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家庭奉仕員(ホームヘルパー)




 ※下記にもっとも多く情報が掲載されていますのでご覧ください。
 『全国障害者介護制度情報』

●法令

 「市町村は,社会福祉法人その他の団体に対して,身体上の障害のため日常生活を営むのに著しく支障のある身体障害者の家庭に身体障害者家庭奉仕員(身体障害者の家庭を訪問して身体障害者の日常生活上の世話を行なう者をいう)を派遣してその日常生活上の世話を行わせることを依託することができる。」
 身体障害者福祉法第21条の3
 本条…追加[67年8月法律113号]

●厚生省の指示文書・要綱

◆ホームヘルプサービス事業の厚生省の指示文書・要綱
 http://www.top.or.jp/~pp/s1-s2.htm

19820908
82社更157「身体障害者家庭奉仕員派遣事業運営要綱の改正点及び実施手続等の留意事項について」
19840501
84社更64「身体障害者福祉法による身体障害者家庭奉仕員派遣事業について」
19901228
90社更255「身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱」
90社更256「身体障害者居宅生活支援事業の実施等について」
90社更258「身体障害者ホームヘルプサービス事業の運営について」
90社更260「身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱の実施手続等の留意事項について」
19920130
92老計12・社更19・児発71「ホームヘルプサービス運営方式推進事業の実施について」
19920306
ホームヘルプ事業運営の手引き(全国老人保健福祉主管課長会議で配付)
19921013
92社更58「身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱」
19921013
92社援更59「身体障害者ホームヘルプサービス事業の依託について」
19930604
93社援更165「身体障害者居宅生活支援事業の実施等について」
1994
94通知
1994302
94社会福祉関係主管課長会議資料



◆ヘルパー制度の歴史
 http://www.top.or.jp/~pp/p/josyou.html
◆全国と東京の自薦登録ヘルパー一覧表
 http://www.top.or.jp/~pp/jisennzenkoku.htm
◆東京都東久留米市・市登録ヘルパー
 http://www.top.or.jp/~pp/p/higasikurume.html
◆千葉県の自薦登録ヘルパーに関する通知(埼玉県の通知つき)
 http://www.top.or.jp/~pp/p/tiba-saitama.html
◆東京都内の介護制度状況
 http://www.top.or.jp/~jj/p2/7side24jikann.htm
◆推薦登録ヘルパーの自治体資料(世田谷区)
 http://www.top.or.jp/~pp/s1-s1.htm
◆ホームヘルプサービス事業の厚生省の指示文書・要綱
 http://www.top.or.jp/~pp/s1-s2.htm
◆札幌・浦和
 http://www.top.or.jp/~pp/sapporourawa.htm
◆各地の自治体情報他ホームヘルプ総合情報
 http://www.top.or.jp/~jj/p2/s1.htm



※以下は現代書館から1996年に出版された『HOW TO 介護保障』の一部(の元原稿)
です。この本は,使える制度を最大限使って暮らしていくためにとても役に立つ本
です。

ヘルパー制度は毎日使える介護制度

◇99年にはホームヘルパー17万人体制に

 厚生省は今年度(95年)から,ヘルパーの17万人体制を含む「新ゴールドプラン」をスタートさせました。厚生省は既に90年より「ゴールドプラン」として10万人を目標にヘルパーの増員を図ってきましたが,高齢者の介護問題が日増しにクローズアップされるなかで計画の大幅な上乗せを行ったものです。94年度ではヘルパーの数は5万9千人ですから今後5年間でヘルパーは3倍に増えることになります。
 ヘルパー制度といえば,1回2時間,週2回,女性のヘルパーが掃除,洗濯,食事づくりなどの家事をやってくれる程度のものというイメージが日本では定着しています。事実2年ほど前の新聞社の調査ではヘルパー派遣回数の全国平均は週2回に満たないという結果がでています。
 しかし,厚生省はヘルパー制度を家事援助制度ではなく,障害者や高齢者の「介護制度」として明確に位置付け,必要な人に対しては毎日の派遣が行えるよう,自治体に対する指導を行っており,自治体の考え方によっては介護制度として広く活用されています。

