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生命倫理シンポジウム「日本の生命倫理:回顧と展望」
生命倫理シンポジウム「日本の生命倫理:回顧と展望」
日時:12月11日(日)13:00〜17:00
場所:熊本大学くすの木会館レセプションルーム(熊本大学黒髪北地区)
プログラム
発表13:00〜15:00
・浅井 篤先生(熊本大学医学薬学研究部教授):生命科学の立場から
・
加藤尚武
先生(鳥取環境大学前学長):倫理学の立場から
・立岩真也(立命館大学先端総合学術研究科教授):
社会学の立場から
・稲葉一人先生(科学技術文明研究所特別研究員):法学の立場から
(休憩)
15:15〜17:00 質問と討論
18:00〜 懇親会(同会場くすの木会館和室)
■抄録?
立岩 真也
2005/11/30発送
社会学で、医療・ケア・…といった領域の研究が増えているのは事実だ。それには幾つか要因があると思う。そして、それは基本的に歓迎してよいことであると思うのだが、幾つかもの足りないところもある。…といった類の話はしないでよいと思う。(しかしするかもしれない。)また、生命倫理学でここのところ何が議論されているかについても知らないので、話せない。
とすると、結局、私が気になっていることを話すことになるだろうか。安楽死・尊厳死に関わり、今年になって様々あったこともあって、幾つか文章を書いてもいる。ただ、何を考えて言っているのかをお話しする時間はない。HPや雑誌などで読んでいただければありがたい。
「良い死」
という題の連載が『Webちくま』(筑摩書房)で第5回まで掲載されている。また
「他者を思う自然で私の一存の死」
という題の文章が、『思想』の2005年8月号に掲載され、その続きは2006年1月号、2月号に掲載される。また2004年に出してもらった
『ALS――不動の身体と息する機械』
(医学書院)もこの主題に関わっている。そして私の研究室で
『生存の争い――のために・1』
という冊子も作った。若干の資料、この主題に関連して私が書いてきた文章、大学院生でもありALSの母の娘でもある川口有美子が書いた文章に、4月に行った「尊厳死っ、て何?」という集会の際に作った資料を加えている。(当日、何冊か持参する予定。また、以上の本・冊子の案内、関連情報は私のHPにあるので、ご覧ください。この「要旨」自体も掲載するので、そこからもリンクされています。)
そんなことをしていて思うのは――そしてこのことは、こないだ(11月26日)あった東京大学のCOE「死生学の構築」関連の催し
「ケアと自己決定」
の際にも言ってみたのだが――、もう少し、哲学・倫理学の人が、例えば安楽死・尊厳死について、「理論的」に詰める仕事をした方がよいのではないかということだ。現状はこれこれで、となれば、「事前指示書」も必要でしょう、と、では皆で作りましょう、といった動きはある。哲学者・倫理学者の「社会参加」はきっとよいことではあるだろう。しかし、きちんとものを最初から考えることが哲学・倫理学のよいところであり、また慌しくもずるずると動いてしまっているこの世にあって求められていることでもあるのだと思う。
■熊本大学のHPより
トップ > ニュース&イベント シンポジウム「日本の生命倫理:回顧と展望」のご案内
http://www.kumamoto-u.ac.jp/news/K-148.htm
熊本大学生命倫理研究会の主催により,シンポジウム「日本の生命倫理:回顧と展望」を下記のとおり開催します。
参加費無料で,事前の申し込みは不要です。
学生および市民の皆さんの多数の参加をお待ちしています。
日時:平成17年12月11日(日) 13:00〜17:00
会場:熊本大学くすの木会館レセプションルーム(熊本大学黒髪北地区)
演者:
浅井 篤(熊本大学大学院医学薬学研究部教授):生命科学の立場から
加藤尚武
(鳥取環境大学名誉学長・京都大学名誉教授):倫理学の立場から
立岩真也(立命館大学先端総合学術研究科教授):社会学の立場から
稲葉一人(科学技術文明研究所特別研究員・元大阪地方裁判所判事):法学の立場から
コーディネーター:高橋隆雄(熊本大学文学部教授)
主催:拠点形成研究B「生命倫理を中心とする現代社会研究」
熊本大学生命倫理研究会
【シンポジウム開催の趣旨】
はじめて生命倫理の考えが日本に導入されたのは今から約40年ほど前です。当時は法学者が中心でしたが,やがて生命科学者が参加するようになりました。倫理学者が本格的に参加するのは20年ほど前からです。その頃から,生命倫理に関係する議論が活発になり,医学部をもつ大学内に倫理委員会が続々と設置されるようになります。また,「日本生命倫理学会」も設立されました。さらに生命倫理は脳死と臓器移植という問題とともに,政治課題にもなっていきます。
1997年に臓器移植法が国会を通過し,脳死と臓器移植の問題が一段落した頃,世界はクローン羊誕生のニュースに驚愕しました。日本も例外ではなく,クローン人間に関する審議を行う委員会がただちに政府内に設置されました。その後も,ヒトES細胞問題等の遺伝子関連の問題を審議する委員会等が設置されていき,生命倫理は政策と切り離せない研究領域となるに至っています。
原理のレベルについて言うと,日本の生命倫理はアメリカ流の生命倫理原理を中心に動いてきました。そこでは自己決定やインフォームド・コンセントが中核にありましたが,これでは「ヒト胚」や「クローン」問題を十分に扱うことが困難です。そこで,主としてヨーロッパ諸国が重視する「人間の尊厳」への着目が生じてきています。それと同時に,ドイツやフランスの生命倫理への関心も高まってきています。
このように,日本の生命倫理は短いながらも波乱に満ちた足跡を残しています。ここで,これまで日本の生命倫理がたどって来た道を振り返り,これからの展望を考えることがぜひとも必要と思われます。こうした考えからこのシンポジウムは企画されました。
演者はいずれも,日本の生命倫理を代表する人たちであり,それぞれのご専門から日本の生命倫理を回顧し,展望をお話ししていただきます。その後,会場も含めての意見交換を行います。
担 当 : 総務課広報室
掲載日 : 2005/12/08
☆Copyright (c) 2003 Kumamoto University
UP:20051201 REV:1210 20060314
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