はJILが集会でそれを取りあげましたし、今年の6月ではDPI日本会議が取りあげた。私は両方出ましたけれども、そういった中で、結構みんな、真剣に、深刻に重たい気持ちでこのテーマを話し合っていたことを思い出します。マスメディアは大概、日本だけではないかもしれませんけれども、日本のマスメディアは事件の時はわーっと騒ぐけれどもすぐに忘れるというのが、一般的にはそうですが、中ではNHKという公共放送がわりあい長く、亡くなった人であるとか亡くなった人の関係者だとか、そういったところに地道に取材している。新聞では神奈川の新聞で似たようにその後というか、亡くなったり怪我された人の周辺を地道に取材しているということはまだ続けているようです。
 社会全般はどうかというと、多くの人は確かにもう忘れているんでしょう。ただですね、特にこういう事件に便乗して、ヘイトスピーチですね。障害者に障害に関わるヘイトスピーチをツイッターであるとか、そういったところでやるというのは日本に限らないのかもしれない。そういう無責任な匿名という空間の中で無責任なことを言う輩というのは、いつもいるというか、いるにはいます。それは事実。ヘイトスピーチとは憎しみを言う。

質問者 そういう人による事件だということ?

立岩氏 そういう便乗ってそういう事件が起こると、それに賛成するみたいなことをツイッターで書いたりする人もいました。ただ僕はそんなに絶望的にはなっていない。痛ましい事件であり、そういったことは許されないことだと多くの人が考えたことだと思います。
 政策の方はどうかといえば、社会福祉政策という目で見ると、事件の前から後にかけてそう大きな変化があったとか私は思いません。一つ変化というか、これを口実にしたとも言えると思いますけれども、そういったことが一つありました。それはこの事件が精神障害者が起こした事件だということにして、精神障害者は犯罪を起こすかもしれない、精神障害者を取り締まるというか、そういった方向に施策をもっていこうとする勢力があり、それが法律の改正をしようとした。そういうことに繋がってしまった、ということはあります。
 日本で精神保健福祉法という法律がありますけれども、それを改正しようとする動きになりました。福祉とか保健という支援の名の下に、その中に警察の協力も盛るという文言が書かれたりする。そういう方向の改正案でした。犯罪を犯すかもしれない障害者に対して、支援という名の下に警察の力も警察とも協力するといったようなことが書いてある。この法案に関しては精神障害者の団体だけではなくて、障害者運動の団体も反対しました。その結果ではありませんけれども国会が解散なってしまったので、この法案は今のところ成立はしていません。

質問者 知的障害者は施設の中にいると危ないから、その人たちを??させるという動きはないんですか?

