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一九九年の収穫

立岩 真也 1999/12/17
『週刊読書人』2315:3


  E・クレー『第三帝国と安楽死』(批評社)。もっとも基礎的な文献であり、訳されなければならなかった本。読んだら気が滅入るが、しかし、探して調べて書くことが何ごとかを変えることもあることについての希望も与えられる。
  M・ウォルツァー『正義の領分――多元性と平等の擁護』(而立書房)。私たちは軽率と評するのにも値しない言葉たちにそろそろほんとうに嫌気がさしてきている。だからこういう本を読む。
  稲葉振一郎『リベラリズムの存在証明』(紀伊國屋書店)。「おわりに」におけるフーコー論など、とくに英米?の論者たちが大変つまらなくフーコーを批判するのにうんざりしてきた人には、もっともと肯首できる部分もある。けれど、私自身は著者の立論に同意できないところがあるし、全体として成功した本だとは思わない。だから、今いくつかの論点について反論を考え、書こうとしているところだ。だが、この本は今年一番長い時間読んだ本である。



優生・ナチス  ◇書評・本の紹介 by 立岩  ◇立岩 真也
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