1999年にその『障害学への招待』が刊行され、「この種の本にしては思いがけず大きな反響があった。」(石川)。構成だけを紹介しよう。第1章「障害学に向けて」(長瀬修)、第2章「障害、テクノロジー、アイデンティティ」(石川准)、第3章「なにより、でないが、とても、大切なもの――自己決定する自立、について」(立岩真也)、第4章「「障害」と出生前診断」(玉井真理子)、第5章「優生思想の系譜」)市野川容孝)、第6章「ろう文化と障害、障害者」(森壮也)、第7章「聾教育における「障害」の構築」(金澤貴之)、第8章「異形のパラドックス――青い芝・ドッグレッグス・劇団態変」(倉本智明)、第9章「歴史は創られる」(花田春兆)、第10章「障害学から見た精神障害――精神障害の社会学」(山田富秋)
そして2002年には、『障害学への招待』の続篇といった位置付けの本、石川准と倉本智明(くらもと・ともあき、1963〜、[Korean])の編で『障害学の主張』(石川・倉本編[2002]○)が刊行された。倉本は、視覚障害があり、大学・大学院では経済学・社会福祉学を学んだ。単著に『だれか、ふつうを教えてくれ!』(倉本[2006]○)がある。この本の章立ては、第1章「ディスアビリティの削減、インペアメントの変換」(石川准)、第2章「ないにこしたことはない、か・1」(立岩真也)、第3章「障害者を嫌がり、嫌い、恐れるということ」(好井裕明)、第4章「欲望する、<男>になる」(倉本智明)、第5章「声を生み出すこと――女性障害者運動の軌跡」(瀬山紀子)、「能力と危害」(寺本晃久)、「インペアメントを語る契機――イギリス障害学理論の展開」(杉野昭博)。
障害学会は、学会誌として『障害学研究』を2005年以降、基本年1回、発行してきた。これまでに第1号(2005)、第2号『障害学研究』(2006)、
第3号(2008)、
第4号(2008)、
第5号(2009)。投稿され査読を経て掲載される論文の他、書評、エッセイ、また学会大会のシンポジウムの記録が掲載されている。視覚障害者等にはディジタル・データの提供が行われているが、それでも日本語を読める人しか読めない。ただ各号の目次の韓国語版はこの私たちのHPに掲載されている。