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第2版でます

HTML&テキストファイル版発売 500円です*→gumroad経由 その事情

 *2016/10/06テキストファイル版のみ発売。400円。
 *2016/10/12HTML版発売。テキストとHTML(便利です〜HP見られている人なら誰でも見られます&リンク等あります)の両方が入手できます。価格変更500円。既に400円で買った人は無料で新しいファイルを得られるはずです(そのようなメールがGumroadから行ったのではないかと)。違ったら立岩まで連絡をください→tae01303@nifty.ne.jp

『人間の条件――そんなものない』表紙
人間の条件   そんなものない
立岩 真也 2010/08/16
 『人間の条件――そんなものない』
 Kyoto Books
目次
簡単で別な姿の世界、を歌えないなら、字を書く[序文]
この本を巡る悲しい話
書評・紹介 □訂正

English  □Korean

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立岩 真也 2018/05/05 立岩真也『人間の条件――そんなものない 第2版』,新曜社

◆立岩 真也 2010/08/10 「本出ました+余談――人間の条件・31」

◆2010 紀伊國屋じんぶんべスト30に採択
 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/bookfair/jinbun2010.html

 
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 ◆目次

■■ 簡単で別な姿の世界、を歌えないなら、字を書く

■■序 

 ■1 なにが書いてあるか
 ■2 なぜそんなことを

■■T できなくてなんだ

 ■1 できることはよい
 ■2 できないことがよいことでもあること
 ■3 だが勝手に持ち上げられたら迷惑であること
 ■4 自分でしない方が楽なことがある
 ■5 代わってもらえない場合
 ■6 他人がいてしまうこと
 ■7 他人は信用できない、から自分で
 ■[補] 民主主義
 ■8 たしかにできないと困る、のだが
 ■9 以前から足りていて、そして楽になっている

■■U ならどうならよいか・1

 ■1 一人ひとりが自分の分という案
 ■2 苦楽の公平はありだと人は思っている

■■V しかしこの世の仕組み――私たちの社会は変だ

 ■1 きまりA:私の作ったものが私のもの/価値B:私がすることできることが私
 ■2 そのことが気になったこと
 ■3 同じにできるようにはならないし、できたからどうというものでもない
 ■4 どうということではないという気持ちをもらったこと
 ■5 「学問」でないものからもらったこと
 ■6 私の作ったものが私のものであるが正しい、理由はない

■■W でも社会はそうじゃないかという話

 ■1 人がそうなるならそうなるという話
 ■2 関係が人を決めるという話
 ■3 ならまず社会を変えてしまえばよいという話
 ■4 順番に、小分けにして、考えてみようと思ったこと

■■X 人は違うものを信じている

 ■1 人は違うものを信じている
 ■2 他者がいた方がよいと思っている
 ■3 たんに私は生きたいと思っている
 ■4 譲れないもののために分けられる

■■Y 差は仕方がない、必要だというお話について

 ■1 そうなってしまうというお話の繰り返し
 ■2 これできまりという答はない、が
 ■3 自然はそうなっているという話
 ■4 都合よく自然をもってきてしまう

■■Z 「機会の平等」というお話がいけてない話

 ■1 差は縮まるという話
 ■2 それなりのことはなされ外堀が埋められる
 ■3 しかしそれでも
 ■4 学校の話・続
 ■5 より「深い」ところに差があるという話
 ■6 で、どうするのか?

■■[ むしろ差は大きくなる

 ■1 差は大きくなる
 ■2 「貧困」の再浮上
 ■3 多くの人を相手にできる商売
 ■4 身体系の商売の一部
 ■5 作り手を限るきまり

■■\ 文句の言い方

 ■1 このままでよい・対・いやよくない
 ■2 搾取?
 ■3 「最低限」を保障でよくはないか、について
 ■4 貧乏の証明問題

■■] 世界の分け方

 ■1 世界を分ける
 ■2 人数で割ってしまえ、という案
 ■3 A:苦労には報いる+人数割り 〜同じだけ働いて同じだけ受けとるという案
 ■4 苦労した分よけいに受けとるという案
 ■5 なかなかそうもいかない→B
 ■6 税を使ってBをAに近づけるという方法

■■XI 違いへの応じ方

 ■1 同じから始めることについての復習
 ■2 違うからこそまず「総額」を同じにすること
 ■3 必要なものが違うとき
 ■4 「ほしいだけ」はなしか
 ■5 経済学が言うことは似ているようで全然違う
 ■6 ありなこともある