立岩氏 相模原の施設のことに絞って、どうなったかということを少しお話しします。あの施設は東京の隣にある、神奈川県という県の、でも神奈川県には横浜という結構大きな都市がありますが、そこからだいぶ離れた山の方にある施設です。
 あの事件が起こった後、その保護者の会、親の会ですね、施設をいっぺんなくして、同じ規模の同じものを再建してくれと、そういう要望を出して一時期、神奈川県知事はそれを受け入れたわけです。それに対して、大きな規模の施設を、お金をかけて同じものをまた建て直すことはおかしいと周りの地域の全国の障害者の人たちが言ったわけです。そういうわけで非常に傷ついた度合いが非常に高いから、早くやらないといけないということで、当初は施設の建て直しというところになりそうになったわけです。ただそれがそういったいろんな異論が出てきたことによって、少しそれがいったん、立ち止まるというかストップすることになったのです。特に知的障害の本人たちの会というのは、自分たちは施設にいたくないということを言いましたし、たくさんあそこに同じところにいたから、いっぺんにたくさん殺されてしまったんだと。一人一人地域に分散すればそんなことにはならなかったんだということも言われました。大きな施設を同じ場所に同じ規模で再建するのではなくて、神奈川県の中にグループホームですね、それを分散させるような形で同じ定員であれば形態を変えていくのが望ましいという意見も出ていました。そんなわけですぐに建て替えるといった案はいったんなくなって、おそらく少し分散したらいいとかグループホームを作ったほうがいいとかいうそういう方向に神奈川県の施策は少し変わりそうな気がします。
 少し、私の考えを足しておくとですね、ちょっとそれがマスメディアとかにも、いったことがあるんですけど、大規模な施設の代わりに小規模なグループホームならいいのかといったら、いいことも多いだろうけれどもいいことばかりではないということは押さえておいたほうがいいよとはいったことがあります。グループホームで支援するというか、コーディネートする人は大概一人ですね。その人がいい人だったらいいけれども乱暴な人であったりしても、一人しかいなかったら歯止めが効かないという可能性もありますよね。大きな施設の場合は職員がたくさんいますから、ただ今回の相模原の施設の場合はそういう相互批判というか、職員が職員に対してちゃんと、いうことをいうという機能を果たせなかったんだけれども、でも可能性としては内部でスタッフの中で自分たちのやっていることを、反省したりする可能性もあるわけですよね。それが小さくなったら、それが少なくなる可能性もあるんです。
 この事件を契機に脱施設という方に、大きく世論であったり社会が変わっているという感じには私はいたしません。ただこの9月にある集会で僕は、今の家族会の前の会長さん、建て直せとすぐにいったほうの会長さんの前に辞めた、会長さんの話を聞く機会がありました。そのかたのお子さんも非常に深い傷を負われて、命は助かったんですけれども、ひどい怪我をされたそうです。彼はすごい悲しかったし、最初はメディアもずいぶん騒ぎましたから、「ほっといてくれ、静かにしてくれ」という気持ちはあったそうです。でも病気を機会にというか契機に子供と話しあう機会が増えたり、あるいは事件のことについて知的障害の本人も含めていろいろな意見がでる中で、彼自身の考えが少し変わってきたということを、こないだ言ってました。何十年も同じ施設にいて、それが当然というか、そのままこの子は一生を終えるんだと思ったけれども、話していくなかで、あるいは他の人たちの意見を聞くなかで、この自分の子供も施設を出て地域で暮らすことができるんじゃないか。それが望ましいんではないか。それが可能なんじゃないのかというふうに考えが変わってきたと、こないだおっしゃっていました。そういうかたもいらっしゃいます。相模原について起こったことは、こんなことになるんでしょうが、もちろんこれは思想的には例えば優生思想をどう捉えるかというようなテーマでもあって、そういうこともあるので今年の1月初めに私は共著ですけれども相模原の事件ついて本をだしております。思想的なことというか、あるいは歴史的なことに関してそれに書いたんですけれども。事件が起こった後、社会に現れた出来事というのは今皆さんにお話ししたようなことかなと思います。

質問者 話を聞いていて、二つ考えたんですけど、一つは最近、韓国は入所施設は30人以上はできないんです。みんな希望は減ったんです。今回日本は60人、大きな施設がまだあるんだなということと、もう一つは、親たちは新しい施設を作ろうとしてるんだなと思い、びっくりしたことでした。

立岩氏 大規模施設をどのくらいのサイズだと考えるかっていうのは、いろいろあってですね、例えば19世紀の終わりから20世紀にかけて、ヨーロッパであるだとか北米で作られた施設って本当に大きいんですよ。何千人とかですね。精神病院もそうですけれども、精神病院であったり知的障害者のコロニーと言われているものであったりというのは千人規模や万に達するようなものも建った。今は、日本はそれに比べると日本の施設はだいたい百とか二百とかそういうところから、始まりはそうです。それがそんなに変わってない。百、二百の定員というのが。ちっちゃいものを作ろうという動きはあるけれども、全体を定員を一律に減らすとか、そういう動きは僕は聞いてないです。

質問者 最後の質問になりますけれども、韓国では5年以内に130名の知的障害者を??するようなすることになっている。それは市と約束した。130人の中で半分が知的障害者なんですね。知的障害者の自立に関する生活に関する支援と施策を、日本の例、知的障害者が自立しているそういう事例、支援するいい事例があれば話してください。これから韓国の参考になる話。

