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御挨拶
立岩 真也
2010/01/25
English Version
The Second Workshop with Professor Philippe Van Parijs
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/2009/20100125.htm
ヴァン・パリース先生、再び立命館大学にようこそおいでくださいました。ありがとうございます。
この企画を共催する
「立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点――障老病異と共に暮らす世界の創造」
のプログラムリーダーを務めている立岩です。ただ私、ついしばらく前まで忘れていたのですが、本日東京で講演の仕事がありまして、この会場にいることができません。すみません。私も楽しみにしていたのですが、残念です。
さてすこし「学問」の話を。2006年の7月に立命館大学にいらしたとき、私は3点質問をしました。そして今も同じことを考えています。一つは、分配を所得の分配に限るのかという点でした。私は加えて生産財の分配や労働の分配が、いくつかそれに問題があることを認めつつも、必要だと考えています。一つは、労働の義務についてです。私は、労働の義務はあると言わざるをえない、しかし、現実の政策において就労と所得保障と結びつけるのはよくないと考えています。一つは、人と人の間にある差異への対応についてです。御著書の第3章で展開される「非優越的多様性」にはかなり大きな問題があると考えます。とくにこの第3点について、私も意見を述べ、応答をいただきたいと思っていたのですが、残念ながらかないません。
じつは、先生の御本を翻訳した齊藤拓さんといっしょに今度、私が上記した論点他について論じた文章と、齊藤さんがベーシックインカムを巡る議論を紹介しベーシックインカムの意義を示す文章を合わせて、共著の本として、この3月に出版する計画が進んでいます。そのうち、「非優越的多様性」について論じた部分を英訳してもらいました(→
"On "Undominated Diversity""
)。みなさんにご覧いただければと思います。
ベーシックインカムに関する議論はこのところ日本でも盛んなようで、やはりこの3月には、この会場にいらっしゃる山森さんなどが中心になったネットワークが発足するようです。私たちもそうした議論に貢献できればと思っております。また今日は言語的正義についての議論もなされるということで、参加者の多くも関心をもっております。どうか本日よろしくお願いいたします。以上をもって(本人不在の)御挨拶に代えさせていただきます。
◆立岩 真也 2010/01/25
"On "Undominated Diversity""
, The Second Workshop with Professor Philippe Van Parijs
◆立岩 真也 2006/07/07
「質問(?)」
Workshop with Professor Philippe Van Parijs
於:立命館大学
◆立岩 真也・
齊藤 拓
2010/03/** 『(未定)』,青土社
文献表
◆Van Parijs, Philippe 1995
Real Freedom for All-What (if Anything) Can Justify Capitalism?
, Oxford University Press=20090610
後藤 玲子
・
齊藤 拓
訳,
『ベーシック・インカムの哲学――すべての人にリアルな自由を』
,勁草書房,494p. ISBN-10: 4326101830 ISBN-13: 978-4326101832 \6000
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UP:20100105 REV:20100122
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立岩 真也
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