◇自治体によっては毎日,12時間のヘルパー派遣が行われている

 東京都の東久留米市や田無市では93年度から重度の障害者に対して1日12時間,365日介護のできるヘルパーの派遣を行っています。ヘルパーはもちろんトイレや入浴の介護も行うため,男性の障害者には男性のヘルパーというように同性のヘルパーが派遣されています。
 また,秋田県の鷹栖町のように高齢者に対して1日24時間のヘルパー派遣を始めた自治体もあります。さらに,厚生省は今年度(95年)から24時間巡回型のヘルパーを予算化しました。
 このように,ヘルパー制度は現在でも「介護制度」として活用することが可能であり,現在活用しきれていない自治体でも,この5年間でヘルパーが3倍に増えるなかで制度のあり方を大きく変えていくことが求められています。

◇ヘルパーが行う介護内容

 厚生省はホームヘルパーの行う仕事を次のように規定しています。
(1)入浴,排せつ,食事等の介護
ア 入浴の介護
イ 排せつの介護
ウ 食事の介護
エ 衣類着脱の介護
オ 身体の清拭,洗髪
カ 通院等の介助
(2)調理,洗濯,掃除等の家事
ア 調理
イ 衣類の洗濯,補修
ウ 住居等の掃除,整理整頓
エ 生活必需品の買い物
(3)生活等に関する相談,助言
 生活,身上,介護に関する相談,助言
(4)外出時における移動の介護
 外出時の移動の介護等外出時の付き添いに関すること。((1)の業務の一環と
 して行われる外出時の付き添いを除く。)
(5)前各号に掲げる便宜に附帯する便宜(1)から(4)に附帯するその他の必
 要な介護,家事,相談,助言

(「身体障害者ホームヘルプサービス運営要綱」より。なお「老人ホームヘルプサービス運営要綱」では上記の仕事内容のうち,(4)外出時における移動の介護という項目が書かれていない以外は同じ内容となっています。)

 この規定を読めば,ヘルパー制度が「家事援助制度」ではなく「介護制度」であることわかると思います。現在週2回の家事援助しか受けられていない人が福祉事務所に行って,少なくとも毎日,1日3時間は介護のできるヘルパーが派遣されるようにするためにヘルパー制度に関する詳しい説明を以下のページで行っていきます。

95年度登録ヘルパー時間数(東京編)

 これらはすべて,在住の全身性障害者が交渉して作り上げて来た制度です。一つとして,勝手に制度ができた市・区はありません・ちなみに下記市・区を含む介護制度『上位10ヵ所』は,要求者組合執行委員(全身性障害者)が住んでいて恒久的に行政交渉している地域です。

★東京の登録ヘルパー方式,94年度から95年度への変化の状況(長時間の所のみ)

知りたい方は,(正会員のみとさせていただきますが)電話で問い合わせください。

厚生省『登録ヘルパー方式も考えられる』
文書で全国自治体に指示

 厚生省は94年3月2日の「全国社会福祉関係主管課長会議」において,登録ヘルパー方式も「検討に値すると考えられる」との一文を同会議資料の指示事項(全32頁)に入れた。これは全国公的介護保障要求者組合が12月の厚生省交渉で約束させたもの。参加各課長には口頭でも文書の説明がされた。主管課長会議とは,94年度の厚生省の方針を自治体に説明する会議で,都道府県と政令指定都市の課長が参加する。会議で配られた文書は,各県などで市町村主管課長会議を開き,全市町村に行き渡ることになっている。
 また,ガイドヘルパーについても,指示文書では「実施していない市町村が未だ相当数あるので…個別に市町村を指導すること」と,(早くやれと)言っています。この指示文書はガイドヘルパー制度化交渉に絶大な力となります。(下に掲載)

 5 ガイドヘルパーについて
 ガイドヘルパーは,身体障害者の社会参加を推進する観点から重要な施策である。しかしながら,当該制度を実施していない市町村が未だ相当数見受けられる現状であるので,地域の利用者のニーズを十分に把握し,必要な体制を整備することにつき,県が個別に市町村を指導すること。なお,身体介護等を行うヘルパーのうち,ガイドヘルパーの研修を受けた者をガイドヘルパーとして登録することも検討されたい。