■■XII 材料も仕事も分ける

 ■1 お金を分けるだけでよいか
 ■2 材料(知識含む)を分ける
 ■3 人は余る、それはわるいことではない
 ■4 生産を増やすという方法はあまりうまくいかない
 ■5 再び、人は足りないのか多いのか
 ■6 仕事を分ける

■■ 終わりに

 ■ 本の紹介
 ■ 予告

■■ 補
 ■ 補・1 教科書に書いたこと
 ・少子高齢化は「大変」か
 ・政治は何をやるべきか
 ・何を、どう配分するか
 ・世界は世界を救えるか
 ■ 補・2 三人のひとと話してみた
 ・「できる」ことは「人間の価値」ではない――社納葉子さんと
 ・明るくないけど、変えることは不可能じゃない――山田真さん
 ・それでも世の中は回っていく――岡崎勝さんと

 
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簡単で別な姿の世界、を歌えないなら、字を書く[序文]

 2010年に20歳になった子がいて、質問したら、RCサクセション・忌野清志郎といったあたりはあまり聞かないと言う。だから、中学生以上はどうぞ、というこのシリーズの本に書いてもだめかなとは思いつつ、書くのだが、この本を仕上げねばと仕事をしていた2010年の5月2日は清志郎(1951年生まれ)の1周忌の日で、FMで一日中彼の歌をやっていて、すくなくともそれから数日、はまってしまった。ユーチューブをそれまでほとんど使ったことのない私は、「スローバラード」(1976年)の各種ライブ版やらいくつかの 種類のを、そして、それまで聞いたたことのない曲やら含めて、ずっと聞きながら、この本の原稿をなんとか仕上げようとしてきたのだ。
じつは彼のものをそう聞いてきたわけではない。むしろ「洋もの」を聞くことが多くて、それは原稿仕事をしながら音をかけているので、英語の歌詞だと頭に入らなくてよいという事情もあったように思う――おかげで、かどうなのか、英語を私は言語としてまるで認識できないようになってしまっている。そしてここ長くは「歌もの」を聞くことも少なかった。のだが、ここ数日は「スローバード」(1976)ばかり聞いている。
 いくらあらためて感動したにしても、なんでこんなことをここに書いているかは、この本のVの4(95ページ〜)を読んでもらうとすこしわかってもらえるかもしれない。この歌は、なにか新規なというよりは、ものすごく正統なコード進行とメロディーと、そしてものすごく短い歌詞の歌で、しかし、他の数あるまともな歌たちもまたそうであるように、あるいは歌でない様々なものたちもまたそうであるように、それだけでよいのだ、ほんとうは。
 でも私は字を書いている。なんで、そして何を書いて来たのか、書いているのか。この本では、他に書いてないこともいくらかまぜながらそんなことを少し書いてみた。

 一人で書いた3つめの本の副題が「簡単で別な姿の世界」という(2004年)。本題は「自由の平等」というすごくべたな題なのだが、その表紙はひと工夫したつもりで、この二つの題を「自由の平等――簡単で別な姿の世界」と普通にならべて読むこともできるのだが、「自由の簡単な姿」「平等で別の世界」と読むこともできる。

 そんなことを考えていて、書いている。
 なんでそんなことをわざわざという気もする。けれども、書いた方がよいのだろうと思うところもあって、書いている。
 そして、歌うならともかく、字を書くなら、退屈でも、長くなっても、順番通りに書こうと思ってきた。それで、まわりくどいとか、ぐねぐねしているとか、私の書きものの評判はさんざんなのだ。けれどもそれは仕方がないと居直ることにした。短く言えることや言葉もいらないようなことは清志郎のような人に歌ってもらったらよい。私(たち)はそのずっと後にいて、退屈な、でも必要だとは思う仕事をする。そういうことだろうと思う。
 それでもこの本を、今までのものに比べてぐねぐねしないように、書こうと思った。ただ部分的には、ちかごろは大人の間でもしないような話が混ざっていて、いま的には普通でない話もあることはある。てきとうに飛ばしてもらってもよい。
 でも、基本的には、むだなことは書いてないはずだ。ただ、もうすこし――これもまたよく言われるのだが――「具体的」な話を続けてしたいなとは思っている。この本は、理論社のウェブ連載「人間の条件」――すごい題をつけてもらったものだと思う――がもとになっている――ただし、かなり大幅な順番の入れ替えなどを行なった――のだが、それをまだしばらく続けてさせてもらい、この本の続篇をまたそのうち出してもらえればと思っている。

