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『좋은 죽음』(『良い死』コリア語訳)

다테이와 신야 저/정효운,배관문 역 20150529 청년사,411p.
『良い死』』(2008,筑摩書房)

last update:20150825

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다테이와 신야 저/정효운,배관문 역 20150529 『좋은 죽음』,청년사,411p. ISBN-10: 8972782939 ISBN-13: 9788972782933 18000원[교보문고][알라딘] ※d01.et.d00.

コリア語版序文

 言うまでもなく、主張の根拠の根拠をと問うていけば、結局のところ、互いにあいいれない命題が併存することがあり、対立が解消されないままになることもある。そして、本書で主張されることが、欧米の一部で展開されてきた所謂 bioethics において有力な議論と異なる部分があることは承知している。すると、その違い・対立は調停不可能な神々の争いということになるだろうか。私自身、その bioethics で有力とされる論者他に、とくに主体の自律、自律する主体に対するそれ以上の根拠を見いだせない強い信仰を実感することが多い。そう簡単に意見が一致することがあるとも、また一致しなければならないとも思わない。
 しかし、私は本書でなされる主張についてそれを述べるに際しての論理は明示している。そして、本書で扱った主題について私が本書に記したことが特殊な文化を前提したものであると考えていない。むしろ、前述した強い信仰がない方が世界のどこでも一般的なのであり、ゆえに本書に述べたことは世界のどこでも理解されると考えている。実際にそうなるのかどうか、この本が韓国の読者の方々に読まれることを願っている。

 なお、本書は死の決定について論じたのだが、その議論の基底にあるのは著者の最初の著書『私的所有論』(1997年に初版、2013年に第2版)における思考である。その英訳版を2104年中に電子書籍で出版する予定である。興味があればご覧いただきたい。
 また本書冒頭で関連する本を3冊出すと述べたが、2冊めの『唯の生』は2009年に出版された。ここにはさきに「有力とされる論者」と述べた中に含まれる Peter SingerHelga Kuhse の論を検討した章(第1章「人命の特別を言わず/言う」)もある。また3冊めは、当初の予定と異なる構成で2012年に有馬斉(ありま・ひとし)との共著で『生死の語り行い・1』として刊行された。その書では有馬が功利主義による安楽死肯定論を紹介している。また1978年から2012年にかけて種々の団体から出された法制化に賛成・反対する声明を収録している。そして当初予告していた関連する書籍を紹介する本は現在準備中であり、近く電子書籍として刊行する予定になっている。

 最後に、本書の翻訳を提案してくださり実現してくださった鄭孝雲さんと裵寛紋さんに感謝する。この翻訳の企画は、2013年に開催されたハンリム(翰林)大学校生死学HK(Humanities Korea:人文韓国)研究団主催のシンポジウムで私が報告させていただき、それがきっかけに研究団と私が現在センター長を務める立命館大学生存学研究センターとの研究協力協定か結ばれたことに由来する。今後ともよい協力関係が形成され研究成果があがることを願っている。本生存学研究センターではコリア語(そして英語・日本語)のホームページ、メールマガジン、フェイスブックでの発信も行っている。本書に関連する情報も提供しており、ホームページの中には私のコリア語のページもある。ご覧いただき、そして情報提供の希望や疑問をお寄せいただきたい。できるかぎりお応えしたいと思う。

                             立岩 真也

◇HP
 [Korean]
 http://www.arsvi.com/a/index-k.htm
 [English]
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◇FB
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◇立岩 真也 2013/06/05 "On Boundaries",於:韓国・ハンリム(翰林)大学
◇立岩 真也 2014/02/12 開会挨拶・司会,翰林大学生死学研究所×立命館大学生存学研究センター研究交流会,於:立命館大学衣笠キャンパス
◇立岩 真也 2014/02/12 韓国での自殺研究・対策等に関する質問,翰林大学生死学研究所×立命館大学生存学研究センター研究交流会,於:立命館大学衣笠キャンパス

