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病者障害者運動研究・4(U)

「身体の現代」計画補足・92

立岩 真也 2015/12/09
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1669588606641453

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last update:2015


『現代思想』2015-12 特集:人工知能    『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』表紙    『自閉症連続体の時代』表紙    『日本の血友病者の歴史』表紙
[表紙写真クリックで紹介頁へ]

 『現代思想』(青土社)12月号(特集:人工知能――ポスト・シンギュラリティ)
http://www.arsvi.com/m/gs2015.htm#12
掲載の連載第118回は「病者障害者運動研究」。この(第118)回は、研究費関係の応募書類ほぼそのままというものだ。ここでは、それを、いくらかずつ補足しながら分載していくが、長くかかるから、『現代思想』買ってください。今回は4回め。過去の3回分は
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1667658580167789
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1668679896732324
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1669077290025918
 書いていることはまずはごく単純なことであって、調べて記録されていない部分を記録しておこうということである。ただそこから出てくるだろうことは、ただ過去のよくないことを反省しましょうということではないとも思っている。そのことは、誰もそんなことが書いてあると思っていない『自閉症連続体の時代』という本
http://www.arsvi.com/ts/2014b1.htm
の補章「争いと償いについて」で書いてみている。1「害について」/2「内部における争い」/3「理由を問われない生活」/4「この方法がよいこと」/5「反論への応答」/6「非現実性について」。私としては大切なところにふれていると考えている。
 なお以下に出てくる北村健太郎の『日本の血友病者の歴史』は
http://www.arsvi.com/w/kk01.htm
ちなみにその本では薬害HIV・エイズのことは出てこない。わざとその手前のところで止めている。この本のことはまた紹介することがあるだろう。
 今回のHP版
http://www.arsvi.com/ts/20152092.htm
 ボツになった過去の書類の山にもリンクされている「身体の現代:歴史」は
http://www.arsvi.com/d/h.ht


 「【U】これらの動きと接してまた次に、特に一九六〇年代以降、「社会が作る」病・障害が問題にされる。薬害・公害や労災を巡る責任追及や補償を巡り、被害の有無や軽重を巡って原因を追求し、その因果関係に関わる争いが起こる。だが、例外的に蓄積がある水俣病についての研究以外、そして社会学では『薬害の社会学』(宝月誠編、一九八六)から30年が経つが、それ以後まとまった研究はない。一つ、責任追及と補償が必要でありそれを得ようとすることが同時に求められ、争いを提起した人達の内部に対立が生じてしまったことが度々あった。因果関係の証明が求められ、そのことを巡り大きな負荷と分断がもたらされた。また一つ、社会に訴える時に病や障害の悲惨を語らざるをえなくなる。実際悲惨な境遇はあったのだが、後にその表象のされ方は自らによる懐疑・批判の対象にもなる。これらを考えるためにも、『日本の血友病者の歴史』(二〇一四)◇の著者北村健太郎他が薬害エイズ、C型肝炎等を巡ってなされた運動について調査し言論を解析する。」

 続く。


UP:201512 REV:
立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇身体の現代:歴史
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