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今を見立てる/出来事を辿る

立岩 真也 2014/02/22
平成25年度人権問題都民講座,主催:公益財団法人東京都人権啓発センター
http://www.tokyo-jinken.or.jp/jigyou/tkouzah253.htm
於:東京 国立科学博物館講堂
http://www.kahaku.go.jp/userguide/access/institution


 ※正式タイトル?は「立岩真也が語る、生存学――人権を考える視点としての「障老病異」」ということになります。
 当日はそのタイトルに即した話にしようと思います。以下はあくまで御参考まで。

■ 出来事について

◆立岩 真也 2013/12/10 『造反有理――精神医療現代史へ』,青土社,433p. ISBN-10: 4791767446 ISBN-13: 978-4791767441 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ m.
◆安積 純子・尾中 文哉・岡原 正幸・立岩 真也 2012/12/25 『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』,生活書院・文庫版,666p. ISBN-10: 486500002X ISBN-13: 978-4865000023 [amazon][kinokuniya] ※
◆稲場 雅紀・山田 真・立岩 真也 2008/11/30 『流儀――アフリカと世界に向い我が邦の来し方を振り返り今後を考える二つの対話』
 生活書院,272p. ISBN:10 490369030X ISBN:13 9784903690308 2310 [amazon][kinokuniya] ※

『造反有理――精神医療現代史へ』表紙   『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』表紙   『流儀――アフリカと世界に向い我が邦の来し方を振り返り今後を考える二つの対話』表紙  

◇立岩 真也 2008/01/31 「学者は後衛に付く」,『京都新聞』2008-01-30夕刊:2(現代のことば)

  なにか新しいことを考えついて、新しいものを作っていくのはわるいことではない。私自身も「先端」なんとかいう名前の大学院に勤めてはいる。ただ、同時に、現実の後に付いて、拾って歩くことが大切だと思う。
  そんなことはわかっていると言う人もいるだろう。歴史学にしてもなににしてもそんなことをしているではないか。ただ私が思うのは、そんなに昔のことでなく、わりあい近い過去あるいは現在の記述・記録だ。例えば一つ具体的には、福祉や医療に関わる様々な活動の記録をしていくことであり、その制度や仕組みに関わるこまごましたことをまとめて知らせることだ。
  まず後者。これは制度の方に問題があるのだが、こまごまと複雑で、ころころ変わる。そして公務員なら制度のことを知っているかというとそんなことはない。忙しい、また異動が多いということもあって、勉強できない。すると、実際には使えるし、他の地域では使われている制度も、ある地域、例えば京都市では使えないことになってしまい、結果、人々に迷惑がかかる。こないだ、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の甲谷さんの介護保障についての京都市役所との協議に同席させてもらった時にも、そのことを感じた。例えば、介護に関わる加算など、もっと使える制度である生活保護がきちんと使われていないのだ。
  となると、制度を使う側が知識をもっていなければならないことになってしまう。めんどうなことだし、個人には難しいことでもあるが、民間の組織がその部分に対応してきた。結果、多くのことについて、いま最もよくものごとを知っているのは役人でも学者でもなく、民間でたいがいは儲からない活動をしている人たちということになる。その人たちが持っている知識やノウハウの方が、なにか気のきいたことを言おうとして実際にはたいしたことを言えていない研究者の論文に書いてあることより、よほど価値のあることが多い。
  ただ、その人たちは忙しい。前に進む、あるいは後退を食い止める、その日々の仕事で手いっぱいのことが多い。これまでの経緯を振り返ったり、全体をまとめたり、そんなことをしている暇がない。だから、一つにはその人たちがもっと余裕をもてるようになるとよいのだが、その他に、研究者や研究者になろうとする人たちが後にくっついて、調べるものを調べ、まとめるものをまとめる仕事をするというやり方がある。また、その人たちといっしょに仕事をするというやり方がある。
  例えばアフリカのことなどめったなことでは新聞に載らない。しかしとても重要だ。その最近の動向を押さえておく必要があるが、私たちにはそんな力がない。そこで「アフリカ日本協議会」という東京に事務局のあるNGOに情報収集とホームページへの掲載を依頼してやってもらっている。そうして現在の学者の非力を補ってもらいながら、しかし学者も仕事をする。後衛に回ってきちんとした仕事をする。そんなことも大切だと思う。」

■ 見立てについて

◆立岩 真也 2013/05/20 『私的所有論 第2版』,生活書院・文庫版,973p. ISBN-10: 4865000062 ISBN-13: 978-4865000061 1800+ [amazon][kinokuniya] ※
◆立岩 真也・堀田 義太郎 2012/06/10 『差異と平等――障害とケア/有償と無償』,青土社,342+17p. ISBN-10: 4791766458 ISBN-13: 978-4791766451 [amazon][kinokuniya] ※
◆立岩 真也・村上 潔 2011/12/05 『家族性分業論前哨』,生活書院,360p. ISBN-10: 4903690865 ISBN-13: 978-4903690865 2200+110 [amazon][kinokuniya] ※ w02, f04
◆立岩 真也・齊藤・拓 2010/04/10 『ベーシックインカム――分配する最小国家の可能性』,青土社,ISBN-10: 4791765257 ISBN-13: 978-4791765256 2310 [amazon][kinokuniya] ※ bi.