*ガイドヘルパーネットワーク事業
 都道府県・指定都市間を障害者が移動する場合に,目的地においてガイドヘルパーを利用できるよう全国ネットの整備に要する事業費の改善を図ることとしている。 なお,この事業が未実施の都道府県にあっては,全国ネットの趣旨に鑑み,早期実施を検討されたい。

■ヘルパー制度の歴史

1 家庭奉仕員派遣事業

 ホームヘルプサービス事業の前身である家庭奉仕員派遣事業は1962年に高齢者に対する制度としてスタートし,1967年には障害者に対する制度も始まりました。当時は,派遣対象世帯を原則として非課税世帯に限定していたため派遣世帯も限られており,ヘルパーもほとんど公務員のヘルパーのみが派遣されていました。
 1982年9月に厚生省は大幅な制度改正を行い,1.必要な整体に対して派遣回数・時間数の増を図る,2.利用者の多様なニーズに対応するため家庭奉仕員の勤務態勢の弾力化を図る,3.所得税非課税世帯に対しても有料で派遣できるものとする,という趣旨の通知を出します。この通知により時間給の家庭奉仕員の設置が可能となり,全国的には社会福祉協議会,東京では家政婦協会への事業委託が広く行われるようになりました。
 なお,この通知のなかで,派遣回数,時間数の増を目的として「家庭奉仕員の派遣は原則として1日4時間,1週6日間,1週当たり延べ18時間を上限としてサービス量を調整し,これに対応できる派遣体制の整備を行うようにすること。」という一文が書かれたため,これが都道府県,市町村レベルでは「週18時間枠」として実質的上限として機能することになります。

2 ホームヘルプサービス事業

 1990年〜1999年までの10年間でヘルパーの数を約3万人から10万人に増やす「ゴールドプラン」(高齢者保険福祉推進10ヵ年計画)の策定を受けて,厚生省は90年12月,「家庭奉仕員派遣事業」を廃止し,「ホームヘルプサービス事業」として位置付け直し,派遣時間数の上限に関わる規定を無くします。
 92年3月厚生省の老人福祉計画課は,それまでのヘルパー制度を全面的に見直すよう「ホームヘルプ事業運営の手引き」を出し,次のような強い調子で都道府県・市町村に対して制度の改善を求めました。
 「ホームヘルパーの活動状況については,福祉マップ等の現時点でのデータによると,利用者1人当たり全国平均では,週1回,2〜3時間のサービス提供となっており,対象者のニーズに必ずしも十分応えたものとなっていない。」「このような結果となっている主要な原因の1つとして,市町村がサービスの提供に際し,サービス回数,時間を対象者や家庭の状態に関わらず一律に定めているなど,ニーズがあるにもかかわらず制限を行っていることである。いたずらに画一的なサービスの決定を行うことは,適当ではない。このような要綱等を定めている市町村は,早急に改正する必要がある。」
 その1年後の93年3月にようやく東京都は「週18時間枠」の撤廃を決め,区市町村への通知を行います。これにより,93年度田無市や,東久留米市では1日12時間,週84時間と上限が一挙に拡大されました。95年度には10市区以上が週18時間以上のヘルパー派遣を行っています。

3 最近のヘルパーをめぐる動き
 1995年度から「ゴールドプラン」は「新ゴールドプラン」となり,99年度までのヘルパーの目標数値も10万人から17万人に改められました。厚生省はさらに95年度に24時間巡回型のヘルパーを予算化しました。

……


……

  ■家庭奉仕員
  〇参考:『生の技法』からの引用
  ●法令・経緯
  〇法令・経緯
  ○事業の設置と派遣状況
  ○費用
  ○費用負担
  ○批判
  〇「身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱の実施手続等の留意事項について」
   (1990年社更第260号 1990.12.28)
  〇「身体障害者居宅生活支援事業の実施等について」(1990年社更256号 1990.12.28)
  〇ホームヘルプ事業運営の手引き(全国老人保健福祉主管課長会議(1992.03.06)に   おいて配付)
  ○東京都の家庭奉仕員派遣事業
  ●このFAILの入力・更新の履歴

