そこで、鄭が連絡・調整をしてくれて、まず2008年10月23日に、立命館大学で日韓障害者運動史懇談会を行った。来ていただいたのは、金大成さん(現・韓国DPI事務局長、80年代からの変革的障害者運動のリーダーの一人)、李相鎬さん(現・ソウル市市議会議員、前・陽川自立生活センター所長)、゙漢鎭さん (大邱(デグ)大学社会福祉学部教授、障害学専攻)の3人だった。日本からは三澤了さん(DPI日本会議)と立岩が報告し、情報を共有し、意見を交換した。以下はその広告の一部。
このセミナーではこちらの院生である川口有美子も日本の状況について発言をした。またこの訪韓の折、私たちは韓国ALS協会の事務局の他、安孝淑(Korean)さんのソウル市のお宅を訪ね、安さんとそのお母さん――ALSの彼女と安さんと妹さんの共著による本も出版されている(右がその表紙)――と話をする機会を得た。
4月、2008年に会った安が先端総合学術研究科に入学し、お母さんとともに京都に滞在することになった。また韓国の大学を卒業し、老人福祉施設で働いた後、2009年2月からは在日の高齢者が多く入居している京都の社会福祉法人「こころの家族 故郷の家・京都」に務めながら、大学院への進学を考えていたイ・ウク(English、Korean)も入学してきた(右の写真は5月の訪韓の折、キョンギ大学で報告するイ)。これら3人の韓国からの留学生3人は各自の研究を進めつつ、現在、日本語頁を翻訳し韓国語のHPを構築する作業を精力的に担ってくれている。またテグ大学の大学院に留学した経験もあるあべ・やすしさん、梨花女子大学の大学院に留学した経験もあるきむ・うじゃさんもこの作業に協力してくれている。
そして、5月27日から30日、企画の立案や韓国での案内や通訳をしてくれた鄭とイを含む私たちの院生とCOEのPD他総勢9名と立岩は、韓国を訪れ、韓国の人たちとの
研究交流を行なった。27日には研究空間〈スユ+ノモ〉で、29日には京畿[キョンギ]大学で、韓日双方の大学院生他が報告し質疑応答を行なった。また28日には、各自が自らの研究テーマに関連する聞き取り調査等を行なった。また立岩は、28日にはヨンセ大学を会場に開催された韓国社会福祉政策学会大会で報告「「限界」を巡る攻防――日本のこの10年について」を行い、その前後、2010年の秋に韓国で、2011年の初頭に立命館大学で開催予定の研究交流の企画について打ち合わせをした。
「私たちは、果敢に闘い、短い時間の間に多くを獲得してきた韓国の障害運動とそれを担ってきた方々を尊敬し、学びたいと思う。既に韓日の障害者たち、障害者運動は互いに多くを学んできた。著者の一人で、研究を職業とはしていない安積遊歩にも韓国の人たちの交流がある。むしろ研究者たちの方が遅れてきた。ようやく2008年から、[…]「生存学創成拠点」の活動として、韓国と日本で、拠点の教員や大学院生と韓国の研究者・運動家の議論が始まったが、それはこの2年間にずいぶん活発なものになってきた。喜慶さんに続く留学生も来てくれている。また韓国での学会や研究集会に招いていただいたりすることも増えてきた。互いが互いを知り、議論していけることを私たちは願っている。そのために本書がいくらかでも役立つのなら、それは私たちの望外の幸せである。」