実際、障害学は所謂「Bioethics」の諸主題を重要なものと考え、取り組んできた★01。そして、所謂「Bioethics」と日本で考えられてきたこととの関係については、いま冒頭部分を引用した立岩[2007]○にいくらかを記した。ただこれは日本語版しかない。上記した、この主題で日本で刊行され翻訳されることが望ましい本を挙げた文章(国際交流基金が発行している英語雑誌『Japanese Book News』に掲載された)に、短くではあるがいくらかのことを記したので、まずはそれを読んでいただきたい。そこには以下に記すことに関係する主題について英語の書籍として出版された加藤雅枝(Masae Kato)★02の Women’s Rights? The Politics of Eugenic Abortion in Modern Japan(Kato[2009]○)も挙げてある。以下では、この主題についてなにかまとまったことを述べる――私については、それらはいくつかの著作において行なってきている★03――というより、いくつかのできごと、挿話を記しておく。