・参考:『生の技法』からの引用

 「国家,自治体が介助者を派遣する制度──むしろ実態はここから離れつつありせいぜいが派遣の責任を持つ制度といったものだが──としては,「身体障害者(児)家庭奉仕員派遣事業」がある。
 この制度は六七年度の「身体障害者家庭奉仕員派遣事業」の創設★14,七三年度の「身体障害者介護人派遣事業」★15の創設に始まるが,その後八二年十月,介護人派遣事業は家庭奉仕員派遣事業に統合された。同時に,低所得世帯対象だったものを全世帯対象にするとともに,世帯の生計中心者の所得に応じた費用負担の制度が導入された。だがこれは,東京都など,すでに所得の多少に関わらずヘルパーを派遣してきた自治体では,有料化だけをもたらし,また,家族とともに,しかも家族からの援助にできる限り頼らず生活しようとする者にとっては,それを困難にするものだった。本人でなく世帯主の収入に応じた費用負担が最大の問題だが,それだけでなく,申請権についてそれまで特に定めがなく,実質的に本人に申し出の権利が与えられていたのが,この改変にともない,世帯の生計中心者に申請権があると規定されてしまったのである。抗議行動が行われたが,結局この変更は実現する。この後,八九年八月三一日付都道府県知事宛の通達で改訂が行われた。これについてはそれがどのように実現されていくかまだ見極めにくいところもあって,本格的に検討できないが,この時の変更点も含め,現状を概観しよう。
八九年度の予算段階で,家庭奉仕員の数は全国で三万一四○五人(常勤換算,老人家庭奉仕員を含む★16)となっている。これは前年度に比べ約四四○○人増ということになる。そのほとんど全てが女性である。実施主体は市町村,一部を当該市町村社会福祉協議会,施設,民間事業体(八九年の改訂以前は社会福祉協議会等)等に依託できる。ほとんどの市町村で実施されている(約半分で委託)が,その実施内容については,自治体によって著しい格差が[p249]ある。負担は国が二分の一,都道府県,市町村各四分の一(同改訂以前は三者各三分の一)。八二年の変更で週六日,計一八時間が上限とされているが,実際には八二年の制度改訂以前の週二回,一回二時間のままというところが多い。やはり八九年度の改訂で,身体介護の場合には手当が家事援助の一・五倍,年間約二四○万円(常勤換算)つくことになった(利用者負担は据え置き)。八九年の改訂は,特に高齢者の介助の問題を重視せざるをえなくなったことを背景とし,自治体側の負担の面で,予算人員より実際の配置人員が毎年少なくなってしまっていた(約二千人)ことを解消し,委託先を増やし,手当を増額して,身体介助にあたる人員を確保しようとするものだといえよう。★17
 地域に生活する人々の利用の現状はどうか。私達が知るのは八七・八八年の実態だが,現在でもそうは変わって[p250]いないはずである。彼らの多くは,この制度を,その制限に応じて,すなわち週四時間から一八時間まで,利用しているのだが,量的な問題がまず指摘される。上限まで派遣がなされているところでも,それだけで生活はできない。また日曜及び祝祭日や時間外の派遣は原則として認められていない。時間・内容等について,利用者の要求が必ずしも反映されない。どれほど当事者の状況に理解が得られるか。これは個々のヘルパーの資質というよりは,制度的な問題でもある。自治体の実施要綱に記されていない業務には携わらない,というより携われないとして,介助の内容は,ほとんどの場合,食事の支度,洗濯など家事援助に限られ,入浴,身辺介助は多くの場合敬遠される。個々のヘルパーが自主的に利用者の要求をかなえようとしても,ヘルパーによって業務内容に差があってはいけないという理由で,押さえられる。
 これには,奉仕員に自治体の正規の職員が占める割合が年々減ってきており,家政婦協会等に登録している人が多く採用されていることも関係している。自治体の正規職員,臨時職員,自治体の職員の資格を持たない者,その相互の身分,報酬の格差の問題を別としても,民間委託の場合,ヘルパーの多くは比較的高齢の女性であり,障害者を担当した経験が少ないことが多いため,また体力的にも,障害者の介助,特に身辺介助に消極的なこと,あるいはしようとしても出来ないということが多い。新規採用の少ない自治体の職員についても高齢化の問題は同様である。ともかくヘルパーの層が偏っていることの問題が大きい。女性しかいないというのはその最たるものだ。
 また,生活の自律性,プライバシーが守られないということもよく指摘される。生活指導と称して,生活様式に介入してくることがある。話す必要もないし話されるべきでもない生活の内容がヘルパーの間などで話される。反面で利用者とヘルパーの間の意思の疎通が十分になされていない。関係が個人対個人になった時,それゆえの問題が生じうる。利用者とヘルパーとの間がどのような関係であるべきなのか,確かにこれは難しい問題ではある。それにしても,公平を保つため,個々の関係を生じさせないため,頻繁にヘルパーを交代させることの問題は大きい。
