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紹介『造反有理――精神医療現代史へ』
立岩 真也
2014/02/23
『立命館大学生存学研究センター メールマガジン』第23号[通巻63号]
http://archive.mag2.com/0001126512/index.html
◆立岩 真也 2013/12/10
『造反有理――精神医療現代史へ』
,青土社,433p. ISBN-10: 4791767446 ISBN-13: 978-4791767441 2800+
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[kinokuniya]
※ m.
精神医療に関わる本はもう長いこと、ありすぎるほどある。その大部分はその対処を説く本であり、それらに混じって、製薬会社の陰謀や医療・医師の無能・加害を糾するものがいくらかあるといった具合になっている。他方(日本の)「医療史」の範囲となると、多くは明治・大正といった時期についてのものが多い。
それらはそれらでよい。ただ、医療を否定しない/できないながらも、たんにその進歩を願うというのではない、自らが乗っている体制を否定する医療者たちの動きがあったことは、ごく一部の人たちには自明のことで、他の一部の人たちにはたんなる蒙昧と暴力の時期があったということであり、そして多くの人はまったく知らない。そして、その動きはなされるべきものでもあったが、半端でもあり、うまくいかないところもあった。半端でうまくいかないところもあったが、基本的に、その意味はあった。当然あるべきまとまった「先行研究」がなく、よって知識が社会にないなかで、事実を、そして厄介なことでありつつなされるべきであった(と私は考えている)ことを伝えることの難しさを思ったけれども、思っていても仕方がないので、とにかく一冊分書いた。
いくらかでも関係・関心がある人にとっては、好き嫌いは別として、「基礎知識」の一部だと考える。だから手にとってください。それから、多くの人・文献・事件…がこの本には出てくるが、載せられた仕方なく情報は限られている。準備中の電子書籍版では、本センターの関連ページへのハイパーリンクが大量に付されている。たんに電子書籍化されるというにとどまらない、電子書籍ならではの益を得られるはずである。以下のHPにも関連情報(へのリンク)を多く掲載している。利用していただきたい。
http://www.arsvi.com/ts/2013b2.htm
今度の本でほぼまったく無視した「本人」たちのことについて。
『現代思想』
の5月号が精神医療…の特集になるそうで、そこにこのセンターで行なわれたインタビュー他が掲載されたりするはずなので、それもぜひご覧いただけばと。
UP:20140223 REV:
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立岩 真也
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