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共同連はどうたたかってきたのか


立岩 真也 2017/09/03 
第34回 共同連全国大会滋賀大会,於:立命館大学びわこくさつキャンパス


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「共同連はどうたたかってきたのか」(公開インタビューの記録),2017/09/03,第34回 共同連全国大会滋賀大会,於:立命館大学びわこくさつキャンパス

共同連(増補:青木 千帆子
◆『れざみ』大会案内号
 http://gambatta.sub.jp/kyodoren/wp-content/uploads/2017/07/2017.pdf

◆公開講座 13:45 〜 15:00 「共同連の昔と今――共同連はどうたたかってきたのか」
 「立命館大学の立岩真也さんが主宰する生存額研究センターは「老い、病い、障害とともに生きること」を課題としています。今回、共生共働をかかげて運動してきた共同連と共同し、立岩さんとその仲間が共同連のメンバーにインタビューをする形式で、共同連の誕生から今日に至るまでを明らかにします。そして、共同連の活動が障害者の生とどう切り結んできたのかを改めて問います。」

◇発足:1984年?
 勇敢な「結成宣言」:http://www.arsvi.com/o/kdr.htm#0
 「開催趣旨」より。「本大会ではテーマを「社会的事業所宣言」とし、共同連が社会的事業所を目指したときの原点に立って、強力に社会的事業所づくりを進めようとするための大会です。」〜目指した時:約10年前…1984年からその時までに何があったのか?

◇日韓交流:1995年?〜。私たちが始めたのはその約20年後…。

 ※当日うかがうこと、当日その時までに考えねばと思っています。以下は、「東アジア障害学セミナー」の「ポストモダン期における障害学と概念的理論研究」で報告することに求められて送った抄録。なんのことやら、という感じでしょうが、共同連が「障害者のための」というのとちがう「社会的事業所」を作って(作らせて)いくことを目指しているということで、私は基本的にその線を支持する者でありまして、そのことが書いてありますので、引用しておきます。
 なおこのたびの企画は「病者障害者運動史研究」というものの一環でもあり、立命館大学生存学研究センターが共催するものです。

◆「障害(学)は近代を保つ部品である、しかし」

 「第一に、ポストモダンが語られた前世紀から今の世紀にかけて基本的な変化は起こっていないと私は考えている。つまり、近代を自己所有権(self-ownership)の時代・能力主義の時代(the age of "ableism"=A)とするなら、その時代は続いている。だが、同時に、常に、別の原理・現実Bは併存している。Aの時代の後にBが来る、来てほしい、来るかもしれない、と考える必要はない。常に二つ(以上)の間の抗争がある、それに社会運動も、またときに学問も関わっているのだと考えることである。Bは社会に現に存在する契機むしろ社会の基底であり、またAを批判し続ける位置でもある。それをポストモダンと呼びたければ、そう呼んでもかまわない。そしてBは、ポストモダンの思想と一定の親和性を有するものではある。私も以前いくらかは読んだ。ただ、その思想・言説がなければ成立しないものでなかったことも言えるとも思う。私はむしろ障害を巡る社会運動とその言葉から、Bを受け取ったと思う。(そして「post」と呼ぶ必要もないだろうから、私はその言葉を使ってはこなかった。)
 第二に、近代社会とdisability はどのように関わるのか。ここで私たちは、多様で連続的なability / dis-ability のなかに相対的に位置づくdis-ability と、impairment とセットのもとしてあるdisabilityとをいったん分ける必要がある。そして近代社会は、近代社会であるというその条件のもとで、di-sability の一部をdisabilityとして括りだし、ときにそれに一定の保護・免責を与えてきたのだと考えることができる。さらにそのことによって近代社会は自らを維持しているのだとも捉えることができる。とすれば障害学もまた近代社会の維持に貢献してきたのだと見ることもできる。
 そしてそれと同時に、障害を巡る社会運動と障害学は近代と別のものを提示したともさきに(第一点として)述べたのだった。第一点と第二点、この両者はどう関係するか。報告原稿の各国語のフルテキストをできるだけ早く用意し、私どものサイトに掲載する。また本報告のとくに第一点については、拙著『私的所有論』(初版一九九七、第二版二〇一二)に詳述した。その英語版が二〇一六年に電子書籍で出版された。やはり当方のサイトから購入できる。またセミナー当日にも持参する。」

 ※「『障害/社会』準備の終わりから3――連載・137」(『現代思想』45-(2017-9):-)に引用

■cf.

◆米澤 旦:http://soc.meijigakuin.ac.jp/hukusi_gakka/staff/staff-detail/yonezawa.html

◆立岩 真也 2002/06/17「発言」(送付:「討議のためのメモ」),(NPO)共同連シンポジウム 於:参議院会館会議室
◆立岩 真也 2005/08/00 「共同連のやろうとしていることはなぜ難しいのか、をすこし含む広告」,『共同連』100→『希望について』(2006,青土社)に収録
◆立岩 真也 2013/08/24 「共同のためにも国家を使う」,第30回記念共同連全国大会新潟大会 於:新潟市
◆2013/10/23 「堀利和氏との対話」,主催:立命館大学大学院先端総合学術研究科院生プロジェクト「 「共同連」における「共にいきる」ことを可能とする実践」,於:立命館大学衣笠キャンパス

立岩真也『希望について』表紙

 ※ここまで資料として印刷していただいた。
 

■cf.


UP:20170829 REV:20170830
共同連  ◇病者障害者運動史研究  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
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