HOME > Tateiwa >

かねおくれ

―知ってることは力になる・43―

立岩真也 200610 『こちら”ちくま”』50(2006-4):

Tweet



  「障害者自立支援法」が、案の定というか、えらいことになっていることはご存知というか、人によってはもう日々経験してしまっているのだろうと思います。私は、何がどうなっているのか、具体的なところにほとんどまったくついていけていないのですが、たぶん今いちばん使えるホームページが、東京の三鷹市にお住まいの岡部耕典さんがやっている「リソースセンターいなっふ」のホームページだと思います。ご覧ください。
  これはこれだけ。ただ、もう一つ。NHKの教育テレビで、12月2日(土)夜に「自立」といったテーマで、生番組をやるみたいです。先日その関係でNHK大阪(今回は大阪が受け持つみたいです)の担当者とすこし話をしました。おもしろいかどうか、はわかりません。

* * *

  次に、題名のお金の話。6月に出た『希望について』(青土社、2310円)のことはお知らせしました。安いし読みやすい(はずな)ので、もっと売れてほしい。と思うのですが、まあそれはともかく、そこに収録された「限界まで楽しむ」という文章に書いたこと、つまり、お金をちょうだい、という話です。以下一部引用。
  「知人がその活動に関わっているといったこともあって、ここ数年「アフリカ日本協議会(AJF)」というNGOの活動をすこし支援しようとしてきた。というか、エイズ、とくにアフリカ、とくにサハラ以南のアフリカにおけるエイズの状態はやはりとんでもないことだと言うしかない。年に300万人といった数の人が亡くなっている。すべきことはすべきだと考えてきた。知られていることだとは思うが、HIVの感染者になること、さらにエイズを発症することは、かつてのようにそのまま死んでしまうことを意味しない。いくつかの薬をうまく使っていけば、なおりはしないが、十分に生きていける。しかしその薬が高くて買えない。その薬を作り流通させるための人がいないのでもないし、その原材料が枯渇しているのでもない。生産財としての技術、技術に対する権利を独占している企業の提供する薬が高すぎることが大きく関わっている。このいかにも困難な状況を、誰が、そしてどのように、変えてきたのか、さらに変えようとしているのかを知ることはとても大切なことであり、他の活動にも示唆を与えるものだと思う。AJFが主体となり、私が属する大学院の院生・三浦藍が協力して、私の研究室で印刷・製本した冊子を読んでいただけると、その経緯が詳しくわかる。(長い題の冊子で、『貧しい国々でのエイズ治療実現へのあゆみ――アフリカ諸国でのPLWHAの当事者運動、エイズ治療薬の特許権をめぐる国際的な論争』。第1部から第3部の合本版、A4・200頁。普通の単行本なら400頁分ほどの情報量がある。1500円。売上げの全額が寄付される。AJF代表の林達雄の著書『エイズとの闘い――世界を変えた人々の声』(岩波書店)も販売している(500円)。これは印税分が寄付される。私のホームページ――http://www.arsvi.com/(私の名で検索すると出てくるはず)から注文できる。)
  私は、これは、いやな人も無関心な人も協力すべきこと、協力させられるべきことだと考える。つまり政治の領域において対処されるべきことだと考えている。それ以前に、特許権の規定は政治によってなされているのであり、国際政治の力学に左右されているのでもある。その権利の付与の仕方を変更するのは政治の行ないである。しかし、繰り返せば、もちろんこのことは民間の行ないの意義を否定しない。政府や人々を動かすための活動が必要であり、そのための金が必要なのだ。
  [中略]アフィリエイト・プログラムなどと呼ばれたりするサービスがある。登録すると、自らの運営するホームページを経由して本やCDほか様々を買ってもらった場合、買い上げ額の一定割合、3%から売上げの点数等によるが7%ぐらいが、ホームページの運営者に入る。この企画に賛同してくれる人が多ければ、私のホームページを経由しての注文が多ければ、額が増える。
  それ以外に、出版社から著者割引で買った自分の本を同じ値段で横流ししたり、非営利組織が出している本・冊子の販売委託を受けた本を販売しているのだが、それらについては1冊売れたら100円を出すようにしている。それらを合わせて、ここ1年では約30万円ぐらいになった。その前の年よりは増えたが、少ないような気もする。そのぐらいのものであり、それぐらいのものでしかない。しかし、もっと知られて利用されるなら、もっと多くが集まり、使ってもらうことができる。そのうちそうなるかもしれないと思っている。
  これは私企業の活動に極小に寄生しているというか、極小に利用しているということであるし、ことでしかない。ただ、そのようなことを自分たちでできないのだろうかと考えることもないではない。例えば本は今のところおおむね定価販売だから、安売り競争に巻き込まれることはない。同じ値段で売った上で、利益の部分が、他の会社であればその会社、その会社の誰かに入るが、ここの会社は別のところに使うことがはっきりする。いったいあのような規模の書店とかネットを介した商売にどのくらいの資金が必要なのか、本の点数はともかく多いし、本はかさばるものだから、置く場所もいるし在庫管理も大変だ。ずいぶんたくさんいるのだろうとは思うが、私は知らない。けれど、他に、場所をとらない情報を扱って、ネットで配信したりして、ずいぶん儲けている企業やその企業を所有・経営している人がいる。そんな商売の方がそもそもの資本は少なくてすむのかもしれない。規模は大きくてもよいし小さくてもよい。それは好みでよいし、うまくいけばよい。最初から利益を得ないために商売をする。儲けないこと、株主に還元しないことを明らかにし、その分は別のことに使うことは不可能だろうか。ここからものを買ってもああいう人(たち)を儲けさせることでしかないのだから、あそこのものは買いたくないと思っている人はけっこういるのではないか。可能性はなくはないと私は思う。」(117〜119頁)
  現在、本やCDだけでなく、文房具、宿の手配、自動車保険の見積もりとか、メニューを増やしています(こちらの利用はまだない、ようなものですが)。いまお金の累計が80万円ぐらいになっています。けれどももっとほしい。近所のお店は大切にしましょう。ただ、どうせオンラインのお店で買うなら、どうぞよろしく。私のホームページのトップから入ってもらえればすぐ行けます。どうかよろしく。

  *知ってることは力になる 42>43>44

 ※林さんの本は手元在庫切れ
 ※アマゾン以外のアフィリエイトは中断


UP:20061004 REV:1004(誤字訂正), 20150102
自立支援センター・ちくま  ◇立岩 真也 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)