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NPO

立岩 真也 1999/05/15
『福祉社会事典』,弘文堂


NPO [英]Nonprofit Organization 600字

 非営利組織の略称。有料のサービスを行う組織であっても,利益を活動のために用い私的に分配しないならNPOである。非政府組織(NGO)と呼ばれるものも非営利組織で,また政府組織をNPOと呼ぶこともないから,その限りで両者は同じだが,NGOは海外協力を行う組織を指し,NPOはより広い意味で用いられることが多い。財団・社団法人,学校・宗教・社会福祉法人等の公益法人もNPOだが,1990年代初頭にこの言葉が日本で使われ始めたのは,米国のNPOの活動の多様さ活発さ,法人格取得の容易さや税制面での優遇等の社会的支援システムの充実度が注目され,日本でも従来の公益法人以外の民間組織の活動を評価し,その活動をより活発なものにしようと意図されたからだった。さらに,1995年の阪神・淡路大震災の際のNPOの活動への評価,注目がこうした気運を高めた。法人格をもたない任意団体では,団体としての契約や不動産登記ができない,社会的信用が得にくい等の問題があり,公益法人制度では,組織の永続性を担保するためとして資産の保有が求められる等,設立時に主務官庁による認可が必要で,設立後も監督・指導が行われ,自由な活動がしづらい。そこで新たな法律制定のための検討が進められ,1998年3月に「特定非営利活動促進法」,いわゆるNPO法が成立,税制面での優遇措置については見送られるなど課題を残したが,NPOの法人格取得が以前より容易になった。
文献
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会,『NPO法人ハンドブック』,1998年,C'sブックレットシリーズ ,(FAX:03-5227-2009)



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