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1982島田療育園からの脱走事件他・前(10月号・12)

「身体の現代」計画補足・226

立岩 真也 2016/10/07
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1785715351695444

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『造反有理――精神医療現代史へ』表紙    『人間の条件――そんなものない』表紙    On Private Property, English Version    『現代思想』2016年10月号 緊急特集:相模原障害者殺傷事件・表紙
[表紙写真クリックで紹介頁へ]

 新たに昨日から提供始めたのが『人間の条件――そんなものない』の唯のテキストファイル版
http://www.arsvi.com/ts/2010b2.htm
 そして既に昨日お知らせは、まず一つ、『加害について』
http://www.arsvi.com/ts/2016m1.htm
 を作ったこと。次に『社会モデル』
http://www.arsvi.com/ts/2016m2.htm
 ただなにより手間かかっていて、リンク多数あって紙の本より役に立つのは『私的所有論』英語日本語電子書籍版。 http://www.arsvi.com/ts/2016b2.htm
この解説・広告はまた。
 さて『現代思想』10月号に載っている「七・二六殺傷事件後に 2」
http://www.arsvi.com/ts/20160031.htm
をこまぎれに、きれぎれに、の12。
 以下で読んでみて誤解ありうるかなと思ったのは「短い期間に多くの人が入れ代わっていく」という箇所。ここで「多くの人」といっているのは施設長のこと。入所者の人たちは長くその施設に暮らすことになる。
 フェイスブックに載せるのと同じこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20162226.htm
にもある。


「■一九八二年・島田療育園からの脱走事件他
 この間、六〇年代にできていった施設は地道な活動を続けてきた。そして先駆的な施設については、というかその創設にかかわった先人たちについては、様々な書き物もある。読むとよいことが書いてある。そしてこの事件に際しても、その偉人たち、とくに「この子らを世の光に」と言った糸賀一雄が思い起こされ、呼び戻される。
 その「思想」にここでは立ち入ることはできないし、しない。別の機会にする(この一二月三日にびわこ学園主催の催で話をしなければならないことになって、困っている)。ただ一括りにできないこと、個々に違うことは述べておく。島田療育園とびわこ学園の二つをとってもだいぶ異なる。経営者、経営体制の性格も異なる。びわこ学園では糸賀一雄◇、岡崎英彦◇、高谷清◇といった、現場に就いて熱心な人たちが代々いて、数多くの書籍も出される。様々な試みも行なっている。地域・在宅の支援にも関わっている。ただ、次に、そうして熱心で自負のあるところとそうでないところとの差異はありうることは見る必要がある。それは外国でも同じことだ。人は先進的な、誇りをもって活動しているところを見に行く。他方訪問される側にとっても、客を受け入れるのは面倒なことでもあるが、がんばろうとすることにも結びつく。よいところに行けばよいこと(だけ)が見えてくる。例えば数十人、百人といった単位で始まった「重心」施策は国立療養所への収容が進んでいくことによって万という数になっていく。その各々が注目され、それが活動を活気づけるということにはなりえない。そもそも他より目立つから特別なところは注目される。
 そしてまじめに仕事をしていることは、かつて先導的だった老舗であることと関わることもあるが、重ならないこともある。例えば『造反有利』に少し出てくる松沢病院や武蔵療養所といった精神病院もそうだったかもしれない。国公立の古く大きい組織は動かしにくい組織にもなる。島田療育園もやがて大きな組織の管理下に置かれ、短い期間に多くの人が入れ代わっていく。
 一つだけあげておく。八二年に島田療育園から出ようという人がいて、それが阻まれることがあった。[…]」


UP:201609 REV:
障害者殺し  ◇7.26障害者殺傷事件  ◇『現代思想』2016  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇身体の現代:歴史
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