『私的所有論  第2版』表紙   『差異と平等――障害とケア/有償と無償』表紙   『家族性分業論前哨』表紙   『ベーシックインカム――分配する最小国家の可能性』表紙  

◇立岩 真也 20130101 「連載・85」,『現代思想』41-(2013-01)より

 「まず、起こっているまた起こる事態の認識について[…]。一つに、生産性・生産力の上昇が言われ、労働力の過剰が言われる。またそれを論の前提にする。そしてそれを基本的には肯定的に捉えた。その上で労働人口の余剰で雇う側は有利になることを言い、社会はそれをどう取り繕うか、その対処で苦労するのだと捉えた[…]
 そしてそれは、二〇世紀においては未来のことではなく、既にそうなっていると考えた方がよい。「完全雇用」が存在した時期、人が不足した時期はむしろ特別な時期であり、さらにそこには国際的な市場(の国家による制御)のあり様が関わっている――優位であり、国外への輸出が可能でそれがなされる間、その国々では雇用が確保される(ただ、やがて生産地の移転が可能になれば、その優位が失われる)。あるいは、かつて完全雇用が存在したという事実認識自体が間違っている。もうかなりの期間、常に過剰であってきたとも言える。政府の失業率の統計のとり方については言うまでもないだろう。(例えば近代家族は過剰の調整装置でもあったし今でもあると立岩[2003]に記した。)そしてそれは「少子高齢化」が進む現在・将来においても変わらない。
 そして他方、しばらくの間――つまり、世の中の「流れ」が変わってそうした言説がやがて消えていったその手前に――想定されたようである(財の購入という普通の意味における)消費は無限に亢進していくといったことにはならなかった。働いて稼ぐことを否定しない限り――否定しない――その分については(天秤にかけられる人は)天秤にかけることになる。そして(今度は広義の)消費における差異化の欲望は依然として――有史以来といってもよいかもしれない――存在するが、それは――高価なものを有することに価値を見出す(それはつまりは所有の顕示である)というのでないかぎり――消費(→生産)の総量を増やすことに結びつかない。
 そうするとどうなるか。たしかに人々が全体として貧窮化していくことにはならなかった。それは今記したことから当然である。しかし、すくなくとも相対的な格差が広がっていくのは当然のことである。そしてそれは絶対的な貧困をももたらす。例えば、一方に、人手をさほど要しない、多くの人に届けられる製品があり、産業があって、その生産財(技術…)の所有は強く――というのは、私もそれを全部なくすことについては賛成しないからだ――護られている。他方に、機械を使うよりより安いから雇われるといった仕事があり、飽和した市場における取り分(「シェア」)を巡る争いの先端で働く仕事が人間に残される。そうした仕事からも外れる人がいる。第83回(二〇一二年十一月号・特集「女性と貧困」)で述べた。」

 ……ここまでが当日配布されました。



◆2014/02/12 https://twitter.com/saitoryoichiro/status/433548490799476736
 「斉藤龍一郎 ?@saitoryoichiro AJF理事でもある立命館大学教員の立岩さんが、2月22日午後、東京・上野公園の 国立科学博物館講堂で標記の講演をします。 立岩真也が語る、生存学 −人権を考える視点としての「障老病異」−  http://www.tokyo-jinken.or.jp/jigyou/tkouzah253.htm …」

◆2014/02/22 https://twitter.com/itamitakashi/status/432372342296027136
 「伊丹 高 ?@itamitakashi 立岩真也氏『生存学』講演会2/22かぁ〜!ふくしま集団疎開裁判デモと重なってしまい残念!こちらも人権問題だからなぁ。 pic.twitter.com/WrkDuyTdZj」

◆2014/02/23 https://twitter.com/tokyojinken/status/436356541050933249
 「公益財団法人東京都人権啓発センター認証済みアカウント ?@tokyojinken 2月22日(土)に開催する都民講座「立岩真也が語る、生存学 −人権を考える視点としての「障老病異」ー」は、定員に達しましたので、申込みの受付を終了いたしました。 http://www.tokyo-jinken.or.jp/jigyou/tkouzah253.htm …」


UP:20140219 REV:20140223
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