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「なおすことについて」

立岩 真也 2011

立岩 真也 20010730 「なおすことについて」,野口・大村編[2001:171-196]

☆誤植があります。
 p.191 注1の
 「(のとくに第1節)」は「(のとくに第2節)」の間違いです。
 どっちでもよいようで、そうでもない?間違いです。

 「本章で述べること(のとくに第2節は)、私が勤める学校の…講義
(理学療法学科の学生を対象…)で二回くらいに分けて話すことである。」

 となります。


はじめに
1 調べてみたらよいと思う
 対立のある場面を調べること/大衆化する手前のこと/たとえば
2 場にあるもの/ないもの
 失われるものが測られない/なおす人は見ない
 本人に決めてもらうという案/社会的利益と損失/価値

◇「はじめに」のおわりの部分
 「けれど本章はその臨床(についての)社会学の成果を報告する
のではない。たんに二つのことを述べるにすぎない。一つに、なお
すことをめぐって、実際に起こったこと、起こっていることを忘れ
ないうちに、覚えている人が生きているうちにきちんと記述してお
くことをしたらよいのではないかと提案する。もう一つは、そこに
なにが示されたのか、いまとりあえず考えられることを少し考えて
みる。」(p.172)

1−1「対立のある場面を調べること」冒頭より
 「かなり多くの人はある程度の医療とのつきあいというものはあ
って、病院や医者の雰囲気はそれなりに知っている。とはいえ、そ
れ以上、それ以外のことはないと見切りをつけることもないかもし
れず、丹念に記述していくと、知っているようで知らないことが出
てくることはありうる。たとえば「会話分析」といった手法でそう
いう接近が始まっているのかもしれない。ただ、私たちが既になん
とはなしに知っていることを超えたことを言うには、それなりの技、
工夫を必要とするだろう。私は、そういう難しいことをやる前に、
そんな高等な技を要する仕事でなくてよいから、してよいことがあ
るように思う。
 それは波風が立った場、摩擦が起こった面、そこに生じた尖りや
棘について、その歴史について調べることである。それらの多くは、
そう昔のことではない……」(p.173)

注より
「注6 というわけだから、「障害者と医療」等々といったテーマ
について、調査(聞き取り調査・文献調査)を(場合によったらい
っしょに)やってくださる人を求めています。問合せ等、TAE01303@
nifty.ne.jp立岩までお願いいたします。」(pp.192-193)

○この章の著者関連以外の文献

*石川 憲彦 1988 『治療という幻想――障害の医療からみえること』,現代書館
*富田 三樹生 2000 『東大病院精神科の30年――宇都宮病院事件・精神衛生法改正・処遇困難者専門病棟問題』,青弓社
*吉田 おさみ 1983 『「精神障害者」の解放と連帯』,新泉社

■言及

◆立岩 真也 2013/12/10 『造反有理――精神医療現代史へ』,青土社,433p. ISBN-10: 4791767446 ISBN-13: 978-4791767441 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ m.

◆立岩 真也 2018 『病者障害者の戦後――生政治史点描』,青土社


UP: REV:20140126
病者障害者運動史研究  立岩 真也  Shin'ya Tateiwa
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