能力主義を肯定する能力主義の否定の存在可能性について
立岩 真也 1996/04/12
『差別と共生の社会学』(岩波講座 現代社会学15)pp.75-91
last update: 201110122
※ 本が品切れになっているようですので、この文章のテキストファイルを立岩からお送りします。150円です。
■T 問い
■U 機制
■V 批判
■W 手段性の不可避性
■X 個別性の不可避性
■Y 配分の変更
■Z 価値の変更
■[ 結論
■\ 課題
★ 与えられた主題は「ノーマライゼーション」だった。様々な契機が錯綜し、理論的にも実践的にも難しい問題を含む教育の場面――堀正嗣『障害児教育のパラダイム転換――統合教育への理論研究』(柘植書房、一九九四年)が真剣な考察を行っており、本稿はこれにも触発されて書かれている――の考察を考えたが、前提の前提の検討が必要となり、本稿の形になった。立岩「能力主義とどうつきあうか」(『解放社会学研究』八号、一九九四年)、「身体の私的所有について」(『現代思想』、一九九三年十一月号)等での主張の一部を展開しより明確にした。また本稿での主張の前提でありながら論じられていない「他者」の存在の位相については、以上の他「出生前診断・選択的中絶をどう考えるか」(江原由美子編『フェミニズムの主張』、勁草書房、一九九二年)、「生殖技術論・4――決定しない決定」(『ソシオロゴス』十七号、一九九三年)、「何が性の商品化に抵抗するのか」(江原由美子編『性の商品化』、勁草書房、一九九五年)、等。また、具体的な活動を追い具体的な構想を示したものとして、安積純子他『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学』(藤原書店、初版一九九〇年、増補・改訂版一九九五年)、等。なお、一九九六年度より、本講座第十四巻『病と医療の社会学』に関連する部分も含め、インターネットを介した情報の提供を、信州大学医療技術短期大学部に置かれているサーバーから(http://alps.shinshu-u.ac.jp/ITAN/ITAN.html)、開始する。