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「『私的所有論』・英語版」(書きたいテーマ・出したい本)

立岩 真也(社会学) 19990801 原稿送付:19990512 2.5枚
『出版ニュース』1999-8上(1842):11(出版ニュース社) http://www.snews.net/



  今2冊くらいの本(「国家」について、「自己決定」について、その後に『停滞する資本主義のために』とか、…)の出版を考えているけれど、これはたぶんなんとかなるだろう。それより英語の本をどうやったら出せるのだろうと思う。たとえば、一九九七年の秋に『私的所有論』という本を勁草書房から出版してもらったのだが、その英語版を出したい。これから書いて出すものについても同様。
  日本語で書かれる本がそうでない本よりつまらないわけではない。ただ条件がそろわない。二つある。一つ、自分で英語にできない。時間もない。私より忙しい人、例えば日本語の原稿に日々追われている人はもっとそうだろう。そして私の場合、時間があっても(英語が)できない。とすると他人を頼ることになる。日本人だと、まがりなりにも英語が読めるから、訳したいと思ったら(しかも「学術書」だと多くの場合あまり収入のことは考えに)訳す。だが、日本語が読める外国人はわずかだ。待っていれば誰かが訳そうと言ってくれるなどということはそうない。そこで翻訳者を探す必要がある。そこで公募して適任者を見出し、今仕事を始めてもらっている。もう一つは出版社。今のところあてはない。英語圏で出すなら、そちらの方の出版社ということになるのだろうか。「国際化」なるものが大切なことなのかどうか、私は知らない。しかしそんなことと関係なく、出したいものは出したい。どうしたらよいのでしょう。
  どうしたらよいかわからないのだが、とにかく作業を始めてもらい、ホームページで翻訳作業の現在進行形を掲載するコーナーを始めた。最初の頁(http://www.arsvi.com)の下の方に、「『私的所有論』英訳作業進行中」という項目があるからクリックしてください。この仕事がずっと進んでいくと、ホームページに全部の英訳版が載ることになるかもしれない。それもよいかもしれない。しかし、日本でも単行書で出した方がよいもの(今回の本は文献表まで入れると四〇〇字詰で二〇〇〇枚くらいある)は、英語版でも同じことだと思う。それにホームページでは費用を回収できない。別にもうけようというのではない。翻訳者に(私が)支払うお金が回収できたら十分に幸福である。そうでなくても出版できたら幸福だ。何年かかるにせよ、その幸福を得ようと、私はかなりまじめに思っている。

◇立岩 2006/**/** 「今年の執筆予定」
『出版ニュース』2006(出版ニュース社) http://www.snews.net/


UP:1999 REV:..20051225
立岩 真也
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