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病者障害者運動研究・6(Wの1)

「身体の現代」計画補足・94

立岩 真也 2015/12/13
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1670803979853249

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last update:2015


『現代思想』2015-12 特集:人工知能    『万博と沖縄返還――一九七〇前後』表紙    『増補新装版 障害者殺しの思想』表紙
[表紙写真クリックで紹介頁へ]

 『現代思想』(青土社)12月号(特集:人工知能――ポスト・シンギュラリティ)
http://www.arsvi.com/m/gs2015.htm#12
掲載の連載第118回は「病者障害者運動研究」。この(第118)回は、研究費関係の応募書類ほぼそのままというものだ。ここでは、それを、いくらかずつ補足しながら分載していくが、長くかかるから、『現代思想』買ってください。今回は6回め。前回(5回め)は
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1670093993257581

 ちなみに今年は、下に出てくる青い芝の会の関係で私が書いたものを含む本が二つ出た年だった。一つは、再刊された横田弘の『障害者殺しの思想』(現代書館)に書いた「解説」。もう一つは、吉見俊哉編『万博と沖縄返還――一九七〇前後』(ひとびとの精神史・5)(岩波書店)に載った「横塚晃一――障害者は主張する」(題は編集部)。
 『障害者殺しの思想』のほうはつい先日、増刷になった。初刷どれだけ刷ったのか――出版業界の慣行として解説ものは一冊あたりいくらという印税方式でなくて一本いくらという原稿料をいただくということになっているということもあって――知らないのだが、この類のものが年内増刷というのは、本の内容からして愉快な、とは言わないが、よいことだ。この本のことについてはこのフェイスブック連載?でも第14回、そして第37回〜第52回までえんえんと紹介した。そのだいたいはこの本の頁
http://www.arsvi.com/b2010/1506yh.htm
の「紹介・言及」という欄にまとめてあるからご覧ください。
 横塚について書いた文章についてはまた(たぶん次回)。
 なお、今回のHP版
http://www.arsvi.com/ts/20152094.htm
ではこれらの本の表紙からその本関係の頁にリンクされている。


 「【W】1970年の前後、別の流れが生まれる。保護として現れる隔離に反対し(T)、社会を問題にしつつも社会による身体への危害(U)というだけでない場面を問題にする流れが生ずる。その運動はまず我彼の間の差異をはっきりさせようとした。自らのためになされていることと他人(達)の都合によってなされていることが、意図的にせよ非意図的にせよ、曖昧にされてしまうことを指摘し、それに反対した。それは脱施設・反施設を鮮明にする。[…]「優生思想」「能力主義」という言葉を頻用し、この社会で暮らしていけないから得るものを得ようとしながら、社会の全体を批判した。自らを積極的に肯定するわけではないが、否定されていることを強く自覚することから始まり、そしてなおすことに懐疑的だった。「青い芝の会」といった組織の行動については比較的知られるようになったが、他でもこうした主題が現れた。」

 続く。


UP:201512 REV:
立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇身体の現代:歴史
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