                        2010年5月5日

 
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■この本を巡る悲しい話

 本書は2010年8月16日に発行されました。発行後半年だったかに印税の支払いということでしたが、その前、2010年の秋に理論社は会社更生法の適用を受けることになりました。つぶれたかつぶれたに近いことになりました。まったく突然のできごとでありました。それでひさじふりにまとまった額が払われる予定であった印税――私が書くような本はだいたい初刷2500部ぐらいのものですがこの本はたしか10000部刷ったのではないかと――はまったく支払われないままになりました。そして本書(とよりみちパン!セシリーズの多く)は、その時の会社の対応のこともあり、担当の編集者から話があり、ここからは販売されないことになりました。まあまあ売れていた本書はしばらく入手できないことになりました。
 その後、この本(とよりみちパン!セシリーズの多く)はイースト・プレスという出版社で販売されることになりましたが、ここでも会社との間で問題が起こったようで、ここでの販売もされないことになったようです。そしてここでも印税は支払われていません。アマゾンなど見るとまだ販売されているようですが、その事情はよくわかりません。
 というような次第です。別の出版社からという話もないではないですが、今のところ実現はしていません。それでとりあえず「唯のテキストファイル版」を出すことにしました。ふりがなと挿絵がなくなってしまいましたが、文章は読めます。この版を作るにあたりひさしぶりに見返してみると、微妙にくだけた文体がこういうものでよかったかという思いはあるものの――しかし他のやり方は思いつかず――中身的にはけっこうよいではないかと思えました。まず一冊、これを読んでいただけると、と思います。400円です。→Gumroad
 そしてさらにもう少しという人は、やはりこのたび電子書籍版で出た『私的所有論』他をお買い求めていただきますようお願いいたします。電子書籍版『私的所有論』1000円です。→Gumroad

※以下は2011に記した注記。現在は上記のような状態です。

説明は略しますが、理論社に対して契約解除の手続きを行いました。(理論社はこの本を、書店に出ている分については仕方ないみたいですが、販売することができません。& 理論社は印税を現在まで売れた分も含めてまったく払いません。)
今後アマゾン等含む書店でお買い求めの際は上記、イーストプレス版(今後はここから「よりみちパン!セ」シリーズの再刊・新刊が出ていくことになります。)でお願いいたします。(2011.7)
 →http://www.eastpress.co.jp/shosai.php?serial=1335

■『人間の条件 そんなものない』を読んだ人に

 著者 立岩真也さんからのおすすめメディア
 恥ずかしついでに中〜高校の時に読み聞きしていたもの順番に。小説は忘れたので略。
◇『谷川俊太郎詩集』(1965、思潮社、「続」は1979、思潮社)
今でも希に本の題とかに使える言葉がないかと開くことあり。成功したことはなし。
◇The Rolling Stones のいろいろの中の幾つか
学校に行く前威勢よくなるため聞いていたのがどれだったのか、特定できませんでした。
◇Eric Dolphy at the Five Spot, Volume 2(録音1961、CDあり)
偉すぎてめったに聞かない人ですが、“Aggression”は頭に来てる時とかよいです。
◇武満徹「ガーデンレイン」(録音1974、LP『ミニアチュール第5集』、題名の違う中身の同じCDは廃盤だが他で探せなくはない)
高校の図書館で借りた『音、沈黙と測りあえるほどに』(1971、新潮社)を見つけて知って最初に買ったLPに収録。初期の曲の方が私は好き。
最後のは大学に入ってから
◇『1900年』(1976、ベルナルド・ベルトルッチ監督)
映画観ていると人生終わりそうなので、25年ほど前に観るのをやめました。


 
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書評・紹介・言及

 こちらをご覧ください。→書評・紹介・言及



 

■古い情報
唯のテキストファイル版発売(2016/10/06)400円です→gumroad経由 その事情


UP:20100506 REV:20100507, 08, 09, 10, 0703, 21, 0803, 06, 07, 12, 13, 19, 20, 25, 27, 29, 31, 0901, 02, 03, 07, 08, 09, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 24, 1001, 04, 05, 07, 09, 12, 15, 18, 23, 29, 1101, 07, 25, 1215, 23, 20110107, 16, 21, 30, 0202, 11, 0309, 0509, 16, 0703, 16, 0807, 17, 0902, 20120105, 21, 0205, 0315,0720, 20141201, 20161006, 07, 12
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