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七・二六殺傷事件後に
立岩 真也
2016/09/01
『現代思想』44-(2016-9)
:-
『現代思想』連載(2005〜)
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このHP経由で購入すると寄付されます
*加筆などした上で以下の本に収録されました。
◆立岩 真也・杉田 俊介 2017/01/05
『相模原障碍者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』
,青土社 ISBN-10: 4791769651 ISBN-13: 978-4791769650
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※
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◆
障害者殺し
◆
7.26障害者殺傷事件
◆立岩 真也 2016/10/01
「七・二六殺傷事件後に 2」
,『現代思想』44-(2016-10):
■目次
□事件に関わり二つ書くこと
七月二六日に相模原市の障害者施設で入所者一九人が刺殺され二六人が負傷する事件があった。本誌連載の予定を変えて、その事件に関わることについて書こうと思った。その草稿は大きく、精神障害・精神医療★01に関わる(というより関わらせられてしまっている)部分と、障害者殺しの歴史に関わる部分とになっていって、合わせるとずいぶんと長くなっていった。
そうしているうちに、今月号の特集が「精神医療の新時代」ということで、前半の部分をその特集の中に収めてもらうことになった。さらに、本誌十月号がこの事件を特集するものになったということで、後半はそちらに掲載させてもらうことになった。
その連載では精神医療に関わることも書いていて、それは『造反有理』『精神病院体制の終わり』という二冊の本になった★02。それはまずは昔を語る本であり、人によったらなんという呑気な昔話をしているのかということになるだろうが、その過去は現在に関わっている。またある部分はそのまま現在のことでもあり、二冊めの記述は現在に及んでいる。そして本が出た後の連載で、その本を書いたすぐに起こったことについても記している。そこからどうしたものかについても、とくに二冊目では具体的なことをいくつか述べている。ただ、そこで私は「強制医療」「強制」についてはほとんど考えて書いていない。
ここではどう対応するべきかについて基本的なこと述べる。私は強制、権力の行使が正当化される場面があることを認める★03。ただ「自傷他害」と括られるが、分けるものは分けた方がよい。両者は異なる。そして他害に対する対処、罰が正当化されることは、その可能性に関わる強制が正当化されることではない。医療は――現実にどうであってきたかは別として――自傷については対応してよいことがあるだろう。ただ医療は他害に対する対応から基本的には撤退するべきである。この単純なことを述べる。
次に、来月号分に関して。その二冊になった部分の後、その連載では「生の現代のために」というシリーズ?になり、ここしばらく一九六〇年代の国立療養所のこと等を書いてきた。四月号から五回書いてきたが、すこしも終わらず、まだだいぶかかるだろう。そしてそこに記したことは施設収容政策や障害者殺しにも関わっており、実際いくらかそこで起こったことを記してもいる。それを一部繰り返しながら、十月号では障害者殺しがいかに実行され肯定され、また批判されたかを記していく。
□事件後述べたこと
□脅威に対してまず言われたこと
□加えて言わねばならないこと
□確率
□自傷には関わる余地があること
□他害に関わらなくてよいこと
□現行犯として刑事司法が対応すべきこと
□しなくてよいと言ってもすると言う人たちはいるのだが
■
◇2016/08/23
「事件後に・1――「身体の現代」計画補足・195」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1767137586886554
◇2016/08/25
「事件後に・2――「身体の現代」計画補足・196」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1767137586886554
◇2016/08/27
「共同通信掲載文章再掲他(事件後に・3)――「身体の現代」計画補足・196」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1768311650102481
◇2016/08/29
「精神障害者に対する脅威となることは最初から懸念された(事件後に4)――「身体の現代」計画補足・198」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1769056140028032
◇2016/08/31
「日垣隆のは知らせなかった(事件後に5)――「身体の現代」計画補足・199」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1769423499991296
◇2016/09/03
「危険だとしても(事件後に6)――「身体の現代」計画補足・200」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1770786089855037
◇2016/09/05
「統計的差別(事件後に7)――「身体の現代」計画補足・201」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1771264446473868
◇2016/09/07
「統計的差別・続(事件後に8)――「身体の現代」計画補足・202」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1773285219605124
◇2016/09/09
「自傷/パターナリズム(事件後に9)――「身体の現代」計画補足・203」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1773537692913210
◇2016/09/11
「意思決定支援?(事件後に10)――「身体の現代」計画補足・204」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1774098829523763
◇2016/09/13
「精神医療は他害に関わらないこと(事件後に11)――「身体の現代」計画補足・205」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1774818559451790
◇2016/09/15
「「現行犯」として対処する(事件後に12)――「身体の現代」計画補足・206」
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1775661839367462
■文献(23→51 とりあえずのもの)
