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日本産科婦人科学会の指針案について

立岩 真也 2012/12/16
NHKニュース



■関連する企画

★東京◎◇「新しい出生前検査について語ろう」開催のお知らせ◇◎
日時:12月23日(日)13:30〜16:30
会場:文京シビックセンター 5階B会議(会場案内は末尾に)
資料代:500円

「『ハイリスク』な女の声をとどける会」と「SOSHIREN女(わたし)のからだから」が一緒に、この集まりを開きます。
新型出生前診断とも呼ばれる検査について、妊娠している人、これから妊娠するかもしれない人、妊娠したこともするつもりもない人、子育て中の人、障害をもつ人、医療にたずさわる人など、たくさんの立場から、何を考えどうしていきたいかを語る場にしたいと思います。
この検査について関心をおもちの方、まだ詳しく知らない方も、どうぞおこしくださ
い。

開催する二つの会が日本産科婦人科学会に出した意見書は、次のアドレスから、ご覧
いただけます。
とどける会のブログ http://hrwomen2012.blogspot.jp/
ソシレンのホームページ http://www.soshiren.org/

聴覚障害、視覚障害などで情報保障を必要とされる方は、事前にご相談ください。
会場と最寄りの交通機関は、車イスに対応しています。
集会に関するお問合せ先:gogo@soshiren.org  SOSHIREN女(わたし)のからだから

*会場−−文京シビックセンター案内
・住所:東京都文京区春日1−16−21
・交通機関:
  東京メトロ 後楽園駅・丸の内線(4a・5番出口)南北線(5番出口)徒歩1分
  都営地下鉄春日駅三田線・大江戸線(文京シビックセンター連絡口)徒歩1分
  JR総武線 水道橋駅(東口)徒歩9分
・駐車場利用時間:8:15〜22:00
・地図 
http://www.city.bunkyo.lg.jp/sosiki_busyo_shisetsukanri_shisetsu_civic.html

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★大阪◎◇「血液検査だけで子どもの『障がい』がわかるって それっていいこと?
わるいこと? ―ダウン症でなにがわるいねん」開催のお知らせ◇◎

新たな出生前診断導入は、子どもをもとうとする女性やカップル、障がいや病とともに暮らす人たちに何をもたらすのか、その問題点について考えます。
この間、出生前診断全般について丁寧な取材を重ねておられる加納記者と、京都ダウ
ン症児を育てる親の会の佐々木さんに話していただきます。
その後、ダウン症の本人たちによるトークに続いて、彼/彼女たちが日頃練習を重ね、楽しんでいるオカリナ演奏やヒップホップダンスではじけます。

日時:2012年12月23日(日)13時30分〜16時30分
会場:大阪ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)
   京阪/地下鉄谷町線「天満橋」駅下車、徒歩5分
 http://www.dawncenter.or.jp/shisetsu/map.html
内容:講演「出生前診断について考える―報道最前線から」加納昭彦氏(読売新聞医療情報部記者)
   トーク「子どもから学んだこと」 佐々木和子氏(京都ダウン症児を育てる親の会・紙芝居プロジェクト)
   障害当事者のみなさんによるトーク「リアル@ダウン症」やオカリナ演奏、ヒップホップダンス
資料代:500円
主 催:生殖医療と差別・紙芝居プロジェクト(旧優生思想を問うネットワーク)
協 賛:京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)
連絡先:TEL:06-6646-3883(女性のための街かど相談室 ここ・からサロン) 
E-mail: kamisibai.cat@orange.zero.jp

*手話通訳の用意あります。

■最終的にお送りしたコメント(電話取材→記者による原稿→なおし〜やりとり何度か)
 実際に報道されたものとはすこし異なります。

 「日本産科婦人科学会が示した指針の案について社会学者で出生前診断の動向を知る立命館大学の立岩真也教授は、「検査の推進に対する疑問や批判にいくらか配慮したのだろう」とした上で、「ダウン症の人たちの多くは苦しくもないし、不幸でもない。障害者たちが生きにくいのはこの社会だからこそだが、出生前検査は障害がある場合の妊娠中絶の可能性を見込んでなされる。それを是認しつつ他方では、批判も受けてか、カウンセリングで障害を受けいれることも伝えられる。それで医療者側は「中立」でいられ「決定」は妊婦側に委ねられる。悩みを作り出すとも言える。」と指摘しています。また、実施施設の認定制度については、「学会は従来の出生前検査についても指針を示してきたが、それに反する医療者には何もできなかった。学会で対応できないなら、どんな対応をどこに求めるのか。きちんと機能するのか疑問だ」と話しました。」

■実際に報道されたもの
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121216/k10014210391000.html

  「新しい出生前検査 学会が指針案

  妊婦の血液を調べ、胎児に染色体の異常があるかどうか判定する、新しい出生前検査について、日本産科婦人科学会は、専門のカウンセリング態勢が整った施設に限って実施するという指針の案をまとめるとともに、施設の認定・登録制度を始める考えを明らかにしました。
  新しい出生前検査は、妊婦の血液を調べ、胎児にダウン症などを引き起こす染色体の異常があるかどうか判定するもので、全国の20近い施設が導入を検討していますが、日本産科婦人科学会は、安易な実施は慎むべきだとして、指針の作成を進めてきました。 学会が15日に公表した指針の案では、専門のカウンセリング態勢が整った施設に限って、妊婦が35歳以上か、生まれてくる子どもに染色体異常の可能性がある場合に実施するとしています。
  さらに、こうした条件を満たしているか審査する組織を、関連する学会と共に設立し、施設の認定・登録制度を始める考えを明らかにしました。
  記者会見した小西郁生理事長は、「新しい検査は、認定・登録された施設で、臨床研究として慎重に始めるべきで、遺伝カウンセリングが必須だ」と話しました。
日本産科婦人科学会では、ホームページで指針案を公開し、一般からの意見を聞いたうえで、来年3月に新しい検査の指針を決めることにしています。

“検査受ける妊婦 さらに悩むことに”   日本産科婦人科学会が示した指針の案について、社会学が専門で出生前検査の動向に詳しい立命館大学の立岩真也教授は、「検査に対する疑問や批判に、いくらか配慮したのだろう」としたうえで、「ダウン症の人たちの多くは苦しくもないし、不幸でもない。障害のある人たちが生きにくい社会だからこそ、出生前検査は障害がある場合の妊娠中絶の可能性を見込んでなされる。学会はこうした考えを認める一方で、カウンセリングでは障害を受け入れることも伝える、としている。医療者側は『中立』でいられるが、検査を受ける妊婦は、さらに悩むことになるのではないか」と指摘しています。 また、実施施設の認定制度については、「学会は、従来の出生前検査でも指針を示してきたが、それに反する医療者には何の対応もできなかった。きちんと機能するか疑問だ」と話しました。」


UP:20121221 REV:
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