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『造反有理』書評へのリプライ・1

「身体の現代」計画補足・235

立岩 真也 2016/10/16
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1790802897853356

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『障害学研究』11表紙    『生存学』3・表紙    On Private Property, English Version    『造反有理――精神医療現代史へ』表紙
[表紙写真クリックで紹介頁へ]

 障害学会の学会誌『障害学研究』第11号に拙著『造反有理』の書評が載った。ちかごろよくあることだが、その「リプライ」というものを依頼されて同じ号に載った。それを転載・分載する。書評を書いてくださったのは松岡克尚さん。『障害学研究』第11号は
http://www.arsvi.com/ds/jds011.htm
「リプライ」の目次他は
http://www.arsvi.com/ts/20150013.htm

 フェイスブックに載せるのと同じこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20162235.htm
にもある。そこでは多くの人・項目にリンクしているからそちらをご覧いただきたい。

 「■適格でないが書いたこと
 まず過分の評をいただきありがとうございます。こういう本にあってならない誤字・誤表記については他の人からもご指摘していただいた。おわびします。本書関連のページ(立岩真也+造反有理で検索)にその正誤表を掲載している。今出ている第2刷ではその分はなおっている。さらにあったらご教示ください。
 以下、書評に直接に応ずるのでなく、幾つか補記させていただくということで、書かせていただく。
 『現代思想』にさせてもらっている連載と呼べない連載★01の一部がもとになっているこの本は、私が書かなくてもよかった。なにより私はたいしたことを知らない。そしてとくに「(自傷)他害」について、それが理由とされる強制、強制医療について何か定まったことを言えるという感じが今でもしていない【340】(以下『造反有理』での頁はこのように表示する)。それでも、書けないところは、今度の本では、そし今年出るだろう次の本でも、先延べにしてしまって、書いてしまった。他にもいろいろと文献・資料はあるはずなのにと思いながら、すぐに入手できる文献を使って、書いた本だ。(他の拙著についても似たようなものだ。そのことはそれぞれの領域のことを知っている人であればわかっているものと思う。)それでも書いたのは、この主題に限らないのだが、他の人たちが書いてくれなかったからだ。
 そのことに理由がなくもない。そのことは、本書でも、『そよ風のように△271 街に出よう』(りぼん社)での「もらったものについて」という連載(今第十四回めを書いている)にもいくらか記している。とくにこの「精神」の世界では、触れると敵か味方か問い糾される状況があって、ためらいのある人は書けず、どちらかの側の人は自らを正当化し相手を批判する文書を書くかだった。そしてその改革や造反がうまくいかなかったという思いがあり、かなり狭いなかでの争いに疲弊した人たちもいる――ここらあたりのことはこの本についての北中淳子の書評(『こころの科学』一七六、二〇一四年七月)でもふれられている。それでも書く人たちは、やはりその時々の問題、例えば「医療観察法」について書くということになった。拙著がその一部を書いたその時代にいて、本などには書かれていないことも含め、史料・資料をきちんと集め研究し、よく知っているのはまず岡田靖雄【92】だが、彼のこれまでの本も拙著が始まる手前あたりで止まっている。(それでも彼がいよいよ書くらしいと山本真理【111】から聞いたのは二〇一三年の秋、この本の発売日、精従懇(後述)の集会でのことで、それ以来、私は「正史」が書かれるのを待っている。『精神医療』誌に掲載された中島直【111】の書評について、史実についての本の書評については史実の正誤について知っていることが求められ、その正誤を示すべきであると岡田が語ったと伝え聞きもした。)
 そして、そういう世代の後、もっと平和になった時代があって、今度はその人たちは、騒がしかった時代のことがわからない。後で記すこの本の「続篇」にはその挿話が出てくるが、フェリックス・ガタリ(らの実践)については本を読んで知っているが、日本のことは知らないという人がいたりする。それでも、このごろは、過去のことを勉強しようというような人たちも出てきて、本誌の読者なら知っているだろう本が幾冊も書かれるようになった。私もそのいくつかに大学院の教員として関わらせてもらっている。ただすくなくともこの本のもとになった連載を書いた二〇一一年頃には「精神」に関わる領域ではなかった。以前読んだ古い本は絶版になっていた。
 […]

★01 その連載は、しりとりのように話がつながってはいるが、変わっていくというしろもので、この(二〇一四年の)五月号が一一一回になる。ここから、これまで『税を直す』(二〇〇九)、『ベーシックインカム』(二〇一〇)、『差異と平等』(二〇一二)という三冊の共著の本と『造反有理』(二〇一三)が本になり、本文に記すように『造反有理』の続きの本がもう一つできる。他に使っていないところ、というよりまとめきれていないところ、あるいは出してもらっても読んでもらえそうなところはいろいろとある。その一部については後述する。それでもなんとかしてまとめていきたいと考えている。


UP:201609 REV:
立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇身体の現代:歴史
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