 [p251]行政当局との直接交渉を行い,業務内容の変更を撤回させた例はある。だが,制度的に保障された交渉,協議の場はなく,ヘルパーの選択権はもちろん,利用者の評価を反映させる道が制度的に保障されていない。★18
 このような問題をいくらかでも解消し,利用者が利用しやすいものとするため,一部では,それまでボランティアとして介助をしてきた人をヘルパーとして登録し,市がその人に賃金を払うという形態が取られている。例えばある人はこうして週四回,一回三時間(日中)の介助を得ている。その介助者に対して月四七○○○円が払われている。このような場合には,この制度は次に検討する介助料を支給するという制度に近づくことになる。
 こうしてみた時,奉仕員の臨時職員化,次に事業の委託,そして八九年の改訂による委託先の拡大は何を意味するのだろうか。この方向が政策的に取られるようになったのが主要には財政上の理由からであること,これは全く明らかである。総費用を一定とすれば,派遣の総時間数は増える。勤務時間等の制約が緩くなることによって,利用しやすくなるという可能性も生ずる。人員の配置に柔軟性が生まれる。いずれも現在の国・自治体のあり様を所与とおいた場合である。所与としない場合,現状のどちらかを取ることを迫るというのでない多様な検討課題が出て来るわけだが,それはここでは置こう。現実の担い手の層に起因する問題については一部述べた。介助という行為に関わる決定の問題だけをみよう。行政機関の権限を縮小するという方向において,この動きと彼ら当事者の志向とは共通しているかに見える。けれどもそれは,一方が当事者の発言権・決定権を確保しようとしてのことなのに対し,他方のは逆に,行政の場を通り越して不満と要求を持って行く先が曖昧になり,持って行きようがなくなる危険性がある。現状は,サービスの質によって良い方を選択できるというような状態では全くない。また行政府の監督と一般的に言うだけでも済まない。これまでの章でも再三述べてきたように,施設の設置基準がどうとかいう[p252]のとは水準を異にする,関係の微妙なところが問題の核心になるからだ。社会福祉協議会といった営利を目的とするのではない機関に対しても,彼らは全幅の信頼を寄せてはいない。5に紹介する当事者自らが媒介機関を作りあげようという試みは,実は,それを見越して,先回りしようという意図,危機感からも来ているのである。
……*14
「市町村は,社会福祉法人その他の団体に対して,…日常生活を営むのに著しく支障のある身体障害者の家庭に…奉仕員を派遣して日常生活上の世話を行わせることを委託することができる」(身体障害者福祉法第二一条の三)。法律としてあるのはこの条文だけのようだ。厚生省がホームヘルパー制度に国庫補助を行うようになったのは六二年からで,それまでは長野県,大阪市,東京,名古屋市などが,自治体の単独の事業として実施していた。六三年には老人福祉法が制定され,老人家庭奉仕員事業をはじめた。実施主体は市町村だが,派遣世帯の決定・サービスの内容については厚生省に権限があった。派遣対象は心身に障害のある高齢者をかかえる家庭のうちでも低所得層となっていた(七六年からは一人暮らしで日常生活が困難な高齢者も対象となる)。
*15 病気などで一時的に介助が必要になった家庭に介助者を派遣する制度で,介護人を選定して登録しておき,障害者から申し出があった時派遣するというものだった。
*16 障害者に対する奉仕員は全体の四分の一といったところらしい(西田[1988:287])。
*17 八二年の変更,そこに至る経緯等についての障害者運動の側の文献として渡辺鋭氣[1982],鈴木[1982],八柳[1986],等。八九年の変更は他に,対象として「その家族が介護を行えない状況」となっていたものが「本人またはその家族が介護を必要とする場合」とした点,等。東京都(全区市町村で実施)の各自治体の実施内容については各年度の『区市町村における障害者福祉施策の概要』(以下『区市町村』と略)参照。だがその実態はこれからは推察しがたい。この制度,制度の利用の実態については,新宿身障明るい街づくりの会[1982:32-34][1988:114-137]が詳しく,参考になった。
*18 今まで行ってきた入浴介助を,機械風呂 (風呂を備えた自動車に介助者が乗り込んで各家庭をまわる) の導入に伴い中止するという通告がなされたことに対して,市の担当者と交渉し,撤回させた例がある。

