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なにか

立岩 真也 2006/09/30 於:立教大学


 *午前10時40分〜12時10分 立教大学池袋キャンパスX103教室
 *2006年度後期・土曜午前の法学部(学部生対象)の科目で幾人かの人が講義するかたちをとるそうです。立岩は9月30日にお話しすることになりました。

 *教材?としては『生存の争い――のために・1』を使います。正規受講者で予め勉強会などやってくださる真面目な学生諸氏にはお送りしてあります(9月11日発送)

 *それから以下の原稿を読んでおいてください、ということにしました。(9.25)
  立岩真也 2007/**/** 「自己決定」
  『現代倫理学事典』,弘文堂 [了:20060327]
  立岩真也 2007/**/** 「自己決定」
  『応用倫理学事典』,丸善 [了:20060915]


 

 *お送りいただいた資料

〈ねらい・授業内容〉
  私達の自己決定は、属する集団、社会の自己決定から強く影響を受けている。個人、集団、社会の自己決定を切り離して考えることは困難である。
  例えば末期治療における尊厳死の問題に関して自分の体に対する個人の自己決定とは一体どこまでの範囲を指すのだろうか。患者の自己決定は家族の決定、医者の決定に影響を受けざるを得なく、さらには国家の決定としての法律が自己決定を制限している。
  政治的な決定においては政治社会や組織の決定がその構成員全ての個人の自己決定と合致することは有り得ない。しかし事実上常に政治的な決定から排除されるマイノリティが存在することになればその政治社会や組織は分裂の危機に直面することになる。その意味で統合は様々なレベルでの自己決定をどのように関連付けるかという問題と深く結びついている。
  個人、集団、社会それぞれの自己決定はどのような関係にあり、どのような点で衝突するのだろうか、またどのような点で他の決定を妨げるのだろうか。この授業を通じて個人の自由な自己決定が集団の自己決定を支え促すような個人と集団との関係のあり方を考えていきたい。

〈授業内容・スケジュール〉
  以下の諸問題について、さまざまなレベルでの決定があり、どのような関係にあり、どの点で衝突するのか、どの点でほかの決定を妨げるのかを考える。

1.生と死をめぐる自己決定
  終末医療における尊厳死の問題において、患者個人の自己決定と家族の決定、医者の決定、またそれらの決定を制限する法的な決定について。

2・多文化主義をめぐる自己決定
  移民先における出身文化の維持、伝達の問題など文化の領域で子供の自己決定と親の決定、そして親子の属する文化共同体の決定と地方自治体、国の決定について。

3.島嶼問題をめぐる自己決定
  たとえば沖縄における米軍基地の問題など、島嶼問題をめぐる島民の自己決定と、地方自治体の決定、国家の決定、超国家体の決定について。

4.ジェンダーをめぐる自己決定
  たとえば性同一性障害における戸籍上の性別変更など、ジェンダーの分野において、個人の男らしさ・女らしさをめぐる自己決定、社会(家族・職場)の男らしさ・女らしさをめぐる決定について。

5.「水俣」における自己決定
  水俣病の問題を中心に、患者個人の自己決定、またそれに対する社会や地方自治体、国家の決定について。


UP:20060729 http://www.arsvi.com/0w/ts02/2006074.htm REV:0928
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