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細かに見ていく+すぐに言えることは言う・1(『精神医療』掲載稿13)

「身体の現代」計画補足・256

立岩 真也 2016/11/06
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1800696156864030

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『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』表紙    On Private Property, English Version    『精神医療』4-84(159)特集:国家意志とメンタルヘルス表紙
[表紙写真クリックで紹介頁へ]

 「どの程度の割合かとわからなくても、これがなければ決まらない、あるいは明らかに決まりようが違ってくるということはありるうし、それは推定できる、あるいは証明できるといったことがあって、それで十分だというところがある」。その一例として「新オレンジプラン」に対して精神医療業界が加えた力について述べているのが『精神病院体制の終わり――――認知症の時代に』
http://www.arsvi.com/ts/2015b2.htm

 「国家・権力を素朴に考える」
http://www.arsvi.com/ts/20160027.htm
の転載の第13回。
 全文は、他にも様々を集めた、『精神』
http://www.arsvi.com/ts/2016m3.htm
に収録されている。
 もとは『精神医療』第84号(特集:国家意志とメンタルヘルス)に掲載。
http://www.arsvi.com/m/p4084.htm
 フェイスブックに載せるのと同じこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20162256.htm
にもある。


 「■6 細かに見ていく+すぐに言えることは言う
 私たちはわりあい頻回に「国家権力が」といった言い方をしてしまうところがあるのだが、その国家が何を目指しているのかを言うのはときにそれほど簡単ではない。このことはこの文章の前半にも記したとおりだ。それでも、そのうえで、ことを大きく捉える必要はあると考えている。だから最初の二つの節を書いたのでもある。そしてそれと同時に、「べた」に、ものごと・できごとに関わる要因を挙げつらっていくという作業が必要だと思う。なにごとかを成立させているあるいはその成立を妨げているものは何かと見ていくのである。そこには国家の決定となったものにどのような要因が関わっているのかを推定していく作業も含まれる。これは政治学では「政治過程論」と呼ばれるような領域でなされていることだ。「アクター」を数え上げ、それらがどのように行動し、何を帰結させたのかを見る。
 ただ、社会のできごと、国の決定…に関わる種々の「成分」が各々どれだけの割合で関わっているのかを挙げきることはまずできない。それにはいくつか理由があるが、一つには社会で起こることについては実験ができないという理由もある(仮にできても、すべき でないこともある)。しかしほとんどの場合、何が何パーセントで何がパーセントの寄与率だとわからねばならないということでもない。なぜこのような因果関係・影響関係を私たちが知りたいかと言うと、それはたいがい、純粋に知的な関心からといったことではなく、どのようにすればこの事態を変えられるかあるいは守れるかがわかりたいからである。すると、例えばどの程度の割合かとわからなくても、これがなければ決まらない、あるいは明らかに決まりようが違ってくるということはありるうし、それは推定できる、あるいは証明できるといったことがあって、それで十分だというところがある。
 『精神病院体制の終わり』([2015])はそのような気持ちで書いた。例えば[…]」


UP:201611 REV:
立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇身体の現代:歴史
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