■訳者後書き

 「良い死」とはどのような死を言うのか。人々はなぜ尊厳死を「良い死」と言っているのだろうか。尊厳ある死、品位ある死のために、自ら死を選択することが本当に「良い死」なのか。
 この本の著者は、一般に尊厳死を「自然な、他人に迷惑をかけない、自分の決める死」と捉える認識に含まれている問題を暴き出す。そして、ただ「無駄な延命」の中止を押し付けるのではなく、「生きたければ生きていくことのできる」社会を作るように努力しなければならないと主張している。この本では、日本において尊厳死を法制化する前に、まず考えるべきことについてきちんと考えようとする。つまり、「良い死」というタイトルは、「良い死」といわれていることに対して疑問を提起する、逆説的な意味をもつのである。
 この本の背後には、主に西欧において展開されてきた、いわゆる生命倫理学の有力な議論がある。それに対し、著者は、一つ一つの議論を批判的に検証していく形をとっている。とくに、その批判は、多くの欧米の研究者が主体の自律を根拠にして尊厳死を当然視する点に向けられている。ところが、自己決定を誰よりも強く主張している人たち、たとえば重度の障害を抱えている人たちがいる。これまでの長い社会運動のなかで、彼らは常に「自己決定」を訴えてきたわけだが、それにもかかわらず、彼らは決して死の自己決定を簡単には肯定しない。まさにこの辺りに、自己決定を持ち出す尊厳死の主張に対して著者が疑問を抱くようになった一つのきっかけがあるようだ。障害者運動に長くかかわってきた、そして今でも活発に関与している著者らしい発想というかアプローチの仕方である。
 著者は、正統な社会学者でありながらも、統計や数値をもって根拠を示す普通の方法からはいったん距離を置く。むしろ、尊厳死をめぐって現に議論が起こってきたのだから、それについて哲学的・倫理学的に問い続けることが必要ではないかと提起する。著者自身は社会学者として、この社会の現状はしかじかであるため、しかじかの価値や言説が受容されやすいのだと分析しつつも、一方で哲学者・倫理学者に事態を原点から考え直すその本務に立ち戻ってもらいたいと言うのである。
 人間の生死にかかわる処置に対し、殺すか殺さないかを定める正当な理由があるだろうか。日本では、1980年代以来、臓器移植・脳死、また高齢者には過剰の医療が不要だという主張などをめぐって、さまざまな議論が行われてきた。著者は、そういった議論を一々取り上げ、本当にそうなのかと問い返す。どこまで納得でき、どこから賛同できないか、実はどこかで議論がずれてしまい、まったく別の議論に変容したのではないか、議論は議論として成り立つのかを徹底的に問うのである。
 韓国でも最近「無意味な延命医療」という言葉が流行している。それは、ある治療が延命に無駄であることを意味すると同時に、「無駄な延命のための医療」という意味までを含意するものである。ほとんどの場合、問題はコストと利益にかかわる制度の問題としてある。「良い死」「尊厳死」を無条件に肯定し賛美する前に、それは価値観の問題なのか、それともこの社会が優先的にやるべきことを覆い隠す論理に同調してしまうことはないか、この本を読みながら考えてもらいたい。
 この本『良い死』と次の本『唯の生』は、タイトルだけでなく、内容においても一つの構成から出発して対をなしている。一言でいえば、「良い死」を強要せず、「唯の生」を認めようということになるだろう。この二冊の本は学術書に属するものであり、著者は、最初から非常に明瞭な要旨を提示しておき、また各章・各節のはじめには、必ず前述の議論を繰り返しながら、次の議論に進んでいく。とはいえ、生命倫理学をめぐる緻密な言説批判を追っていくことは正直容易ではなかった。さらに、時に本文を圧倒する膨大な注は、訳者を困らせた。それでも、著者の言葉通り、おそらく極めて単純で当然であるその主張が、裏側にどれほど多くの議論につながっているのかを察するに、少しは役立つかもしれない。こう言ってみると、いつの間にか、著者の言い方を真似しているようにも思える。
 この本の翻訳は、翰林大学生死学研究所の叢書の一冊として企画された。生死学研究所が韓国研究財団の支援で開催した2013年6月の第一回国際学術会議に立岩真也先生を招聘したことが縁になり、翌年2014年2月には京都にある立命館大学生存学研究センターを訪問し研究交流会を開いてもらった。以後、両研究所が正式に研究交流協定を締結するまでご尽力いただいた立岩先生に深く謝意を表したい。立岩先生は、私たちの翻訳の提案を喜んでご承諾した上で、翻訳の過程で何回もメールのやりとりが必要な時に、いつもご丁寧に応じてくださった。最後に、この本の企画段階から後援を惜しまなかった生死学研究所のオ・ジンタク所長、荒い翻訳原稿を一緒に読んでくれた韓国外大講師のイ・プヨン氏、そして読みやすい本の形に編集してくれた青年社のイ・ヨンリム氏に感謝申したい。この本が微力ながら、韓国社会でも尊厳死に対して真剣に考える契機になることを願っている。

     2015年 5月
     鄭孝雲・裵寛紋


UP: 20150825 REV:20150827
『좋은 죽음』  ◇『良い死』  ◇安楽死・尊厳死  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa  ◇BOOK 
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