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『わらじ医者の来た道』と(書評リプライ06)

「身体の現代」計画補足・272

立岩 真也 2016/12/10
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1816221031978209

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『造反有理――精神医療現代史へ』表紙    『わらじ医者の来た道――民主的医療現代史』表紙    『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』表紙
[表紙写真クリックで紹介頁へ]
 『解放社会学研究』に掲載される予定の『精神病院体制の終わり』書評へのリプライ
http://www.arsvi.com/ts/20160029.htm
を(超)細切れにして載せていくという、その第6回。そこに出てくる『わらじ医者の来た道――民主的医療現代史』は
http://www.arsvi.com/b2010/1509hk.htm
 十全会病院、そして親の話は『現代思想』9月号に掲載され、今度、あと10日で出版される『相模原障碍者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』
http://www.arsvi.com/ts/2016b3.htm
に収録される文章にも出てくる。この生存学研究センターのフェイスブック&HP掲載の「「身体の現代」計画補足」という細切れ連載では第195回に紹介。
http://www.arsvi.com/ts/20162195.htm

 「『精神病院体制の終わり』は今終わりつつあることを書いたのではない。現在における繁盛にもかかわらず終えることはできるということ、そしてそのための条件を述べた。
 こうしてすこし古い話をした、古いところから始めたのではあるが、まったく今の現実のことでもあることを思い知ることにもなった。今年になって、認知症の親の医療保護入院に立ち会うことにもなった。また別の人のありうる転院先として「十全会病院がありますが」、という話を聞いた。このようにことは運ぶのかと思った。
 新しい歴史を調べて書くべきことについては、(二〇一六年度についても)採用されなかった科研費応募書類から転記した「病者障害者運動研究」([2015/12/01])他で述べている。」

 その書類の今年の版が「「病者障害者運動史研究――生の現在までを辿り未来を構想する」
http://www.arsvi.com/ts/2016a06.htm
 これらの書類、関連事項・人物等(頁へのリンク)を掲載するつもりで「病者障害者運動史研究」という頁を作った。
http://www.arsvi.com/d/hsm.htm
ご覧いただければと思うし、手を貸していただきたいと思う。
 フェイスブックに載せているこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20162272.htm
にもある。


 「■リプライの前に・1
 […]
 書いたのはだいたいは過去のことなのだが、昔話というだけでもない。つい最近も、ある人の(2回目の)転院先として双岡病院があると医療ソーシャルワーカーに言われたことがある。双岡病院は(京都)十全会病院の一つで、この本に幾度も出てくる赤木孝というなかなか理事長をやめなかった人物が「終着駅の役目をはたしております」と誇らしげに語るその病院だ。京都にいるから京都のことを書いているというつもりはまったくないのだが、本書が出たのと同じ2015年に、『わらじ医者の来た道――民主的医療現代史』(早川・立岩・西沢[2015])という共著の本を出してもらった。(今は普通の病院になっているという)堀川病院等で先駆的な「地域医療」の実践を行ってきた早川一光に聞いた本だ。ただ彼が活動してきた西陣の辺りでも、「執着駅」としての十全会は機能してきた。その病院は基本精神病院だが、結局、老人に行く場所になってきたしそれは今でもそうで、その傾向は近年強まってもいる。私の認知症の父親も(いつまでもいられないのだが)今は精神病院にいる。そういう現実が作られてきた道筋を辿ってみようという本である。」


UP:201611 REV:
立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇病者障害者運動史研究  ◇身体の現代:歴史
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