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自立生活運動

立岩 真也 1999/05/15
『福祉社会事典』,弘文堂

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自立生活運動 [英]Independent Living Movement

 障害のある人たちが、施設の中での制約の多い生活ではなく、また親の庇護と監督のもとでの生活ではなく、普通に人が暮らす場所で、やりたいことをやり、生きたいように生きようとすること、また、それを実現するための運動。これまで、この運動は1970年代に米国で始まったものであり、それが1980年代に日本に輸入され広がったとする記述が多くなされてきたが、これは事実誤認である。日本でも、1970年代初頭にこうした生活の試みが始まり、それに自立という語があてられ、1970年代中盤には自立生活という言葉が使われ始めている。彼らは地域での生活への社会的な支援策がない中で、おもにボランティアによる介助を得て生活を始め、同時に国、自治体に介助サービスの充実を要求し続け、徐々にではあるが制度を獲得、拡充させていく(生活保護の他人介護加算特別基準、各自治体の介護人派遣事業、自らが推薦する介助者をホームヘルパーとして登録し利用する方法の利用等)。そしてこれらを背景に、また米国の組織の機構・活動にも学んで、地域での生活への移行と地域での生活を障害者自らが中心になって支援する非営利組織(NPO)「自立生活センター」(CIL)を設立して活動を行なっていく。1986年に東京都八王子市で「ヒューマンケア協会」設立、1991年には15団体で「全国自立生活センター協議会」(JIL=ジル)が結成された。その加盟団体は1998年2月には全国75団体を数えている。(600字)

文献
安積純子他『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学』藤原書店、増補改訂版1995年.
石川准他編『障害学への招待』、明石書店、1998年


UP:1998 REV: 20170922
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