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『与えられる生死:一九六〇年代』再度←『そよ風』

「身体の現代」計画補足・62

立岩 真也 2015/09/16
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1648402862093361

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last update:2015

 『そよ風のように街に出よう』という雑誌
http://www.arsvi.com/m/s01.htm
で、2007年から「もらったものについて」という題の連載をさせてもらっていることを述べた。8月刊行の号に掲載されているその第14回
http://www.arsvi.com/ts/20150014.htm
の一部を掲載する、今回はその4回目。
 なおこの文章のリンク付のHP版は
http://www.arsvi.com/ts/20152062.htm
リンクされてもいるのでこちらもご覧いただければと。
 ちなみに「資料集1」にあたるものは、
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1645739742359673
で紹介した『身体の現代・記録(準)――試作版:被差別統一戦線〜被差別共闘/楠敏雄』
http://www.arsvi.com/ts/2014b2.htm

「□資料集2(与えられる生死:一九六〇年代
 次の(最近では)二番目のものが、さきの話に直接につながる。 横田も投稿していた同人誌『しののめ』の安楽死特集(六二年)の全文収録や、ベルギーでの所謂サリドマイド児の殺害事件をきっかけに行なわれた『婦人公論』掲載の座談会(六三年)の全文を収録をしている。例えば、座談会では、二分脊椎の子をもち同じ年に「重症心身障害児」施策(施設)の充実を求め「拝啓池田総理大臣殿」という文章――これも収録――を書く作家の水上勉が、そんな子が生まれたらその生死を決める委員会を国に作ったらよいというようなことを述べている。
 そして、『しののめ』をずっと主催してきた花田春兆(しゅんちょう、本名・政国、一九二五〜)がこれらに絡んでいる文章たち。六二年の『女性自身』に載った「私を殺してほしい」という匿名の記事があり、それを西宮市肢体障害者協会が「身障者をべっ視」しているなどと抗議したという記事が『朝日新聞』に出て、それを花田が「ケンカする気じゃあないけれど」という『しののめ』掲載の文章で、暗いものは暗いんだと、それが現実なのだと言っている。だが、実はその『女性自身』の女性を装った記事の筆者は花田自身だった。そのことが荒井裕樹『障害と文学――「しののめ」から「青い芝の会」へ』(現代書館、二〇一一)で花田から「もう時効」だからというようなことで、花田から聞いた話として書かれている。これらの手記・記事…も全文を載せた。
 この時期から青い芝が七〇年に障害者殺しを糾弾するまで、八年、七年しか経っていない。六〇年代も、七〇年代も、そして今でも、そんなに違わないと言うことも一方ではできるだろう。しかし、いくらかの変化は(変化も)あったように思う。それか先に述べたことでもある。反優生思想を掲げ、とにかく言い切ってしまう。そんなことがそう時間を隔てず起こる。これはなんだということになる。そのためにもそれ以前に語られたことを見ておいた方がよい。そんなふうに思って資料集を作った。
 一〇〇〇円。私がいつも書いているような字数の多い本よりは少ないが、それでも約一八万字、四〇〇字詰四五〇枚弱。お買い得だと私は思う。売り上げは、こうやって資料を集めて整理して公開していくために使う。あと二桁、いや一桁でも売れると、その「もとで」の一部にはなる。横塚や横田の本のように「一家に一冊」というようなものではないが、手にとっていただければと思う。」


UP:20150916 REV:
立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
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