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死の自己決定について

立岩 真也 2012/07/27発送
『中外日報』(中外日報社)


 自己決定についてという御依頼なので、幾つか指摘させていただく。第一点。死に関わる自己決定が認められるか。自殺幇助は法的に禁じられているし、法律云々を別として、自殺を止めに入ることは許容される、むしろなされるべきことだと一般にされる。死の自己決定権の正当性は自明ではない。次にこの自己決定権を認めたとしても問題は残る。第二点、主に家族の身体的・経済的負担のために死を選ばざるをえなかった人たちが多く、いくらでも、いる。生きられる条件をきちんと用意してから選択を論ずるべきだという主張はまったくもっともだと思う。加えて第三点、事前の決定はどこまで有効か。変更可能だとされても、言葉を失えば言えない。健康な状態の時の決定は必然的に想像による。それは病者・障害者への偏見に基づいていると言えないか。


UP:20120727 REV:
安楽死・尊厳死 2012  ◇安楽死・尊厳死  ◇自己決定  ◇立岩 真也
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