立岩氏 一つは政策的にも先ほど障害者の制度の中の介護の関係の居宅介護の三種類あると言いましたけれども、そこの三つ目というのは精神障害の方、知的障害の人のためということになって、その政府の側からいって、知的障害の人が地域に暮らすための社会サービスの充実ってことは今回いってきました。まず一つはあります。一応そうやって例えば介護サービスを使う知的障害、精神障害の人は確実に増えています。そんなに時間数をたくさん使うことはないですけれども、利用は増えています。それからどこでもというわけではないんですけれども、例えば私の大学の時の学生が今関東の方で東京の方ですね、主には知的障害の人たちの支援をする事業所というかNPOをやってます。彼らは特にそうですね、同行という外出をするんだけれども、一人だといろいろなことが起こってしまう。だからそういうところで同行につきあうというサービスも事業所として、制度も使って提供していることをやっています。時々彼らから経験を聞いたりすることもあります。腕にアザができたり、傷ができているのを見て、こないだ利用者に傷をつけられてしまったとか、引っかかれたとかそういうことを聞いたりもします。それから私の知人で大学の教員でその息子さんが結構重い、人にぶつかってしまったりするそういう障害をもっている人ですけれども、彼もそういうなかで一人でいて、パーソナルアシストをつけて暮らすということをやっている。その人たちが一緒に議論をしたり、もう二冊そういう本がでてますけれども?日本でそういう人たちについての支援についての本がここ数年で2冊でています。
 今言ったのは主に知的障害の人を利用者として、サービスの提供をするという組織ですけれども、そういう組織もあります。他方で三障害というか、いろんな障害に対する提供する一部分に知的障害の人がいるという組織もあります。僕のいる京都では日本自立生活センターという古くから京都にある、自立生活センターがありますけれども、たまにですけれども、こないだ京都の街の中を歩いていたら、そこのスタッフがその利用者である知的障害の人と一緒に散歩をしているのに出会ったこともあります。家族と一緒に住んでいる人もいるし、そんなに数がたくさんいるとは思えないですけれども、一人で住むっていう人たちもでてきてます。重度訪問は使えます。知的、精神と使えます。私のとこにもしばらく統合失調症の人間が下宿していたんですけど、彼なんかも週に一回くらいは主に家事援助ですけれども精神障害者として家事援助のサービスを使っています。あと、うまくいってるのかどうか僕もよくわかりませんけれども、この頃精神障害の人のグループホームというのも、ちょっと増えてるようです。

質問者 知的障害者が例えば重度訪問介護も使えるようになって、身体介助と行動援護の二つとも使えます?

立岩氏 両方使えるかということですか?実態は私もちゃんと把握しておりませんけれども使えるはずです。例えば両方の障害をもっていることはあり得るわけで、身体が動かないので、その部分を補うためのサービスもいるし、知的な障害があるためという。

質問者 例えば重度訪問を使えるときは家事援助、知的障害者が介助するときには行動援護とか?

立岩氏 それはありうると思います。ちょっと実態のところは今度帰って確かめてみます。

質問者 行動援護は時間が少ないんですか?重度訪問はちょっと大きく、制限もないから、例えば重度訪問が多いと重度訪問は介助もできるんですね?

立岩氏 居宅介護重度訪問という主に体の関係の介護と、その行動援護の認定の調査項目が違うわけです。さっき言ったマークシートみたいな。項目がそれぞれ違っていて、こっちで何点以上だったら居宅介護重度訪問の対象になる。また別の種類のマークシートで何点以上だったら行動援護の対象になると、そういう仕組みだから両方で点をとれれば両方のサービスを得られるということになります。

質問者 障害者全国差別連帯光州支部?のことなんですが、連帯?で施設をなくす法律を作りましょうという動きがあるんですよ。それを社会に広めようとしているんですけれども日本ではどうですか?彼女は親が連帯?にいた。だから過激な親がメンバー。施設はいらないということなんですが。施設はなんでなくせることができないんですか?

立岩氏 施設をなくすること、減らすことに関していうと、正直いろんな人たちのなかで温度差というか程度の違い、大きくいって増やせとか、今のままでいいというふうに言ってる人は、それはあまりいないです。小さくしたほうがいいとか、少なくしたほうがいいことに関してそれに反対する人はあまりいない。ただ施設をなくせとはっきり言ってるのは、こないだの相模原事件の後の集会なんかでも、ヒップファースト系というか、本人たちは割とはっきり言います。
 それから昨年JILの総会だったかな、集会に私もでましたけれども、そこのこの事件をきっかけに脱施設を強力に進めていかなくてはいけないんだと言ってます。ただ、一番態度が苦しいというか、積極的なことが言えないのは日本では親の会だと思いますね。やっぱり自分の子供であったり家族を施設にお世話になっていると自分では介助したりできなくて、それで施設に預けてなんとかなっているということがあるので、なくせというふうにそっちの方向には言えないよとそういうのがあって。相模原事件の後の集会でも、その施設について意見の差がはっきりするという場面が結構あったそうです。

質問者 一つはサービスの時間が足りなくて例えば夜間とかに一人に、その人に対する支援だとかありますか?もう一つは身体障害者じゃなくてコミュニケーションがうまくいかないとか、そういう知的障害者とか精神障害者に対する基本的な介助じゃなくて、意思決定というか介助のためにサービスがありますか?