◆DPI日本会議 2016/07/27 「緊急抗議声明:相模原市障害者殺傷事件に対する抗議声明」
※
◆後藤弘子編 1990
『少年非行と子どもたち』
,明石書店
◆
原 昌平
20160728 「相模原の事件で問われることは何か」,『ヨミドクター 原記者の「医療・福祉のツボ」』
※
◆日垣 隆 2001 『偽善系U』,文藝春秋
◆樋澤 吉彦 2016 「保安処分構想から医療観察法体制へ――日本精神保健福祉士協会の関わりを中心に」,立命館大学大学院先端総合学術研究科博士論文(審査中)
◆桐原 尚之 2016 「書評『精神病院体制の終わり』」、『解放社会学研究』30
◆小林 美代子 1971 『髪の花』、講談社
◆野家啓一(研究代表者) 2003 『臨床哲学の可能性』,国際高等研究所報告書
※
◆大阪精神医療人権センター 2000
『大阪精神病院事情ありのまま 第2版』
(扉よひらけ5)、関西障害者定期刊行物協会
◆里見 和夫 200109 「精神障害者と人権――精神障害者の犯罪をどのように考えるべきか 安心してかかれる精神医療の確立こそ急務」、『部落解放』491
※
◆精神保健従事者団体懇談会+『精神医療』編集委員会 編 2013 『第7回精神保健フォーラム 変われるのか?病院、地域――精神保健福祉法改正を受けて」(
『精神医療』
別冊),批評社
◆精神科医療懇話会 2001/06/27 「池田小学校事件および特別立法に対する緊急声明」
※
◆―――― 2001/07/20 「平成13年6月25日「大阪児童殺傷事件」に関する理事会見解に対する声明――批判的検討と対話」
※
◆―――― 2001/09/18 「精神科医療懇話会声明(第3弾)修正版――特別立法に関連した諸試案の批判・評価と懇話会提案」
※
◆
立岩 真也
1997 『私的所有論』、勁草書房
◆―――― 1999/08/31 「パターナリズムも自己決定と同郷でありうる、けれども」,後藤編[1999:21-44]
◆―――― 2001/12/25
「できない・と・はたらけない――障害者の労働と雇用の基本問題」
,『季刊社会保障研究』37-3:208-217→立岩[2006:171-191]
◆―――― 2003/01/01 「生存の争い――医療の現代史のために・9」,『現代思想』2003-1
◆―――― 2003/00/00 「パターナリズムについて――覚え書き」,野家啓一(研究代表者)『臨床哲学の可能性』,国際高等研究所報告書
※
◆―――― 2004/01/14
『自由の平等――簡単で別な姿の世界』
,岩波書店
◆―――― 2004/11/15
『ALS』
,医学書院
◆―――― 2006/07/10
『希望について』
,青土社
◆―――― 2008/09/05
『良い死』
,筑摩書房,374p.
◆―――― 2009/03/25
『唯の生』
,筑摩書房,424p.
◆―――― 2011/08/23 "On "the Social Model"",
Ars Vivendi Journal
1:32-51
◆―――― 2013/01/01 「素朴唯物論を支持する――連載 85」,
『現代思想』41-1(2013-1)
:14-26
◆―――― 2013/05/20 『私的所有論 第2版』、生活書院
◆―――― 2013/11/23 「病院と医療者が出る幕でないことがある」,第7回 精神保健フォーラム「変われるのか? 病院、地域――精神保健福祉法改正を受けて」→2014 精神保健従事者団体懇談会+『精神医療』編集委員会 編[2014:15-28]→立岩[2015:230-247]
◆―――― 2013/12/10
『造反有理――精神医療現へ』
、青土社
◆―――― 2014/08/01 「生の現代のために・5――連載・114」、『現代思想』2014-8
◆―――― 2014/08/25
『自閉症連続体の時代』
、みすず書房
◆―――― 2014/10/31
「造反有理――精神医療・保健福祉の転換期へ」
,第57回日本病院・地域精神医学会総会記念講演 於:仙台
◆―――― 2015/10/01
「『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』 連載 116」
,
『現代思想』43-(2015-10)
:-
◆―――― 2015/11/01
「今般の認知症業界政治と先日までの社会防衛 連載 117」
,
『現代思想』43-(2015-11)
:-
◆―――― 2015/11/13
『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』
、青土社
◆―――― 2015/12/01 「病者障害者運動研究――生の現代のために・7 連載・118」,『現代思想』43-(2015-12)
◆―――― 2016/01/01
「加害のこと少し――生の現代のために・8 連載 119」
,
『現代思想』44-(2016-1)
:-
◆―――― 2016/07/28
「七・二六殺傷事件後に」
,『朝日新聞』2016-07-28朝刊(取材:07/26-27)
◆―――― 2016/07/29
「七・二六殺傷事件後に」
,ホウドウキョク『あしたのコンパス』
◆―――― 2016/08/02
「七・二六殺傷事件後に」
,共同通信配信(『新潟日報』『静岡新聞』『高知新聞』等に掲載,原稿送付:08/01)
◆―――― 2016/08/07
「七・二六殺傷事件後に」
,NHK・Eテレ『バリバラ』緊急企画「障害者殺傷事件を考える」(収録:07/31)
◆―――― 2016/08/31
On Private Property, English version
,
Kyoto Books
◆―――― 2016/09/10
「『造反有理』書評へのリプライ」
,『障害学研究』
◆―――― 2016/09/23
「「意思決定支援」を巡る基本論点」
,
障害学国際セミナー 2016「法的能力(障害者権利条約第12条)と成年後見制度」
,於:立命館大学
◆―――― 2016/**/**
「国家・権力を素朴に考える」
,『精神医療』84
◆―――― 2017/03/**
「『精神病院体制の終わり』書評へのリプライ」
,『解放社会学研究』
◆立岩 真也・有馬斉 2012/10/31
『生死の語り行い・1――尊厳死法案・抵抗・生命倫理学』
,生活書院,241p.
◆立岩 真也・堀田 義太郎 2012
『差異と平等――障害とケア/有償と無償』
,青土社
◆山本眞理→総理大臣・厚生労働大臣 2016/07/30 「緊急要請」
※
◆
吉村 夕里
2008 「精神障害をめぐる組織力学――全国精神障害者家族会連合会を事例として」,『現代思想』36-3(2008-3):138-155
◆―――― 2009
『臨床場面のポリティクス――精神障害をめぐるミクロとマクロのツール』
,生活書院
UP:2016 REV:20160810, 11, 12, 14, 28, ... 0916
◇
7.26障害者殺傷事件
◇
精神障害/精神医療
◇
立岩 真也
◇
Shin'ya Tateiwa
◇
『現代思想』連載(2005〜)
◇
『現代思想』2016
◇
『現代思想』
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