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いまさら優生学について

「身体の現代」計画補足・16

立岩 真也 2015/01/30
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1552887091644939

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1月27日の英語のフェイブック
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi.en
に以下のような文章を書いた。
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi.en/posts/1526794590941521
またそのコリア語の(同日)が
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi.ko/posts/704489699668863

その日本語文が以下。
 「eugenics を現在においてどう捉えるか?
 eugenics についての頁を増補しました。
http://www.arsvi.com/d/eg-e.htm
この頁には日本における歴史的な事実を知らせるという意味もあり、幾つかの論文にリンクさせてあります。ただ、私自身は歴史の専門家ではなく、文献を網羅的に集めるといったこともできていません。この20年ほどの間にも多くの文献が出ていることを知らないではないですが、それらを紹介できているわけではありません。今回の増補によって皆様にお知らせしようとしたのは、私自身が、現在においてeugenics をどのように捉えべきだと考えているかです。
 そのことについての記述が今年中に電子書籍での出版を予定している拙著『私的所有論』
http://www.arsvi.com/ts/1997b1-e.htm
第6章にありますので、その部分を掲載しました。
 そして、そこに記したことの意義は歴史研究が進んだ現在においても変わってはいないと感じていますが、その後、歴史の概略を記した部分を掲載しました。(その部分を書いた動機の一つに、日本の人たち、とくに若い人達に eugenics という言葉が肯定的な言葉として流通した時代があったことなどすこしも知らない人たちにいくらかでも基本的なことを知らせようと思ったということがありました。)また日本におけるeugenics について英語で書かれた文章も幾つか紹介しました。
 19世紀末からのUSAと第二次大戦中とその前のドイツについての記述も上記拙著にあり、それに対応するHPも以前からありますが、まだ整理できていません。数日内に整理し、掲載したらお知らせいたします。
 『私的所有論』は購入者が多いと安く提供することができます。とても厚い本で日本での初版は$60ほどしましたが、フェイスブックの"Like"の数によっては$10ぐらいにできるかもしれません。上記頁をご覧いただき、よろしければ御支持いただければと願っております。
Shinya Tateiwa
http://www.arsvi.com/ts/e.htm 」

 すこし調べてもたしかに、英語のものがほとんどだが、拙著(初版)の後もたくさんの出版物・論文があるようだ。ただ私にはそれらを勉強する時間もなく、またその積極的な気持ちもない。(拙著の第2版にはいくらか文献を足したが、それらはほぼすべて翻訳ものを含め日本語で読めるものなので、英訳の際には不要かと思い、今回の英語半では増補分は訳さないことになる。)
 ちなみに「優生学」の日本語の頁
http://www.arsvi.com/d/eg.htm
は英語の頁と中身が同じはない。今のところ英語の方が内容がある。拙著の該当箇所は本を読んでいただければとよいのでということもある。
 上記に記したように、基本的に書いておかねばならないと思っていたことは変わっていないと思っている。
 そして私は、原稿を書いていた時にはそう意識していなかったはずだが、この本を看護やリハビリテーションといった職種の人を養成する学校(信州大学医療技術短期大学部)等で授業で使っていたときには、この箇所(第6章第3節)に2コマ分ぐらいを割くことになった。こういうことがありましたということは、まずは知っておいてもらいたいと思ったからだ。
 レンタルでこの本を使っていたことについては第2版の補章に記した。その第2版は文庫版なのでだいぶ安くなっているからそんなことはせずにすむ。(ただ大学院で教えるようになってからかえってこのあたりをきちんと話すことはしなくなっているように思う。他で時間をとられるからだが、本は読んでおいてもらえるだろう、と思うことにしていることもある。)
http://www.arsvi.com/ts/2013b1.htm
 話したのはまず、HPの英語の頁は整理できていない米国とドイツ他で起こったことの紹介だった。その後、では今はそんなに野蛮な時代ではないと言えるのかという話になる。まずはその通りだと私は言ってもよいと言う。しかしその「本義」においてそれは存在もしまた議論もされるべきこととして残っていることを、これは簡単に言えることなので簡単に述べた。それは第9章「正しい優生学とつきあう」にももちろん関わる。しかしその長い(新書1冊よりは長いはずの)話をする前にまずは簡単に言えることだから、言う。そのことについては次回に。

立岩真也
http://www.arsvi.com/ts/0.htm
cf.第15回
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1542932532640395


UP:20150130 REV: 
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