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斎藤正彦「成年後見制度は高齢者の人権を守れるか」

「身体の現代」計画補足・210

立岩 真也 2016/09/20
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1777981665802146


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『私的所有論  第2版』表紙    On Private Property, English Version    『造反有理――精神医療現代史へ』表紙
[表紙写真クリックで紹介頁へ]

 毎日お知らせしている催、あと2日。「法的能力(障害者権利条約第一二条)と成年後見制度」というテーマ。9月22・23日、立命館大学いばらきキャンパスで障害学国際セミナー2016。
http://www.arsvi.com/a/20160922.htm
手話通訳、文字通訳(共に日本語)あり。会場の容量的には入れるようだ。申し込んでおいでください。

 私が報告するのは「成年後見制度に代わるもの」という題のもの。
http://www.arsvi.com/ts/20160923.htm
以下にその一部を引用する。成年後見制度の問題点ははっきりしていると前に述べたが、あまりあっさりしすぎるのもよくないかもしれない。以下に出てくる斎藤正彦氏の動画がわかりやすい。斎藤氏は東京都立松沢病院の病院長。松沢病院は拙著『造反有利』に時々出てくる。
 もう一つ。今になって2000年の制度の開始頃に出た本を注文して集めて、すこし見ている。みなよいものだとしている。「ノーマライゼーション」とか「自己決定権」とか言っている。ここで文句を言う人はほぼいない。だが、花田春兆がまたもすこし違う――そのうち紹介できればと。「またも」というのは、『現代思想』の10月号に載る文章
http://www.arsvi.com/ts/20160031.htm
で花田の1960年代の文章に言及していることを指している。

 フェイスブックに載せるのと同じこの文章は
http://www.arsvi.com/ts/20162210.htm
にもある。

 「■2 成年後見の問題点

 成年後見制度の拡充が社会的に求められている理由ははっきりしている。認知症の人の増大である。(そしてむろん認知症の人は障害者である★02。)2016年に成立した「成年後見制度利用促進法」もそうした背景から出てきた。幾つかの障害者団体は反対し、私も反対したが、法律は成立した★03。
 その問題は、このセミナーも含め、既に様々に示された。
 基本的な問題は、この制度のもとでは、他人が本人になりかわってしまうという点である。後見人が本人を擁護するというより、その後見人が本人になりかわってしまうのだから、(本人その人によるだけでなく)本人「側」からの抗弁が成立しなくなってしまう(cf.斎藤[2011])★04。

★02 成年後見の利用者は2014年末で18万4670人で、この数は認知症の人たちの数に比した時、少ないと言われる。
★03 ただ、問題点がメディア、いくらかの政治家に知られ、今後検討すべきことがあることが認識されたことは一定の成果と言えるかもしれない。
 なお私は各国の様子をほとんど知らない。検索するとすぐに台湾・中国について江(Jiang)[2014][2015]、中国について王(Wang)[2010]が出てくる。それらを読む限りでは法の枠組みはこれらの国々で大きく変わらないようだ。
★04 以下で私は、A:人々まずするべきことをすること、政府はときに強制力(権力)をもってそれを保障すべきことを主張する。それは個人の自由を狭めるものだと思われるかもしれない。しかしそうではない。B:代理人の仕組みは、その代理人が本人として振る舞うことによって、同時にその本人はその振る舞いを止めることができないことによって、より大きく侵害する可能性がある。私たちのAの立場は、政府他がやるべきことをやることを求め、さらにそれに本人が抗弁できること、抗弁することを弁護する人(たち)がいるという仕組みを求める。その方が望ましいと考える。

◇斎藤正彦 2011/08/02 「成年後見制度は高齢者の人権を守れるか」
 https://www.youtube.com/watch?v=-xriWbZU4mE
◇―――― 2011/08/02 「認知症の人の意思決定をサポートする」
 https://www.youtube.com/watch?v=X5NzFoz4IXk


UP:201609 REV:
意思決定支援  ◇成年後見  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇身体の現代:歴史
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