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二〇〇〇年読書アンケート
立岩 真也
2001/01/15
『みすず』43-1(478)(2001-1):36
http://www.msz.co.jp
◆大阪精神医療人権センター
『大阪精神病院事情ありのまま(第2版)』
。一五〇〇円+送料五〇〇円=二〇〇〇円を郵便振替口座〇〇九六〇−三−二七一五二・加入者名NPO大阪精神医療人権センターに送金すると送られてくる。
◆『東京精神病院ありのまま』(最新版・二〇〇〇年七月)。郵便番号一九〇−〇〇二二立川市錦町三−一−三三。東京都地域精神医療業務研究会。ファックス〇四二−五二四−七五六六。郵便振替〇〇一二〇−八−二七一一四。定価二〇〇〇円。
例えば大阪の方の本は、府内六四病院のうち、六一病院から得られたアンケートの結果、四二病院についてはセンターのスタッフや精神病院への入通院の経験者たちが訪問し入院者に話を聞いてまとめられた調査結果が載っている。固有名を明かして評価するこのような本が出されることの意義はとても大きい。これだけ積み重なると、「(変化もあるが)旧態依然」という紋切型がリアルなものとして現れてくる。
◆D・ハラウェィ『猿と女とサイボーグ――自然の再発明』(青土社)。なんだかよくわからないままおもしろいといえば小泉義之『ドゥルーズの哲学――生命・自然・未来のために』(講談社現代新書)もそうなのだが、そしてそう言うと著者に叱られてしまうように思える点でも似ているのかしれないが、おもしろい。
◆A・セン『集合的選択と社会的厚生』(勁草書房)。センの本は、今年も『貧困と飢饉』(岩波書店)、『自由と経済開発』(日本経済新聞社)と出て、これらの方が普通にはお勧めなのだとは思うが、ここではこの一九七〇年の「社会的選択理論の古典」を。「不可能性」を「証明」したりしてしまうこの理論がこういうふうに使われるのだということを、そんな呑気な人は私だけかもしれないがはじめて、なんだかわかったような気がした。
◆藤正巖・古川俊之
『ウェルカム・人口減少社会』
(文春文庫)。私が言いたいこと(『思想』一九九九年二・三月号に連載された)と中身も言い方も同じでないが、表題に同意。著者は「政策研究院」の方々なのだが、違う場所にいる人たちも、こういうことをもっと論じてものを言ったらよいのにと思う。
UP:2001
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大阪精神医療人権センター
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Haraway, Donna J.
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Sen, Amartya
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