立岩氏 介助に関わる制度は二種類あると言いましたけれども、それは、二種類しかないということでもあって、そのいずれでもないっていうのは、おそらく社会福祉の制度のなかにはないです。

質問者 例えば韓国だったら巡回サービスという障害者の家を夜に回りながらやったりだとか、障害者団体だったら余ったお金でそういうのが?

立岩氏 そういう制度外、まず一つは医療があります。訪問看護とかそういうのはあります。訪問医療系のサービスは若干あります。それからそんなに多くないですか、制度じゃない、政府からお金はこないけれども自分たちが自発的にやむを得ずというか、やってるという事例はもちろんあると思います。でもそれは制度ということではなくて、思い出してたんですけれども、10年以上前に僕、東京の立川という事業所さん?で働いてたんですが、運営委員というか理事のようなものをやっていたんですが、そのときに夜間に割と近所に住んでいる人たちになんか連絡があったらすぐ人が行けるような、そんなシステムを自分たちで作ろうかと、そういう議論をしたことがあって。そんなに大きくなったり、しっかりしたシステムまで発展はしなかったなということを思いだしました。ただ結構大切なことだと思っていて、ずっと人がいなくていいんだけど、でもなんかあるときにはいるよねという。救急とか救急車とかそういうんじゃなくて、いるってことは確かにあると思ってます。それは確かに面白いというか課題だと思います。

質問者 食事介助とかそういうのでなくて意思決定するサービス?

立岩氏 知的障害の人のホームヘルプというのは、実際には他のこととは分けられなくて、意思決定支援みたいなほうが、実際には当然入ってきています。そういうところで支援がなされているのは事実です。ただ広域の政策とかメニュー?を見る限りには、それに関するはっきりした文言はないが、ただ居宅介護の方に助言その他の生活全般にかかる援助という言葉は見つかりますね。そういう感じです。
 
質問者 6000機関があるということなんですが、人たちが、私たちが、これしますと申告すればそれが提供機関になれます?

立岩氏 申告だけでは足りなくて、一定の条件があります。僕も一つNPOをやってて、いっぺん僕らもやろうとして、まだ実現していないのが一つは場所のことです。例えば小さなとこだと、自分の家を事務所にするってかたが結構あるんです。でも役所からは自分の家のための玄関と、事務所としての玄関を別に作ってないと困ると言われたりします。それと相談するスペースがあるだとか、そういうスペース的なことで、条件をつけられることはまず一つです。もう一つは人のことで賛否は賛成、反対別で、僕はあんまり賛成ではないんですが、一定の資格をもっている人であるとか、実務経験をもっている人というのが一つの事業所につき、常勤の人が二人、パートタイムの人が半分とか2.5とかそれくらい必要だとか、そういった条件がつきます。

質問者 韓国ではタイムカードをやるんですよ。実際には自分がやったら入る時間にカードやって終わる時間にカードやる。システム的には一日8時間、働かなければいけないんだけれども、たまには実際には4時間して次の4時間は二人で話し合って利用者の4時間お金をもって、そういう法律に反することをやってる人が多くて、国がそれを捕まえようとする姿勢を今、やってるんですけど日本は今どうですか?

立岩氏 その辺の実際の規制は、どこまで厳しいかというのは、僕は把握していないんですが、設立するときに書類をだすときにこの人はどういう人で、これは仕事に専念する人です、といった書類をだすということになると思います。あとは、そういう人の問題で事業所が問題にされたということは、僕はあまり聞いたことがない。新聞とかマスコミに出てくるのは不正経理というか、お金の使い方を間違っている。溜め込んでしまったりとか、そういうのはときどきマスメディアにとりあげられて批判される。あるいは行政のほうから営業停止というか、事業停止みたいなそういう処置がとられます。そんなに今、締めつけが厳しくなってるっていうことはないんじゃないかと思います。

立岩氏 今日はどうも遅れてすみません。どうもありがとうございました。僕らのところにきた??さんは最初の大学院生なんだけど今、ちょっとそういう人がいなくて、韓国語ができる人が周りにいないので、韓国語のホームページの更新を怠っているんですけれども、漢字か英語で検索することができれば、あるいはそういうものが少しでも読めるのであれば、あるいは韓国語のページもなくはないので、ホームページを見ていただいたりするといいです。今日ちゃんと調べてこれなかったこととかも質問があればお答えしますので??さんに韓国語にしてもらいますから、どうぞよろしくお願いします。今日のために昨日、名刺をいっぱい印刷してもってきたので、名刺を差しあげることもできます。どうも今日はありがとうございました。


<拍手>



UP:20171021 REV:20180415
7.26障害者殺傷事件  ◇病者障害者運動史研究  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)