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『現代思想』相模原殺傷事件特集・02

「身体の現代」計画補足・216

立岩 真也 2016/09/26
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1780362328897413

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『現代思想』2016年10月号 緊急特集:相模原障害者殺傷事件・表紙    『現代思想』2016年9月号 特集:精神医療の新時代――オープンダイアローグ・ACT・当事者研究…・表紙    On Private Property, English Version
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『現代思想』2016年10月号 緊急特集:相模原障害者殺傷事件、は本日発売。そこに載っている「七・二六殺傷事件後に 2」
http://www.arsvi.com/ts/20160031.htm
をこまぎれに、きれぎれに、の2。出てくる文献等へは↑からどうぞ。
 フェイスブックに載せるのと同じこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20162216.htm
にもある。

 そして本日、
http://www.arsvi.com/2010/20160926.htm
第一部 追悼集会:12時-14時30分 場所:参議院議員会館大講堂(東京都千代田区永田町2-1-1)
 ・「相模原障害者殺傷事件の犠牲者を追悼し、想いを語る会」
 ・追悼、参加者アピール、集会アピール採択等
第二部 アピール行進:16時-17時 場所:日比谷公園⇒東京駅方面・鍛冶橋交差点
 参加者一人ひとりがメッセージを書いたプラカードを持って行進します。
 15時45分までには日比谷公園西幸門にお集まりください。
◇参加費:無料
◇定員:第一部は定員300名、第二部は定員無し
 第一部はいっぱいになって受け付け終了、第二部はどうぞ、とのことです。
 こういうの滅多に出られることなかったのだが、今回は出かけられることに。


 「■はじめに
 […]
 ○障害者殺し自体には歴史がないのかもしれず、たいがいは一度に一人が一人、単調に繰り返される悲劇である。『市民福祉情報』というメールマガジンがあり、運営しているオフィス・ハスカップのサイトにもまたこちらのサイトにもバックナンバーが収録されている。そこに毎号のように「介護殺人」という項目がある。何が起こっているか、少なくとも報道された限りのものはわかる。その直接的な要因・背景もわかる。あるいは予め私たちは知っている。過去と現在の概況を描くといったことは私にはできないし、ここではしない。この国にあった出来事・言論の幾つかについて書く。
 ○書名にあるのは後で紹介する横塚晃一の『母よ!殺すな』、横田弘の『障害者殺しの思想』。これらは再刊された。他に八木下浩一の『障害者殺しの現在』(八木下[1981])★02、『我が子、葦舟に乗せて』(河口[1982])。『そして闇へ!――新聞にみる障害者殺し』(神奈川県社協情報センター[1986])は私の記憶では新聞記事を貼り付けた一冊だけのものだった。神奈川県社協情報センターの情報室は優れた機関だったが、なくなってしまった★03。
 最初の二冊に書かれた出来事についてさえ知られていない。それでくどくとも紹介しようと思った。だがやはり本そのものを読むべきだ。そして幾度か「解説」のようなものも書いている。結局、その七〇年の事件も含め、前後の幾つかを知らせる文章になった。
 この約六〇年、起こったことはいくらか複雑である。そして複雑という手前で単純に知られていないこと忘れられたことがたくさんある。それはよくないと思う。この事件に際して、であろうとなかろうと、言葉を集め言葉を言うだけの者でもやれるし、やってよい仕事が、出来事・言論を集め連ねる仕事だと考える(cf.[2015/12/01])。それは、言葉が穴に落ちて消えていく様を言葉で追うような仕事なのだが、すくなくともこの主題にとってそれはやっておいてよいことだと考えるし、人々に知ってほしいと願う。メディアやメディアで働く人に知ってほしいと願う。それで長くなり、そして過去に書いたものとの重複も多いが、書いていく。
 ○だが容疑者が書いたという文章を読んでいない。気持ちがわるくなりそうで読みたくないからでもある。その人に少なくとも今は関心をもたないほうがよいと思ってもいる。そして、読みたくなくても読んでしまった人が書いてくれるだろう。私は別のことを書く。

「★02 埼玉県。就学運動をし一九七〇年二九歳で小学校に就学。著書に『街に生きる――ある脳性マヒ者の半生』(八木下[1980])。
★03 その資料室に横田弘が寄贈した資料は臼井正樹◇の研究室に移されたという。」


UP:201609 REV:
7.26障害者殺傷事件  ◇『現代思想』2016  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇身体の現代:歴史
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