(立岩[1990b:248-252])

◆法令

◆経緯



「身体障害者福祉法による身体障害者家庭奉仕員派遣事業について」
 67.08.01社更第240の2本職通知
「身体障害者介護人派遣事業の実施について」
 73.04.07社更第72号本職通知
  82.9.30 上2者廃止
「身体障害者福祉法による身体障害者家庭奉仕員派遣事業について」
 82.09.08社更第156号厚生省社会局長通知(『法令通知集59』)
 (別添)身体障害者家庭奉仕員派遣事業実施要綱(〃)
  1 目的
  2 実施主体
  3 派遣対象
  4 サービスの内容
  5 派遣世帯の決定
  6 派遣回数等の決定
  7 費用負担の決定
  8 家庭奉仕員の勤務形態及び選考
  9 家庭奉仕員の研修
  10 他事業との一体的効率的運営
  11 関係機関との連けい
  12 その他
「身体障害者家庭奉仕員派遣事業運営要綱の改正点及び実施手続等の留意事項について」
 82.09.08社更第157号厚生省更生課長通知(〃)
  …1日4時間 1週6日間 1週あたり延べ18時間
「家庭奉仕員の採用時研修について」
  82.09.08社老第100号厚生省社会局老人福祉課長・更生課長・障害福祉課長通知

 「家庭奉仕員」と「家事援助者」? 東京都の制度 後者は家政婦
 87.05.26 社会福祉士法及び介護福祉士法(法律第30号)

 現在 正規職員・臨時職員・家政婦

○事業の設置と派遣状況

 『介護福祉障害者をめざす人へ』:110
 →厚生省社会福祉事業報告

◆費用

○批判

 費用負担
 採用時研修に対して

◆「身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱の実施手続等の留意事項について」
 (1990年社更第260号 1990.12.28)

◆「身体障害者居宅生活支援事業の実施等について」(1990年社更256号 1990.12.28)


●ホームヘルプ事業運営の手引き
 (全国老人保健福祉主管課長会議(4年3月6日)において配付)

 未採録→採録予定
 『「国連・障害者の10年」最終年イベント基調・資料集』(1992年)p.98-103
 に再録

 ※重要点
「市町村がサービスの提供に際し,サービスの回数,時間を対象者や家族の状態に
かかわらず一律に定めているなど,ニーズがあるにもかかわらず制限を行っている
…。いたずらに画一的なサービスの決定を行うことは,適当ではない。このような
要綱等を定めている市町村は,早急に改正する必要がある。」
(「(4) ホームヘルパーの派遣回数等」より)

◆東京都の家庭奉仕員派遣事業

◆全国公的介護保障要求者組合の厚生大臣に対する要望書

 『介護福祉士をめざす人へ』:107-112

■履歴
920616 FAILを分離・要求者組合の要望書
930318 少し入力

REV: 20161030
介助(介護) 
HOME (http://www.arsvi.com)